反落~金融問題再燃か?

今日の東京株式市場は反落しました。


日経平均 8,711.33(-213.42)円
TOPIX 830.72(-17.58)
225先物(09/06) 8,770(-160)円


USD/JPY(15:30) 98.26円(みずほCBリファレンス)



・久方ぶりのNY大幅安を受けての東京市場、どうなることかと思いました。


・NY市場。朝方にバンク・オブ・アメリカの1-3月期決算発表があり、純利益が42億ドル(EPSベースでは0.44ドル)の黒字、市場予想0.044ドルの黒字を大きく上回ったものの、貸倒引当金が昨年の12月期から57%増加の134億ドルになったことを受け全般売り先行で始まりました。シティグループについて、ゴールドマンのアナリストがクレジット損失が急拡大し、基本的なEPSは0.38ドルの赤字であったとのレポートも金融株の売り材料。ストレステストに関してThe Turner Radio Networkが出した噂も嫌気され、下げ幅を拡大していきました。バンカメは24.34%安、シティが19.45%安となり、KBW銀行株指数も15.4%安となりました。リスク回避姿勢から原油が大幅安となるとエネルギー株も売られ指数を下押し、全面安の様相となっていきました。DJIAは280.60ドル安の7,841.73ドル、NASDAQは64.89安の1,608.21となり、VIX指数が15%上昇する展開となりました。債券市場はバンカメ決算とシティのレポートから安全資産への買いを集める形となり、FRBの米債買い入れオペも支援材料。10年債利回りは2.85%(前日は2.95%)。外為市場は欧州通貨が売られ、円が全面高。98円台を割り込む展開までありました。



・東京株式市場・前場。寄り付き前の外資系証券の売買注文動向は、11社ベースで売り2280万株、買い1200万株、差し引き1080万株の売り越し、金額9社ベースでも売り越しとの観測となりました。寄り付きは売り気配スタート、先物は8,690円で寄り付きました。外為市場で98円割れを嫌気して輸出関連が広範に売られ、原油が4ドル安したことを受け資源関連なども大幅安に推移する展開となりました。ただ、売り一巡後は小動きに推移し、10時あたりまでは全般小動きといった感じでした。10時38分に一旦8,610円まで売られる場面まであったものの、先物で高安100円程度の値幅となり、方向感がつかみにくい展開となりました。


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後場。後場寄りは前引けよりもやや高いところで寄り付いた後は次第に戻り歩調となっていきました。外為市場が98円台で落ち着きを払ったことも一応の安心材料となりました。その後しばらくは8,600円台での値動きに終始し、膠着ムードも漂う展開となりました。13時47分に8,720円まで買い戻された後、一旦反落してみるも、材料株物色も盛んで14時台は8,700円台で戻り歩調となっていきました。14時台はこの8,700円台を固めるところで推移し、TOPIX型主導で現物買いに指数も戻っていく展開となっていきました。14時32分に8,760円まで買い戻される場面があり、現物はやや引けで戻り一巡となりましたが、先物は高値引けとなりました。債券市場は堅調。米債が買い進まれた流れを受け堅調に寄り付いた後、20年債入札も順調との観測だったことも支援材料、JGBFは41銭高の137.04円。外為市場はクロス円主導でドル円も軟調に推移するも、昼過ぎから98円台で推移、その後ロンドン時間に掛けては98円を挟んだところでの取引となっています。



・今日の下落についてはDJIAが289ドル安で帰ってきており、CME225先物の円建て清算値が8,690円だったことからこれに鞘寄せして始まった後は意外と底堅さも感じたこともあって引けにかけて売った向きが買い戻しを急いだ感じなのでしょう。ただ、ドル円の101.40円近辺や日経平均のこの間のSQ値9,140円はトップを形成したようにも感じられ、調整入りしたといえるのかな?とも思われます。25日線が8,578円ですから、今後この値を試すのかどうか、というところなのかもしれませんね。



・ちょうどシティのパンディットCEOが「1-2月は好調だった」と発言し金融株に買い戻しが入って以降、全般相場も押しらしい押しを形成せず上昇してきたのですが、バンカメの決算でその金融の好材料を先取りする相場も一応は出尽くしなのかなぁ、という感じです。しかし、個人的な雑感としてはシティの決算の時にこういった動きになれば分かりやすかったのでしょうけど、何故シティの時は下がらずに何をバンカメだけ取って金融の悪材料が満載だったのか、いまいち不可解な動きだったりしますが...


・これまではサブプライム問題に代表されるように住宅などの資産価格の下落で銀行のバッド・アセットを拡大させてきた、という見方で良かったのですが、ちょっと1-3月の米銀の決算からまた違うところに目を向けていかなければいけないのかな?という気もします。例えばバンカメ決算から浮き彫りにされたのはクレジットカードの貸し倒れ率なのですよね。これが足元で急速に上昇してきているのです。


バンカメ(BOA)のクレジットカード貸倒率と米失業率(出所:バンカメの決算資料)


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これが意味するのは失業者が増加してクレジットカードのローンが払えない人が増加したということです。つまり、これまでなら不動産などの資産価格の下落が銀行を傷め続けたというシナリオだったのですが、今後は米経済のリセッションそのものが銀行の体力を蝕んでいくというシナリオに移行した感じなのです。逆にいえば米銀の問題は雇用情勢など実体経済が回復しない限り解決し得ないところに入りつつあるという見方ができるということです。従って、今後は住宅価格などの資産価格の動向と並行して雇用情勢など実体経済が金融を観る上で重要になっていくのだと思われます。



・話は変わって三市場信用残について。


信用売残 975,127(-49,965)百万円
信用買残 1,018,626(+64,911)百万円
信用倍率 1.04



ついに信用倍率が1倍を超えて取組がやや悪くなった感もあります(それでも拮抗という感じなのでしょうけど)。信用買いが9,000円手前の水準で694億円も増加してしまったのはちょっと高値でしこりを残したのかな?という感じですね。これで調整に入ると、ますますこの値段というのが重く感じさせそうで嫌な感じもします。信用買いの増えたセクターはこれまでは銀行株中心だったものの、このところの相場でリバランスの対象となっていた自動車株あたりも増加しているものが目立ちます。自動車株は踏み上げ狙いで買い付いた買い方が取り残されたのかもしれませんね。それでも売り残が高水準ですから取り組みが急に悪くなったという印象はしませんが、やはり買い方が買い付いたゾーンは高く、売り方の回転が効く相場になればややきつい局面もあるのかもしれません。


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by kabu-gion | 2009-04-21 17:08 | マーケット雑感


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