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まちまち~中国に始まり中国に終わった相場

今日の東京株式市場はまちまちとなりました。


日経平均 8,755.26(+12.30)円
TOPIX 832.04(-3.21)
225先物(09/06) 8,750(+10)円


USD/JPY(15:30) 98.95円(みずほCBリファレンス)




・187円ほどの上髭、強烈なインパクトを残した「波高し線」。さてどうなりますやら。


・NY市場。経済指標では4月NY連銀製造業景気指数が-14.65(前月は-38.23)、3月米CPIは前月比-0.1%(Est.+0.1%)、3月鉱工業生産指数は-1.5%(Est.-1.0%/設備稼働率は過去最低の69.3%)、2月対米証券投資は970億ドルの売り越しとなりました。朝方はウォルマートのCEOが早期の米経済回復を見込んでいないとの発言やインテルにも売りが出され軟調スタートとなりました。その後は方向感なく推移していましたが、ベージュブックが公表され、3月はサンフランシスコやNY連銀など5地区連銀管轄地域で経済活動の縮小ペースが鈍化、一部の業種には「低水準ながらも安定しつつある」とのこと、さらにアメックスの焦げ付きローンの増加ペースが鈍化したことなどを背景に買い戻しが入り、高値圏で引けました。DJIAは109.44ドル高の8,029.44ドル、NASDAQは1.08高の1,626.80となりました。債券市場は堅調、朝方の鉱工業生産指数やCPIなどの弱い指標が手掛かり材料視されました。10年債利回りは2.76%(前日は2.79%)。外為市場はドルが軟調、弱い経済指標を受けての動きとなりました。



・東京株式市場・前場。寄り付き前の外資系証券の売買注文動向は、売り3720万株、買い1790万株、差し引き1930万株の売り越し、金額9社ベースでも売り越しとの観測となりました。寄り付きはCME225先物の円建て清算値の8,850円をやや上回る8,880円で始まりました。その後中国1-3月GDPを控え売り方のカバーの動きや鉄鋼や海運などに短期筋の期待買いなども入り、しっかりの展開で推移していきました。そして9時45分には先物で9,000円の大台をタッチし、現物も9時57分に大台を突破していきました。しかし、9,050円を付けた後は実需の売りも観測され、9,000円台をめぐる攻防がなされていく展開となり、前引けでは現物は若干その大台を割り込んでの引けとなりました。そして11時に注目の1-3月中国GDPが発表され、年比+6.1%(Est.+6.2%(ロイター))となりました。


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・後場。中国のGDPが市場コンセンサス程度に収まり、上振れがないことが確認され、さらにPPIもマイナスとなっていたことを受け、昼休み中のSGXは伸び悩みの動きとなりました。後場寄りは売り気配で始まり8,930円で始まりました。その後一旦は8,970円まで買い戻される場面もあったものの、中国関連に利益確定売りが出されたほか、TOPIX型に売り物が入り、すぐに8,900円台を割り込んでいき、8,840円まで売られる場面もあって13時台は8,850円近辺でのもみ合いになりました。しかし、コア系銘柄には断続的に売り物が出され、マイナスに沈む展開となっていくと次第に指数も上値切り下げて日中安値をうかがう展開となり13時32分には8,800円台を割り込み、TOPIXはマイナスに沈みました。その後も売りの動きは終始止まらずといった感じで14時44分には日経平均の現物もマイナスに転じる場面もありました。引けでは若干戻してプラスで引けたものの、TOPIXはマイナス圏での取引終了となりました。債券市場は軟調。朝方の株高を受け売り先行で始まって以降、ポジション調整の売りも出され停滞ムードとなりました。JGBFは24銭安の136.70円。外為市場は株安への警戒感からクロス円が売られる展開、ドル円も13時35分過ぎに99円割れ、結局そのままロンドン時間で安値を探る展開で推移しています。



・今日は典型的な"Buy the rumor,sell the fact"の一日。9,000円台は実需の売りも出され、非常に重い感が否めないものとなっています。突破できるには値幅で調整するか、日柄で売りを吸収しながらもみ合うか、そんな感じなのでしょうね。


・中国のGDPは統計開始以来過去最低となりましたが、中国担当のエコノミストの見方ではそれほど悪くはなく、ボトムアウトのサインとして受け止められているようです(ロイターの「第1四半期中国GDP:識者はこうみる」を参照)。ただ、問題なのはこの数字でデカップリング論が成立し得るのかどうなのか?といったところなのですよね。外需依存が7割もある国ですから、当然グローバル経済の失速を敏感に受けているわけで、いくら内需拡大策で「保八」に動き出したところで当面の外需が戻らなければきついのかな?という感も持っています。もちろん、内需についても将来的なポテンシャルは高いのでしょうから、中国関連が物色される場面はあって良いことだと思います。しかしながら、今現在、中国経済は外需依存なのですから、それに恩恵を受けるということでもないでしょうから、朝方の中国関連株物色にはやや警戒感を持ちました。さらにいえば米国にせよ、中国にせよ、他国頼みの日本経済という側面というのが改めて浮き彫りにされたかなぁ、という感もあってそのあたりにこの国の経済の脆さを露呈したのかな、と見るのはちょっときつい言い方なのでしょうか?



・投資主体別売買動向


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前期末までの「外国人売り/信託銀行買い」の構図が逆転し、個人と外国人が買いとの構図となりました。しかし、9,000円に接近、及び乗せてきた場面では託銀行がしっかり売ってきていることが分かります。先物では金融法人のうち生損保と都銀が買ってきて他は幅広く薄く売りという感じでした。都銀や生損保は先物買いの現物売りですから、EFP(Exchange for Physical)なんでしょう。おそらくこういった動きはマーケットにはニュートラルといった感じですかね。まぁ、外国人の買いに対して信託が売る構図が高値圏で出てしまっているのはいつみても同じなのでしょう。



・さらに言えば新運用年度に変わっての機関投資家の運用方針にも関心が集まるところですが、日本株についてあまりウエイトを上げて買ってはくれなさそうな感じですね。一昨日に明らかになった第一生命の運用計画をみると、


      09年度 (08年度実績)
国内貸付  微減  減少
円建公社債 微増  微増
国内株式  横ばい 微減
外国債券  横ばい 横ばい
外国株式  横ばい 減少
不動産   横ばい 横ばい


このようになっていて、株式運用についてはリバランス中心になるといった感じであまり買っていこうという感じでもないようです。さらに一昨日から外為マーケットの方で言われているのは、かんぽ生命が新規の外債投資を見送ると伝えられて国内勢からのドル買いニーズが減るのではないかという懸念があるようです。第一生命の運用計画では横ばいとなっているものの、ヘッジ付外債を買い付ける方針ですから、やはり外為市場への買いニーズにはなりません。まぁ、金利妙味も以前ほど乏しく為替リスクが付きまとう外債運用は手控えるのもわからないではありませんが...このあたりの運用方針をみると円債は金利上昇局面では需給上しっかり買われるのでしょうけど、株式にはあまり新規資金は期待しづらく、外国人頼みは変わらないようで、さらに外為市場ではややネガティブに受け止められるような感じですね。


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by kabu-gion | 2009-04-16 17:15 | マーケット雑感


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