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続落~欧州懸念

今日の東京株式市場は続落しました。


日経平均 7,534.44(-111.07)円
TOPIX 749.26(-7.27)
225先物(09/03) 7,580(-60)円


USD/JPY(15:30) 92.38円(みずほCBリファレンス)



・今日も寄り付いてからの値幅は乏しい展開でした。


・NY市場。朝方発表された2月のNY連銀製造業景気指数が-34.65となり、過去最低を記録することになりました。また、ムーディーズが中東欧のリセッションにより金融機関が打撃を受ける可能性があるとして、ユーロ圏発の金融危機の懸念から、株売り/債券買いの流れとなりました。金融株が全般指数を押し下げる展開、モルスタが-13.82%、JPモルガンが-12.31%、バンカメが-12.03%となり、主要金融機関は軒並み10%安を記録する展開となりました。またGMの再建策が不透明であったことから同社株が売られました。また世界経済のシュリンク懸念から原油先物が軟調、エネルギー株にも売りが出されDJIAを押し下げました。結局DJIAは297ドル安、CME225先物も大証比185円安の7,455円。債券は株が大幅安だったことから急伸、10年債利回りは2.65%。


・東京市場、前場。寄り前の外資系証券の注文動向は11社ベースで売り2980万株、買い1670万株、差引1310万株の売り越し、金額9社ベースでも売り越しの観測。寄り付き前にGMの再建策が発表され、GLOBEXでの米株先物が持ち直し、売り気配で安寄りしたあとは買い戻しが入る展開、7,500円を回復して下げ渋りの展開となりました。年金の買い観測も流れて売り叩く動意も薄いものの、NYの地合を引き継ぎ債先買い/株先売りの動きも活発で戻りも限定的。膠着感が次第に強まる展開となりました。トヨタが日経で5月にも増産するとの観測から輸送用機器の一角がしっかりも、不動産が軟調。外為はユーロが軟調で、ユーロドルで1.255まで売られる場面がありました。

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・後場。前場終値と同値で先物が寄り付き、その後は小動き。しかし、戻りも限定的であったことから次第にじり安展開となっていきました。一旦は先物で7,500円を割り込む場面があったものの、安値拾いの動きもあり、その後14時台は7,520円~7,540円までの間でのもみ合い、薄商い商況の中様子見、模様眺め商況となっていきました。引けまでこの動きが継続していました。東証が引けてからの大証の先物が急速に下げ渋る展開、一時7,610円までありました。JGBFは終盤上値が重くなり26銭高の139.64円。引け後に発表されたソシエテ・ジェネラルの決算でQ4黒字確保(8700万ユーロの黒字)だったことからユーロが買われクロス円主導でドル円もじり高。


・昨日からの流れでは欧州の下げ、NYの下げ、東京の下げの順番で来ていることが分かります。というのは、昨日の夕刻からユーロが急落していき、欧州株式市場も全面安でした。ムーディーズやS&Pの中東欧のリセッションと金融機関に関するWarningで欧州金融危機懸念という流れが出来てしまって、それがNYでも金融株が大きく売られ、東京に引き継がれる構図。為替もユーロ圏や東欧の通貨が全面安だったり、東欧の債券が暴落してみたりするなどみせており、明らかにGMでは無くこちらの方を懸念している感じでした。


・そのムーディーズのWarningでは、欧州新興国は不均衡の差が大きいことから、他の国、地域と比べてリセッションがより深刻化する見通しであり、これにより同地域の銀行と西側の親会社の財務格付けが圧迫されるということです。そして名指ししてウニクレディト(イタリア)、ライファイゼン(オーストリア)、ソシエテ・ジェネラル(フランス)をはじめとする西側の金融機関は過去数年間に欧州新興国市場の信用の伸びに着目し、同地域の銀行セクターで多くの買収を行い、結果的にこれらの親会社の格付け引き下げにつながる可能性に言及しました(以上、ロイター記事より)。


・実はこのところの東欧のいろいろな市場性のあるもの(通貨・債券・株式)はことごとく崩れている感じでがあって、ほんの一例ですが、ハンガリーの通貨フォリントが結構暴落気味となっています。


HUF/USDのチャート

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それと同時にハンガリーの債券利回りが急上昇し、それを懸念してハンガリーのCDSスプレッドが大きく上昇していたりしています。ハンガリーはあくまでも一例に過ぎず、東欧全般で同じような現象がみられます。特にひどいのはウクライナで、CDSスプレッドは3200bspまでワイド化しています。そしてこれらの国の銀行を買収してきた西側の欧州の金融機関にも懸念が高まってきているという構図なので、それを懸念してユーロが売られたり、グローバルで金融機関の株式が売られたりしています。それがここ一日の推移で、GMの話なんて二の次、相変わらず金融の話題に振り回されているのが現状なのではないかといえます。そして、この問題がグローバル金融危機の第二幕になる可能性もあって、下手を打つと1931年のオーストリアのクレジット・アンシュタルト破綻に似た構図に発展してしまいかねないのが怖いのです。

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by kabu-gion | 2009-02-18 17:03 | マーケット雑感


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