3日続伸~伸び悩み

今日の東京株式市場は続伸しました。


日経平均 8,749.84(+30.06)円
TOPIX 831.31(+4.67)
225先物(09/06) 8,730(+40)円


USD/JPY(15:30) 99.50円(みずほCBリファレンス)



・まぁ、伸び悩みも仕方ないでしょう。31日から今日の高値まで800円弱騰がっているわけですからね。


・NY市場。経済指標では新規失業保険申請件数が66.9万件と26年ぶりの高水準となりましたが、FASBによる時価会計の緩和が決定されたことから金融株に買いが入りました。さらにG20金融サミットで、雇用維持・創出のために5兆ドルの財政支出を行い生産を4%拡大させることや、IMFの拠出拡大で経済的混乱を乗り切るため、貿易再活性化に向けた資金を必要な国に提供することなどが取り決められ、リセッション脱却への取り組みを評価する形で資本財などのセクターも買い進まれました。またダウ・ケミカルがR&Hの買収が完了したことで同社株が+12.83%となるなど素材もしっかりとなりました。DJIAは216.49ドル高の7978.08ドル、NASDAQは51.03高の1,602.53となりました。債券市場はFRBが75億ドルの国債買い入れを行うものの、時価会計緩和で金融株が買い進まれたことが重石となりました。10年債利回りは2.77%(前日は2.65%)。外為市場はECB理事会で25bpの利下げ(政策金利は1.25%)に留まったことや、株高でリスク志向が強まりユーロなどが買われ、円及びドルが下落しました。ドル円も100円に急接近していきました。



・東京株式市場・前場。寄り付き前の外資系証券の売買注文動向は、11社ベースで売り1790万株、買い3610万株、差し引き1820万株の買い越し、金額9社ベースでも買い越し観測となりました。寄り付きは先物市場でCMEの円建ての水準(8,945円)よりも低い、8,900円でスタートしました。現物株も買い気配でスタートするものが多く、堅調な地合を継続していきました。9時18分には外為市場でドル円が5か月ぶりに100円を回復し、100.18円まで買い進まれました。ただ、短期的な戻りのピッチが速いことから、利食い売りもそれなりに出されてその後は伸び悩みで推移していきました。10時には先物で8,800円のレベルを割り込み、その後8,770円まであった後は8,800円を挟んでの動きとなりました。


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・後場。昼休み中にNYタイムズ紙が財務省書簡でGM破産申請の用意があると表明と報道、あるいはワシントン・ポスト紙が米政権の作業部会がGMに破産申請するように促すとの報道からややドル円が伸び悩み、後場寄りは前引けよりも安く寄り付き、その後12時33分には8,730円まで売られ、前日比変わらず近辺まで値を消す展開となりました。その後は売り方の買い戻しも入り、13時台になると8,870円まで先物で買い進まれる場面もあって、再度堅調地合となっていったのですが、上値での戻り待ちの売りや週末、特に雇用統計の発表を今晩に控えていることもあって、その後は上値が重い展開となっていきました。14時台になるとTOPIX型の売りが観測され、銀行株がマイナス圏に沈むとじりじりと上げ幅を縮小していきました。14時30分過ぎからは先物にまとまった売り物も入り、日中安値を切り下げる展開となると14時32分に現物もついにマイナスに転じていきました。その後は買い戻しもやや入り、結局伸び悩んで引けたという感じの終わり方となりました。債券市場は株先買い/債先売りの流れから朝方から続落基調、G20金融サミットで財政支出拡大が嫌気されました。JGBFは40銭安の137.41円。



・今日のところはCMEドル建てが9,030円で帰ってきたことから、9,000円トライという向きもあったのでしょうけど、やはり短期的な過熱感もあったのだと思います。4営業日で800円も騰がってみたり、騰落レシオが126.74まで上昇して買われすぎ感があったのでしょう。


・気になることが3点。ちょっと総強気な空気もありますから、手綱を締める意味でも考えてみたいところです。


・まずはバリエーションについて。二段波動研究会のブログの宮地鉄工さんも朝方の記事で述べておられましたが、やはり日経平均ベースの予想PERは104.69倍であり、TOPIXベースでも119.15倍と100倍を超えた驚異的な数字なのです。このような中で日経平均でPBR1倍水準(8,989円)を超えて上昇していくのはかなり割高感があると認識しておいた方がよいと思うのです。当然、PER100倍を超えてみたって企業業績がV字に改善するのであればそれは容認されるのでしょうけど、日銀短観で示されたように今後の業績のモメンタムは下げ渋る程度なのであり、急激に改善するには程遠いのです。景況感が改善しているのは確かで、それはそれで好感するに値するものであり、それを市場が好感したからこそ3月の安値から26%も戻していったわけです。それでもクレジットバブルが弾ける前の水準にV字で戻るとは想定することは難しいと考えると、バリエーションからここから10,000円だとかそういう声には耳を傾けにくいわけです。


・2番目は昨日決まったFASBの米時価会計基準の緩和についてです。これについては詳細は今後発表されるのですが、MBS(モーゲージ担保証券)などの資産評価について、企業はかなりの裁量権を持って行使することができる、ということなのです。これによって金融機関のQ1業績は評価損が圧縮できるおかげで2割程度改善できるのではないか、との見方もあります。これを受けて昨日のNY市場は好感したのです。しかしながら、この時価会計基準の緩和策はおそらくレベル3資産を対象にしているのですが、市場性のある商品に時価会計を止めてしまえば当然評価額と時価との乖離ができてしまうことになるのですから、バランスシートの透明性はなくなります。当然住宅ローン担保証券(RMBS)なり商業用不動産ローン担保証券(CMBS)の値段なんてmarkitで調べることができるわけです。証券化商品などに評価損を計上しなくてもよいので一時的に見せかけの利益を出すことができても、それらの商品が下がれば下がるほど金融機関の本当のバランスシートは実質的に痛んでいくわけで、結果として問題を先送りするということになるわけで、政府なりの抜本的な対策を行わなければ、中長期で売り要因として意識される懸念はありますね。


・さらには株式市場は浮かれてはいても、クレジット市場の改善はまだまだといった感があることです。確かに日銀の社債買い入れでシングルA以上のCDSはタイト化しているのですが、トリプルB以下のCDSはワイド化したままです。


アドバンテストの株価とCDSスプレッド推移(出所:TFX)


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NECエレクトロニクスの株価とCDSスプレッド推移(出所:TFX)


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アドバンテストはAA-(JCR)、NECエレクトロニクスはBBB+(R&I)となっています。トリプルB格以下の起債は前も書いたと思いますが全く行われておらず、資金調達の選択肢があまりありません。特にCDSスプレッドがワイド化したままの銘柄については起債なんてほど遠いわけで、当然資金繰りの問題にもかかわってくる話ですから、これから行われる企業側のウォーニング、あるいは業績発表のシーズンに差し掛かった時に再度警戒されていく可能性があります。


・さて、今晩は雇用統計です。予想数字は非農業部門雇用者数は66万人減少(レンジは52万2千人~75万人)、失業率は8.5%程度と見込まれています。市場はある程度は織り込んだかんじもありますが、予想外のネガティブサプライズになると楽観していた市場は数日間なのかもしれませんが揺り戻しが入る場合もありますので、十分注視しておく必要がありそうです。


・それでは今週もお疲れ様でした。よい週末をお過ごしください。

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罫線の中に現れる二段波動を相場観を高めることにより、正確に読み取っていく知識を身につけるために設立された、二段波動研究会

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by kabu-gion | 2009-04-03 17:24 | マーケット雑感


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