抱き線~マーケットが抱いた猜疑心

今日の東京株式市場は反落しました。


日経平均 7,969.03(-107.59)円
TOPIX 778.90(-11.94)
225先物(09/03) 7,910(-150)円


USD/JPY(15:30) 91.07円(みずほCBリファレンス)


・NY市場。寄り前に発表された1月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が市場予想を下回る59.8万人減少、失業率は7.6%。しかし、この程度なら織り込み済みというところもあり、金融安定化策を9日に公表する(10日に延期)ことを控えて金融株に買い戻し。バンカメが26.7%高、JPモルガンが19.64%高、シティが10.76%高。また雇用統計の中身の悪さから景気刺激策への期待も広がり、全般相場を押し上げる材料となりました。DJIAは217ドル高、CME225先物は8,390円。一方で景気刺激策で多額の財政負担が見込まれることから債券は売り、一時10年債利回りが3%台まで上昇する場面もありました。


・東京市場・前場。外資系動向は11社で売り2040万、買い1530万、差引530万株の売り越し、金額9社も売り。12月機械受注は予想を上回る-1.7%、1-3月見通しは+4.1%。但し、10-12月トータルでは落ち込みが大きくSGXでの反応は限定的。寄り付きは買い気配スタート。8,200円台を回復したものの、上値を買い上げる主体はおらず、早朝にニュースで出された、金融安定化策についてガイトナー財務長官による公表が一日遅れたこと、さらに民間資金も募り、規模などもそれ程大きいものにはならないのではないか?との見方から次第に戻り売りや失望めいた売りから上げ幅縮小。前場の安値圏での引けとなりました。

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・後場。8,100円を割り込み、8,050円まで売られる場面があり、TOPIXが後場寄り後マイナス、225も12時48分にマイナスに転じたものの、その後は8,100円挟んでの展開となったものの、内需系に幅広く売りが出され、一部のハイテクも朝高後値を消していく展開の中、14時20分あたりから指数も下げ幅拡大、8,000円割れが視野に入る展開、引け間際はこの水準での推移、しかし、大引けは安値引けとなりました。ドル円は朝方から1円も値を下げ、クロス円も次第安。本邦輸出筋とみられる売りや朝方買い付いた向きの投げも重なり91円割れまでありました。


・やはり昨日も書いたとおり気になるのは米債動向で、四半期定例入札(クォータリー・リファンディング)を控えて金利上昇のバイアスが掛かりやすく、それが為替相場なり株式相場なりを揺るがしていく可能性があるな、相場的には下手したらトリプル安への懸念も足元強いです。


米債のイールドカーブ(出所:FRB)

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・現状では当然、「悪い金利上昇」。企業活動にマイナスになったりするなど経済全般を冷やしかねないのは当然のことなのですが、最も気になるのはこの金利上昇がモーケージ金利に波及して、借り換えが上手くいかず、住宅ローンの支払いが滞り、住宅差し押さえが起きかねないこと。これはマクロ経済の問題ではなく、金融の問題であることを意識すべきで、住宅ローン債権を大量に持っている金融機関にとってそれは新たな不良資産拡大の種になるのです。そうすれば金融株への売りバイアスとして掛かるでしょうし、金融機関の経営を一段と圧迫させ、金融危機が一層深刻化してしまいかねないリスクがあります。それを防ぐのが昨日書いたとおり金融当局(FRB)の債券買い取りによる債券市場の需給改善です。昨日も書いたとおり、いつ、どのレートで買い取りを行うのか、ここが最大の焦点となります。


米モーケージ金利(出所:FRB)

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・あとは、猜疑心を抱かせたマーケットを如何に納得させるか、これはガイトナー財務長官の仕事ですね。市場の猜疑心から催促相場を招かせてしまうのか、それを打ち消せるのか、いきなりガイトナー長官はその手腕が試されている形です。今日は抱き線。期待先行で買い付いた買い方の失望売りから投げが出されて前日の足を完全否定した形。猜疑心で収まっておればまだ修復可能ですが、不信感の増大はやがていろいろな期待をぶち壊していきます。従って壊れないうちに市場の猜疑心を解いていけるのか、それが問われているのかも知れません。


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by kabu-gion | 2009-02-09 18:02 | マーケット雑感


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