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今日もまちまち~動意薄・値幅に乏しい展開

今日の東京株式はまちまちとなりました。


日経平均 8,832.85(-25.08)円
TOPIX 832.60(+1.63)
225先物(09/06) 8,860(-30)円


USD/JPY(15:30) 100.40円(みずほCBリファレンス)




・上下110円程度の動きですから動意薄ですね。後場は凪の展開でした。


・NY市場。カリヨン・セキュリティーズのメイヨー氏がUSバンコープを「売り」に指定。「住宅ローン関連の問題には悪化が比較的進行しているものもあるが、リセッションの影響が他の資産に及ぶのに伴い、他の分野の問題はこれから加速する余地がある」としたことから金融株中心に売り先行で始まり、DJIAは100ドル超の下げとなりました。また、サン・マイクロシステムズが一株あたりの買い付け値段9.40ドルは安すぎるとしてIBMからの買収交渉を拒否、ハイテクも反落基調となっていきました。素材も産業用金属価格の下落やドイツ銀行のアナリストが鉄鋼セクターの収益見通しを引き下げ軟調となりました。引けにかけてはメレディス・ホイットニー・アドバイザリー・グループの創設者、メレディス・ホイットニー氏がCNBCで金融セクターが「森から抜け出す」には来年半ばまでかかるが、同セクターの有形資産には価値があり、株価はこれとともに上昇するとコメント。全般買い戻しを誘う形となりました。フォードが創業以来で最大規模(99億ドル)の債務圧縮を完了したこともポジティブ材料となりました。DJIAは41.74ドル安の7,975.85ドル、NASDAQは15.16安の1,606.71となりました。債券市場は軟調。今週実施される590億ドルの入札が需給懸念として蒸し返され売り材料視。10年債利回りは2.93%(前日は2.89%)。外為市場は株安で円以外の通貨でドルが強い展開となりました。


・東京株式市場・前場。寄り付き前の外資系証券の売買注文動向は、11社ベースで売り1870万株、買い1920万株、差し引き50万株の買い越し、金額9社ベースでは売り越しとの観測となりました。寄り付きは小幅安でスタートした後は過熱感からの戻り売りなどに押され、9時56分には一時8,800円台を割り込むところでの推移となりました。しかし、その後は買い戻しから全般も戻り基調、8,800円台の半ばから後半で推移し、前引けには8,910円まで先物にあって高値引けとなりました。


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・後場。後場寄り前に日銀金融政策決定会合の結果が発表され、


①無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0.1%前後で推移するよう促す
②適格担保の範囲を拡大(政府に対する証書貸付債権・政府保証付証書貸付債権の適格担保範囲の拡大/地方公共団体に対する証書貸付債権の適格担保化)


という内容となりました。これを受けての市場の反応としては債券が若干買い戻される程度で株式や外為市場にはニュートラルとして受け止められました。それよりも香港市場が軟調に推移していたことから後場寄りは売りから始まり、その後8,830円まであった後はもみ合い、8,840円~8,910円のレンジ内での取引に終始しました。13時30分に豪州中銀が予想外に政策金利25bpの利下げを行うとしたものの豪ドルが乱高下するのみでその他の通貨にはあまり影響しませんでした。大引けにかけても終始方向感には乏しい展開、動意薄のまま取引を終えました。債券市場は値ごろ感から押し目買いが入り反発となりました。日銀会合の中身は新味に欠けると受け止められ、小動きとなりました。JGBFは8銭高の137.08円。外為市場も豪ドル以外は方向感が欠ける展開、100円台中盤のところとなりました。



・今日のところは方向感がない、という感じですね。ややNロング/Tショートの巻き戻しも入ったのですが、気迷い感があって終始方向感がつかめず、十字足的な足形を形成しました。



・昨日のNY市場に関しては、メイヨー氏対ホイットニー氏の金融機関に対する見方の相違という構図だったのでしょうか。ホイットニー氏はもともとサブプライム問題の深刻さを指摘し、金融機関に対して弱気なレポートを出し続けてきたのですが、ここにきてややトーンが変わってきた感じだったのに対してメイヨー氏がリセッションの深刻化から貸倒引当を巨額に計上する必要があったりして弱気の見方をしており、金融に強弱ある感じだったのでしょう。ホイットニー氏は今の金融機関が持つ有形資産価値はボトム圏にあり、今後上昇するかもしれない、ということに対してメイヨー氏は住宅ローン関連の問題には悪化が比較的進行しているものが一部あるが、リセッションの影響が他の種類の資産に及ぶということなのです。どちらの見方が妥当なのか今の段階では分からないのですが、おそらくメイヨー氏の言っていることは商業用不動産(これはもう下落が顕著)や自動車ローンなど個人向けクレジット部門など金融機関が保有するバッド・アセットの損失が拡大するというものなのだと思われます。


・CMBS(商業用不動産担保ローン)についてはちょうど朝方にS&Pが不動産市場の不振や資金調達手段の欠如、景気後退を理由に「AAA」格付けも含め見直し後に格下げが行われる「確率が高い」としているというアナウンスがありました。また、英紙タイムズでIMFが世界の不良資産が4兆ドルに達する見通しを発表し、そのうち米国のバッド・アセットは2.2兆ドルから3.1兆ドルに拡大する見込みであることとしています。このことから再度米国を中心とした金融機関のバッド・アセットをめぐる問題がクローズアップされる可能性もありえる、といった感じでしょうか。ストレステストの行方も含めて今後金融機関の評価に注視すべきではないかとも思われます。



・日銀金融政策決定会合について。金融政策に関しては3月18日に長国買い入れ増額を行ったばかりですから、新たな策はこんなものなのでしょう。それ以上に3月の短観を総括した経済見通しを出しています(詳細はBOJのサイトから)


 わが国の経済情勢をみると、海外経済の悪化により輸出が大幅に減少していることに加え、企業収益や家計の雇用・所得環境が悪化する中で、内需も弱まっている。金融環境をみると、CP・社債市場の発行環境は改善しているものの、全体としては厳しい状態が続いている。これらを背景に、わが国の景気は大幅に悪化している。今後は、内外の在庫調整の進捗を背景に、輸出・生産の減少テンポは緩やかになっていくと予想されるが、国内民間需要は更に弱まっていくとみられるため、わが国の景気は、当面、悪化を続ける可能性が高い。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、石油製品価格の下落や食料品価格の落ち着きを反映して足もと低下しており、今後は、需給バランスの悪化も加わって、マイナスになっていくとみられる。景気・物価の先行きについては、2010 年度までの中心的な見通しとしては、中長期的な成長期待やインフレ予想が大きく変化しないもとで、2009年度後半以降、国際金融資本市場が落ち着きを取り戻し、海外経済が減速局面を脱するにつれ、わが国経済も持ち直し、物価の下落幅も縮小していく姿が想定される。こうした下で、見通し期間の後半には、物価安定のもとでの持続的成長経路へ復していく展望が拓けるとみられるものの、このような見通しを巡る不確実性は高い。


 リスク要因をみると、世界的な金融情勢や海外経済の動向次第では、わが国の景気が下振れるリスクがあることに注意する必要がある。また、企業の中長期的な成長期待が低下し、設備や雇用の調整圧力が高まることを通じて、国内民間需要が一層下振れるリスクもある。金融環境が厳しさを増す場合には、金融面から実体経済への下押し圧力が高まり、金融と実体経済の負の相乗作用が強まる可能性がある。物価面では、景気の下振れリスクが顕在化した場合や国際商品市況が下落した場合には、物価上昇率が一段と低下する可能性もある。この場合、企業や家計の中長期的なインフレ予想が下振れるリスクに注意する必要がある。



このようになっています。前回と比べて、日銀短観を踏まえて外需に関しては在庫整理に目途が立ったことでやや改善といった感じでトーンが変わりましたが、現状の金融不安による内需の下振れに警戒しているといった感じです。この点については株式市場でも内需系が弱い動きになっていることからしてある程度市場でも織り込みに図っている感がありますね。


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by kabu-gion | 2009-04-07 17:09 | マーケット雑感


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