まちまち~GM問題佳境へ

今日の東京株式市場はまちまちとなりました。


日経平均 9,310.81(-36.19)円
TOPIX 883.77(+0.77)
225先物(09/06) 9,340(0)円


USD/JPY(15:30) 94.70円(みずほCBリファレンス)



・北朝鮮の問題もちょっと深刻ですね。



・NY市場はメモリアルデーのため株式・債券・商品市場は休場。外為市場もドル円で95円台を試すもポジション調整の動きとなりました。


・東京株式市場・前場。寄り付き前の外資系証券の売買注文動向は、10社ベースで売り750万株、買い990万株、差引240万株の買い越し、金額9社ベースでは売り越しとの観測となりました。寄り付きはGLOBEXの225先物が9,360円近辺で推移していたことから小幅高でスタートしました。金融がしっかりの半面電機が軟調でTOPIX型優位の展開で推移していきました。寄り付きこそもみ合いながらではありましたが、韓国のメディアが北朝鮮についてミサイル発射準備を進めていると報道、地政学リスクを嫌気した売り物が出され、一時100円を超える下げ幅、先物で8,230円までありましたが、その後は買い戻し急に8,290円まで戻して行きました。そして前引けは8,970円で取引を終了しました。


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・後場。後場寄りは小幅高で始まった後は一旦9,250円まで売られ、その後は9,200円台後半での取引が継続しました。13時台に入ると、通信などが上げ幅を拡大し、TOPIX型中心に戻していき、13時32分にはTOPIXがプラスに切り返す展開となり、225も9,300円を挟んでの推移となっていきました。その後は商いも薄く膠着相場の様相になっていきましたが、引け際にドル円がやや反発したことから買い戻しが入り、9,300円を超えての引けとなりました。TOPIXは続伸となっての引けとなりました。債券市場は20年債入札が順調なものとなったことからヘッジ外しの動きとなりJGBFは9銭高の136.82円となりました。外為市場ではユーロに利食い売りが出され、1.40ドルを割り込む動きとなり、ドル円もクロス円の売りに引っ張られる形で95円に接近した後反落しています。


・今日の相場は気迷いといった感じで、電機が安く通信などのセクターがしっかりしていたことからやや跛行色が強い相場だったですね。ポジション調整の売りも出されていた感じもします。今晩のNY市場にかけて、


S&Pケース・シラー住宅価格指数の発表
米国2年債入札
国連安保理
GMの無担保債務と株式の交換期限が本日


このような感じで懸念されるイベントが山ほどあって、一旦ポジションを外す動きもあったのかもしれませんね。マザーズ市場が盛り上がって小型株中心に堅調な銘柄が多かったですから個人投資家の物色意欲は強いですが、外国人中心に売りが出される主力がさえない動きでしたから、全般相場はこんな感じの動きになるのでしょうね。S&Pケース・シラー指数は前年比ではマイナス(市場予想は前年比-18.4%)も前月比ではプラスが予想されており、住宅市場の持ち直しを裏付ける感じであれば好材料になる可能性があるのですが、残りの3つの材料はむしろネガティブに反応する可能性が高いイベントであるため、ポジション調整になるのもやむを得ない感じです。米2年債入札に絡む懸念は昨日書きましたので追記することはありませんが、ドル安懸念が木曜日まで燻り続けるため見極めたい、という形ですね。安保理は北朝鮮の問題、言い換えれば東アジアの地政学リスクですから、これも買い控えやポジション外しの理由になります。


・残るGMの無担保債務と株式の交換期限というのも厄介な話です。朝方のモーサテで社債に投資している個人投資家の人がインタビューに応えていました(モーサテHPはこちらから)。結局債務と株式を交換すれば200万円で買った7%程度の社債について株式に転換すれば8万円の価値になってしまうのだそうです。まぁ、ジャンク債になったGMに投資した人の責任といえばそれまでなのですが、問題なのは、「社債の額面は戻ってこないのは仕方がないが、Chapter11の後にChapter7を使って事業継続を行わず、会社そのものを清算して残余財産を分配できたとする場合、社債と交換して無価値の株式を渡されるよりも、より多く資金を回収できるのではないか?」という発想があることです。すなわち、経営再建などは行わず会社清算にもっていこうとした方がベターなのではないかと思う投資家や債権者が少なからず存在している可能性があることです。そしてそういった債権者が株式交換に応じず、会社を清算させたいがために提訴する可能性もありえます。GMの債務の株式交換はかなり不利な条件ですから、なおさら応じづらいのもうなずけます。


・オバマ政権はあらかじめ(破綻していないにもかかわらず)債権者集会を開かせ、互いに合意したうえで債権債務関係をクリアにして新たなスポンサーを選定してChapter11を申請させ、経営再建のスピードを高めさせて自動車問題を解決したかったはず(プレパッケージのChapter11)です。その前段として無担保債務と株式の交換を行うことを経営側に提案させ、債権者に呑ませるはずでした。代表的な大口債権者のうち、政治力が効くUAWには合意させるように促し、金融機関はTARPを飲まされていますから文句も言えない状態です。従ってもともと債権者そのものが少ないクライスラーの場合には4月末にFIATをスポンサーに指定して無事プレパッケージのChapter11を申請させるところまでこぎ付けました。


・しかし、GMの場合は個人の社債保有者だけで数万人いるとされますし、その他の債権者もクライスラーに比べはるかに多いです。さらに、大口の(有担保)債権者ですら株式交換に強引に呑ませられるかどうか微妙ではないかとの見方もあります(「米GM:「捨て身の再建策」 債務圧縮に銀行団反発」参照)から、本日期限の債務削減策について9割の債権者から賛成を取り付けるのは難しいのが実情です。仮にGMについて、今日期限である無担保債務と株式の交換というスキームが頓挫したまま、今敷かれているスケジュールでいけば6月1日に「普通の」Chapter11になってしまう可能性もあるわけです。そうなると、再建計画もスムーズにいかず事業価値の毀損が起こりますから、取引先などにも大きな打撃を与えかねない懸念が残ります。さらに、先ほどの話に戻り、仮に不満を持った債権者が提訴してGMがChapter7に追い込まれる事態にでもなれば、もっと大変なことになります。それは米国の自動車産業そのものをなくしてしまうことを意味し、米国の雇用が劇的に悪化します。その可能性は低いのでしょうけど、ないわけではありません。そういった意味でも今晩に期限を迎えるGMの無担保債務と株式の交換が成功するかは事態をハードランディングに追い込むのか、あるいはソフトランディングとなって安堵となるのか、その行方を占う意味で重要だと言えそうです。



・こういったヘビーな4つの材料をこなさなければならないわけで、市場は値動き以上に神経質にならざるを得ないのは仕方がないところなのでしょう。

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by kabu-gion | 2009-05-26 18:04 | マーケット雑感


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