軟調~リスク志向の後退

今日の東京株式市場は下落しました。


日経平均 8,595.01(-237.84)円
TOPIX 815.26(-17.34)
225先物(09/06) 8,580(-280)円


USD/JPY(15:30) 99.78円(みずほCBリファレンス)




・とりあえずローソク足からは星からの陰線、一旦はピークアウトでしょうか?


・NY市場。英紙タイムズでIMFによる米国の不良資産額が2.2兆ドルから3.1兆ドルに拡大しているとの発表があると伝えられたことから、寄り付きから続落して始まりました。ジョージ・ソロス氏がBloombergで3月9日以降の戻り相場について「まだ景気は好転しておらず、弱気相場の一時的な上昇局面に過ぎず」、「現在の金融危機はこれまでに経験したものと異なる」と伝えられたことも嫌気されました。また業績への警戒感が強く、S&P500構成銘柄のQ1決算は37%の減益となり、7四半期連続の減益は大恐慌以降最長であると予想されていることやアルコアの決算控えで押し目を買う動きも限られました。個別でバンカメが赤字拡大見通しと予測したキャタピラーが5%を超える下げとなりました。またGMがChapter11適用申請の準備を加速させていることから同社株が11.89%安となりました。DJIAは186.29ドル安の7,789.56ドル、NASDAQは45.10安の1,561.61となりました。引け後のアルコアの決算はEPSで59セントの赤字(Est.55セントの赤字)となりました。債券市場は反発。株安による逃避先として注目されました。10年物TIPS入札が行われ最高落札利回り1.589%、応札倍率は2.25倍(前回は2.48倍)。ただ、供給懸念から上値は限られました。10年債利回りは2.90%(前日は2.93%)。外為市場はユーロ圏GDP改定値がエコノミスト予想以上に悪化したことからユーロが売られました。ただ、昨日のロンドン時間からドル円は持ち直し、100円台での引けとなりました。


・東京株式市場・前場。寄り付き前の外資系証券の売買注文動向は、11社ベースで売り1910万株、売り2930万株、差し引き1020万株の買い越し、金額9社ベースでは売り越しとの観測となりました。8時50分に2月の経常収支が発表され、経常黒字が前年比-57.1%の1兆1169億円(Est.1兆700億円)となりました。寄り付きは売り気配スタートとなり、8,730円で寄り付きました。その後は8,700円を割り込んで一進一退の動きとなりました。自動車の一角や銀行の一角が強含みで推移する一方で信越化学が減益予想でハイテクが軟調となりTOPIX型が225型をアウトパフォームして推移していきました。10時過ぎに追加の経済対策を本日中に内容を詰めることで与党合意と伝えられ、やや買い戻す動きがありましたが、GLOBEX米株先物が安く推移し、安値圏での前引けとなりました。


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・後場。昼休み中に香港市場が大幅安で始まって、外為市場でクロス円主導に売られ、ドル円も100円を割り込むところまであったことから、SGXで一段安となる動きに鞘寄せして後場はギャップを空けてスタートしました。その後は8,600円を挟んでの一進一退でしばらくは動きのない展開となりました。13時49分に一時8,560円まであったものの、SQ前ということもあり手掛けづらさも手伝って安値圏で膠着の動きとなりました。14時に3月の景気ウォッチャー調査の発表があり、28.4(前月比+9.0)となりましたが、これについての反応はほとんどありませんでした。14時30分あたりから再度クロス円に売り圧力が加わり、ドル円も100円割れのところまで下落していったことからハイテク株中心に売り優勢、安値圏での推移となりましたが、大引けでインデックス買いが入り、直近の値から20円くらい戻しての引けとなりました。債券市場は軟調。5年債入札の結果は応札倍率が2.80倍、テールは3銭だったものの、追加景気対策による財政拡大懸念が売り材料視され後場一段安の展開、JGBFは23銭安の136.85円。外為市場は公示仲値近辺でまとまった買いが入りストップを巻き込んで堅調になる場面もありましたが、株安からクロス円主導で下落、ドル円は100円を割り込んだ水準での取引となっています。



・今日の動きとしては昨日のNY市場が大幅安でCME225先物も円建てで8,720円で帰ってきてそれにそのまま鞘寄せして、後場は香港市場が大幅安でGLOBEXも安くドル円も軟調で、という感じで外部環境にらみの動きだったのでしょう。



・再度ユーロ圏の動向に焦点が当たっていますね。ユーロドルは直近の安値の1.31ドル近辺まで下落しています。ユーロが直接売られたカタルシスは昨日のユーロ圏GDPの下方修正だったのですが、今日になってアイルランドの問題がクローズアップされたようです。アイルランドの財政状況はもともと悪く、昨年の財政赤字はGDP比33%だったのですが、今年は70%近くまで拡大するだろうと見込まれています。そのため財政状況を改善させるため増税と歳出をカットするとの報道がありました。バッドバンクも同時に設立するのですが、児童手当や公共事業の停止と年金保険料を2%にアップさせるというものです。現状の景気を考えた場合には財政拡大してリセッションを深刻化させないことが必要だとすることはこの間のG20金融サミットでも曲りなりにも協調したとされるわけですが、どうもそういう方向で舵を切ろうにも財政悪化で出来ない国もでてきてしまったというのはちょっと困難な問題を背負い込んだかなぁ、という感じです。


・これまで米国経済の先行指標が改善したことで、リスク許容度の高まりからユーロなり新興国通貨が買われてきた局面があったのですが、ここにきて企業業績懸念による株安、さらにはアイルランドのようなソブリンリスクを目の当たりにして、一旦ポジションを減らして現金化しようとする圧力が増してきていることは容易に推察できます。IMMのポジションについてもこの間は円についてグラフで紹介しましたが、実はユーロもネットベースで世界経済が落ち込む2008年の夏以来初めて買い越しに転じています。


ユーロドルの投機筋ポジションの推移(出所:CFTC)


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(4月6日の記事も参照していただきたいのですが)このことからわかるのは、投資家のリスク許容度の改善が急速に進んでいて、円のショートポジションが増加している(直近では36,207枚)、ユーロが買い越し基調にあることは、円をショートし、ユーロをロングにするというクロス円のロングで積極的に運用を行っていることが裏付けられることになります。こういったポジションが次第に積みあがっていった場合に、上記のようなリスクポジションのアンワインドのバイアスが加わりやすくなります。当然外為市場も株式市場なり債券市場なりクロスマーケットの影響を受けやすいですから、これまでのマネーフローの動きが逆回転すると株売り/円買いの流れがスパイラル化しやすい脆さも持っていることは留意した方がいいのかもしれません。もちろん、以前のレバレッジ経済下のポジションに比べれば遥かに小さいわけですから、スパイラル化しても大きな変動にはなりにくいことも確かですが。



・もちろん、現在マーケットではやや陳腐化しましたが、経済環境はフリーフォール型のものではなく、底ばいからやや改善という指標もあったりします。今日の景気ウォッチャー調査はその一例としてポジティブだったといえます。悪材料と好材料、両睨みのマーケット環境に移行するのが望ましいのですけどね。しかし、このところの相場というものは総悲観と総楽観で行ったり来たりですから、そういうように望むのも難しいのかもしれませんが。



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by kabu-gion | 2009-04-08 17:35 | マーケット雑感


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