反発~ドル資産売り懸念

今日の東京株式市場は反発しました。


日経平均 9,340.49(+41.88)円
TOPIX 888.75(+3.32)
225先物 9,360(+40)円


USD/JPY(15:30) 96.60円(みずほCBリファレンス)



・今日は都合があって、相場がみられない時間が多かったので、概況は短めになります。


・NY市場。フォードやUSバンコープなどの巨額増資でEPSの希薄化懸念から売られる展開となりました。ただ、グリーンスパン前FRB議長が住宅市場の回復は近いだろうと述べたことや、ファイザーが同業のワイス買収完了により増配する可能性があるとの観測からDJIAは切り返しました。DJIAは50.34ドル高の8,649.11ドル、NASDAQは15.32安の1,715.92となりました。債券市場は横ばい。株価が不安定な動きとなったもののFRBの買い切りオペが好感されました。10年債利回りは3.17%(前日は3.16%)。外為市場ではドルが売られる展開、貿易赤字拡大などからドル売りに拍車がかかり、ドル円は96円台での取引となりました。


・東京株式市場・前場。寄り付き前の外資系証券の売買注文動向は、10社ベースで売り2900万株、買い2680万株、差し引き220万株の売り越し、金額9社ベースでは売り買い均衡との観測となりました。8時50分に発表された3月の国際収支で3月の経常黒字は前年比-48.8%の1兆4856億円となりました。寄り付きは小反発で始まりましたが、外為市場でドル円が95.80円あたりまで売られていくと輸出関連を中心に売られ、先物でも9,270円まで売られる場面がありました。その後はドル円も買い戻しが入り、下げ渋りから小幅プラス圏に浮上して前場の取引を終えました。


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・後場。後場寄りはアジア市場が堅調に推移していたことから前引けよりも高いところで始まり、堅調もみ合いの展開となりました。ただ、上値では国内系の売りが観測され、その後は膠着感のある相場展開となっていきました。結局もみ合いに終始し、小反発で取引を終えました。債券市場は軟調、海外勢からのテクニカル的な売りから一段安となる場面もありました。JGBFは24銭安の136.50円。外為市場ではドル売りバイアスがかかり、短期筋の仕掛け的な売りから96円を割り込む場面までありました。ロンドン時間では96円の前半での取引となっています。



・今日のところは相場をよく見てはいなかったのですが、ドル円の動きに神経質に推移していたのかな?という感じです。アジア市場やダウ先物が堅調に推移していたことから割合底堅かったともみることもできますが、上値では確実に売りが出されているような感じで方向感がなかった動きでした。



・その外為市場で気になることといえばドル安ですね。先週くらいまでの構図であれば、ドル安、円安、ユーロ高、新興国通貨高という感じで受け取っていたのですが、今週に入り円に対してもドルが安くなり、まさにドル独歩安という構図になっています。ドルインデックスをみても直近でかなり値を下げてきていることがわかります。


ドルインデックスと30年債の動き(出所:ICE・CBOT)


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これをみるとここ直近の動きというのは米国債安、ドル安の流れが鮮明になってきていることです。つまり何を意味するかといえば(朝方のモーサテのJPモルガンの佐々木融氏が指摘していたような)ドル資産売りという流れです。これに関してはいくつか見方ができます。


①リスクアペタイトの高まり
②米国の財政に関する懸念


このような見方ができます。前者の見方であるならば、グローバル景気がボトムアウトし、回復していくという見立てからリスク許容度が高まるにつれ安全資産から買われていたドルがら他の通貨にシフトしていくというマネーの動きを表しています。後者の見方であるならば、先々週に10年債利回りが3%台に乗せてきた背景が米国債の供給懸念で米債が売られていき、主に海外投資家などからドル資産を敬遠する動きです。とりわけ4月27日からのクォータリー・リファンディングで合計1720億ドルもの米国債の入札を消化しなければならなかったのですが、その最後の入札となった30年債が失敗に終わってしまって金利が上昇して(債券が売られて)、ドルも軟調になってしまわざるを得なかった、さらに今週に入ってからFRBが追加で米国債の買い取り枠(3000億ドル)を増額せざるを得ないという観測から中央銀行のバランスシートへの懸念も蒸し返されてドルが売られていくという構図もあるのではないかと考えられます。


・とにもかくにも、この動きが後者の「米国売り」と解釈され、そのトーンが強まる場合にはそれなりに警戒を要するのかもしれません。30年の住宅ローン固定金利が5%に乗せてきている中で、住宅ローンの借り換えが思うようにいかず、ローンの未払いや焦げ付きが新たに出てきてしまうのであれば、再度金融機関の不良資産の問題へと響いていく話ですし、金利が上昇して民間投資を圧迫するクラウディング・アウトへの懸念も浮上していき、経済の回復を阻害する要因にもなりかねない話です。リスクアペタイトの高まりという側面からすれば良い金利上昇なのでしょうけど、米国売りの流れという文脈であれば悪い金利上昇になる場合もあるので、現状のドル売りの行方と米国債の動向には気にしておかなければいけないでしょうね。

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by kabu-gion | 2009-05-13 16:48 | マーケット雑感


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