続急落~梯子を外された?

今日の東京株式市場は続落しました。


日経平均 8,236.08(-390.89)円
TOPIX 789.54(-34.99)
225先物(09/06) 8,200(-430)円


USD/JPY(15:30) 96.73円(みずほCBリファレンス)




・2営業日連続の無いとこ安値引け、さすがに痛い展開です。


・NY市場。JPモルガンのダイモンCEOが1-2月に比べて「3月は厳しかった」との発言や、バンカメのルイスCEOも3月のトレーディング収入について「その前の2ヶ月ほど良くなかった」との発言を嫌気して金融株に売り先行となりました。またGSがアマゾン・ドット・コムについて、「コンビクション・バイ」から削除したことを嫌気してハイテク株も下落、原油安からエネルギー株が売られるなどして全般相場も軟調な展開となりました。DJIAは148.38ドル安の7,776.48ドル、NASDAQは41.80安の1,545.20。債券相場はやや軟調。FRBが75億ドルの米国債を買い取るオペを行ったものの、GSが今年の国債発行額が昨年のほぼ3倍の2兆5000億ドルの発行があるのではないかとの観測で需給懸念で重くしました。10年債利回りは2.76%(前日は2.74%)。ユーロ・ポンドといった欧州通貨が英国のGDP確定値で予想以上の下方修正を嫌気して売られる展開となっていました。


・東京株式市場・前場。寄り付き前の外資系証券の売買注文動向は、11社ベースで売り1660万株、買い1400万株、差し引き260万株の売り越し、金額9社ベースでも売り越しとの観測となりました。8時50分に2月の鉱工業生産指数の発表がありました。前月比で市場予想-9.2%に対して、


-9.4%


となり、コンセンサスとほぼ一致。在庫指数は前月比-4.2%となりました。GMのワゴナーCEOが辞任するとの報道もありましたが、これは材料視されず、寄り付きは先週末比横ばいのところでスタートしました。その後、先物で8,660円まで買われ堅調な場面もみられましたが、買いは長くは続かず、GLOBEX米株先物も軟調に推移していたこともあり、売り物がち優勢の展開となっていきました。一旦は8,600円割れのところで押し目買いも入ったものの、一部証券のレーティング格下げを受けてメガバンクの一角が大幅安になっていたこともあり、次第にじり安の展開となっていきました。前引け間際には8,500円レベルを割り込む展開となり、安値引けとなりました。


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・後場。後場寄りは、昼休みのバスケット取引で売り決めだったことを受け、ギャップを空けてスタートしました。その後買い戻しも入ったのですが、13時あたりに、「米政府の自動車作業部会、GMとクライスラーの再建計画受け入れを拒否」と伝え、一部には事前通知型破綻(プレパッケージ型のChapter11)も選択肢という観測もあったことからGLOBEX米株先物の下げ幅が拡大、ドル円も一段安の展開となっていき、下げ足を速める展開となっていきました。13時40分に8,400円割れのところまであった時にやや買い戻しが入るものの、このところの買い方の投げ売りが嵩み14時以降はほぼ一辺倒の下げとなっていき、14時25分には先物で8,300円台を割り込んで推移していきました。引けにかけても売りが止まらず、結局安値引けとなりTOPIXは800ポイントの節目を割り込んで取引を終えました。債券市場は小幅高。株先買い/債先売りのアンワインドによる買い戻しなどが先物に入るものの、様子見気分が強く、JGBFは9銭高の138.30円。外為市場では本邦勢のリパトリに加え、リスク回避の動きからドル売り/クロス円売りの様相のが強まり、オプションカットの時間帯から一気に動いていく展開、96円台前半のところまでありました。



・GMはそれなりに大きな問題ではあったものの、プレパッケージ型破産については、昨年の12月に公的融資を当局が行ったときからマーケットでもそれなりにスキームは認知されており、改めて蒸し返された感じでもあります。ビッグスリーのプレパッケージ型破産スキームとは、自動車メーカーが破産申請する前につなぎ融資を確保すると共に債権者、従業員、納入業者の譲歩を取り付け、申請後の再建計画も準備します。そして、通常のChapter11を申請した場合では、破産裁判所の元で再建を進める場合に通常2年~5年間掛かるのですが、プレパッケージ型破産スキームでは半年から1年で手続きを終えることが出来ることから、企業を一旦破綻に追い込んでも最低限の影響に食い止める効果があるとされています。


・"Chapter11"という言葉が先行して嫌気されていますが、あれだけの負債を抱え、今なお資金流出が継続している企業を今のまま融資を継続して存続させた形で再建できるのか?という点については疑問符がつくところでもあり、いずれはこういったプレパッケージ型破産への政治決断に迫られる時が来るのかもしれませんね。もしかしたらそれが明日なのか?先送りなのか?ということなのかもしれません。もちろん、別のスキームもあるわけで、明日にどのような決断がなされるのかは注目すべきであるということは言うまでもないところだと思います。


・それ以上に需給的に梯子を外されたのが大きいかもしれませんね。先週にも書きましたが、需給構造上ここまでの上昇相場というのはあくまでもヘッジ外しの動きから先物に買いが入り、売り方のショートカバーと自己の裁定買い主導で3月27日の先物高値8,860円まで買い進まれてきたわけです。ヘッジ外しの買いは期末のT+1、すなわち今日までが限度かもという感じだったのですが、先週末でほぼ一巡した格好でもあったりして、これで梯子を外された感じでもあります。



・今日の鉱工業生産の数字は在庫が鮮明に捌けてきたというのは景気先行性を占ううえでポジティブな材料だったといえます。


鉱工業生産指数と在庫指数の推移


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在庫が急増したのが昨年のリーマン・ショック以降の経済でしたので、この在庫が捌けてきて、一巡すれば生産活動の増加に反映されていくという、いわゆるキチンサイクル通りの経済となっていくのかもしれません。但し、昨年の夏までの高い生産水準まで戻っていくことができるかどうかは疑問でしょうね。それゆえ経済成長が仮にプラスに転じても大きなリバウンドが望めるかどうかは不透明なところではあります。


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by kabu-gion | 2009-03-30 18:35 | マーケット雑感


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