続伸~ガイトナー効果と御祝儀買い?

今日の東京株式市場は続伸しました。


日経平均 8,488.30(+272.77)円
TOPIX 812.72(+21.16)
225先物(09/03) 8,400(+220)円


USD/JPY(16:00) 98.16円(みずほCBリファレンス)



・御祝儀買いですね。後場はもう相場どころじゃなかったですかね。ブルームバーグでは実況していたりしました。とにかく侍ジャパン、連覇おめでとうございます。


・NY市場。朝方に米財務省がバッドバンク構想について取りまとめたものを発表しました。骨格としては(日経の朝刊の繰り返しになりますが)、


①米財務省は金融安定化法に基づき最大1000億ドルの資金拠出
②FDIC、FRBの保証・融資合わせて最大1兆ドルのバッド・アセット買い取り
③金融機関の資産売却希望を受けてFDICが入札、最も高い価格を提示した民間投資家と政府が官民共同ファンドを設立
④財務省と民間が同額出資、FDICが買い取り資金の調達を保証して買い取る。
⑤CDOと引き換えに融資するFRBの新制度を拡充


このようなものが発表され、債券王ビル・グロース氏率いるPIMCOやプライベートエクイティのブラックロックなどがこの構想に前向きに検討していると報道され、寄り付きから堅調に始まりました。そしてNY時間10時に発表された2月中古住宅販売件数が前月比+5.1%(年率472万戸)となり、サプライズを呼んだ格好となりさらに上伸していきました。リスク志向の高まりから原油相場が急騰したことからエネルギー株にもフォローとなりました。GSが中国工商銀の株式を売却するのではないかとの観測も金融株の追い風となり、バンカメが+26.01%、JPモルガンが+24.67%、シティが+19.47%となりました。DJIAは今年最大の上げ幅497.48ドル高の7,775.86ドル、NASDAQは98.50ポイント高の1,555.77となりました。S&P500は安値から20%戻したことから「強気相場」に移行しました。債券市場はやや軟調。株高や今週に2年、5年、7年債(合計980億ドル)の入札を控えて需給懸念もあるものの、FRBの米長期債買い入れが1週間に2-3回にわたり行われるとのことから押し目は拾われる展開となりました。10年債利回りは2.65%(前日は2.63%)。


・東京株式市場・前場。寄り付き前の外資系証券の売買注文動向は、11社ベースで売り3060万株、買い2920万株、差し引き140万株の売り越し、金額9社ベースでは買い越しとの観測となりました。寄り付きは買い気配スタート、8,400円で始まりました。その後は戻り待ち売りの圧力が次第に大きくなり、じりじりと上げ幅を縮小する展開、9時46分には空売り規制を7月末まで延長するとか、与謝野財務相が閣議後の会見で「一時的な株上昇で、今まで考えてきたことをやめる水準には戻っていない」との発言があったものの、市場はあまり材料視することなく一時先物で8,300円まで売られる場面まであってその後は8,300円台の狭い範囲内でのもみ合いとなりました。


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・後場。後場寄りから先物に数百枚が単位の売りが断続的に出され、さらに上げ幅を縮小しました。その後8,260円のところまで売られた後は狭いレンジ内でのもみ合いとなりました。GLOBEX米株先物が軟調に推移したことから13時48分には8,230円まで売られるところまでありましたが、売り一巡後は次第に買い優勢の展開となっていきました。14時台に入るとしっかり、為替市場でドル円が98円に乗せていく中で8,300円台後半のところまで買いが入っていきました。14時39分にWBC決勝で日本が連覇を果たしたあたりから騰勢を強めていき、現物は終盤に一時8,500円台に乗せるところまでありました。引けではややインデックス売りに押されるも大幅続伸で今日の取引を終えました。債券市場は小動き、戻り売り優勢の中JGBFは変わらずの139.45円。



・バッド・アセットの買い取り計画について。今回は2月のように不透明の中失望感で売られる感じではなく、素直に好感しました。個人的には昨日も書いたとおり額が少ないのではないかと思っていたのですが、もう一つの不透明材料であった、こんな金融危機の中、AIGの巨額ボーナス問題で金融監督が強化される中で買い手の民間ファンドなんて出てくるのだろうか?という懸念がPIMCOとブラックロックによって払拭されたというのは大きいですね。民間ファンドを呼び込めるスキームになったのは良かった感じがあります。


・日経にもありますが、例えば簿価価格が100ドルの資産を84ドルで買い取るとした場合には12ドルを官民で折半して出資し、残りの72ドルは借り入れで賄いFDICが保証する(ノンリコース融資)というスキームは民間ファンドのリスクテイクに十分配慮した感じなのでしょう。またガイトナー財務長官が「銀行救済で追加資金が必要となる可能性」について言及したことも将来のバッドバンクの枠増額に含みを残した感じでこれも好印象でした。



リスク回帰志向がこのところ続いています。如実な面ではコモディティがしっかりしているところですね。ソフトはまだまだなのですが原油(WTI)が1バレル53ドルのところまで戻ってきたりしています。さらには足元で高金利通貨が力強い動きなどをしています。リスク志向回帰の源泉はFOMC以降のLIBOR金利の大幅低下でインターバンク間の信用が回復しつつあることで資金循環が上手く効いていることなのだろうと思われます。


ドルLIBOR3ヵ月金利の推移(出所:BBA)


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・商品市場や為替市場ではマネタリーインフレの懸念があるという解説があるのですが、先日掲載した貨幣乗数からはデフレ懸念の方が足元強いわけで、ドル札をジャブジャブに刷っても流動性資金の準備のために連銀の地下倉庫に眠っているだけだったり、あるいは金融機関の自己資本増強のためのファイナンスに使われてしまうので、結局マネーサプライに反映されていく可能性は限定的ではないかとも思うのです。そんな中で商品なり高金利通貨に資金が向かっていることは、インフレ懸念というよりも投資資金のリスク志向が先のFOMCを通過して高まっているとみることの方が妥当ではないかと思われます。


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by kabu-gion | 2009-03-24 17:35 | マーケット雑感


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