反落~欧州リスクに攻防9750

今日の東京株式市場は反落しました。


日経平均 9,786.82(-78.81)円
TOPIX 918.24(-8.65)
225先物(09/06) 9,780(-70)円


USD/JPY(15:30) 98.08円(みずほCBリファレンス)



・ちょいリスク回避モードでしたね。しかし、往年の仕手系材料株が一斉高、マッチの連日のS高ってどうなの!?という感じで眺めておりました。


・NY市場。この日は経済指標の発表もなく、利益確定売り先行で始まりました。米上院の複数の共和党議員はオバマ大統領ににヘルスケア改革の一環とした政府が運営する医療保険改革に反対を表明したことからヘルスケア関連に売りが出されていきました。またマクドナルドの5月の既存店売上が市場予想に届かず下落しました。また利上げ観測も全般相場の重しとなり、FF金利策物市場では今年9月のFOMCで金利が引き上げられる確率は35%(前週は15%)となっていることも懸念材料となりました。DJIAは100ドル以上の下げとなっていましたが、引け前にクルーグマン教授が「振り返ってみて米リセッションの終了時が今年9月だったとしても驚きはない」と述べたことから金融株中心に急反発に転じDJIAはプラスに浮上しました。DJIAは1.36ドル安の8,764.43ドル、NASDAQは7.02安の1,842.40となりました。債券市場は過去最大級の入札を控えてヘッジ売りが出され、さらに中・短期債が売られる展開となりました。10年債利回りは3.89%(前日は3.83%)。外為市場ではS&Pがアイルランドのソブリン格付けを引き下げたことからユーロ売りとなったものの、テクニカル的な下げ過ぎの反動からポンドが買われました。


・東京株式市場・前場。外資系証券の売買注文動向は、10社ベースで売り1920万株、買い1610万株、差引310万株の売り越し、金額9社ベースでは小幅買い越しとの観測となりました。寄り付きは小幅安で始まりました。その後は売りが入って9,780円まであったものの、その後は金融株中心に切り返し、9時42分にはTOPIXがプラスに転じる場面がありました。しかし、戻り売り圧力は大きく9,850円を挟んだところでの一進一退の動きとなりました。下値では買い物が入るものの、上値では売り板が厚くなかなかプラスに切り返して上値を追う感じでもありませんでした。


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・後場。アジア市場が下落基調となっていたことや、WSJ電子版で米国がG8財務相会合で欧州に厳格なストレステストを要請すると伝えられたことでユーロが下落、リスク回避の動きとなったことから後場寄りはギャップを空けて9,790円でスタートしました。その後は一時9,750円まで売られたものの、この価格には先物に1000枚単位の買いが並べられ、その後は100円程度の下落幅で安値圏でのもみ合いの展開となっていきました。結局9,760-9,790円のコアレンジのままでもみ合いながら推移したものの、現物は引けにインデックス買いが入り、下げ幅をやや縮小して引けました。債券市場は堅調。30年債入札は応札倍率が3.87倍(前回は3.82倍)、テールは12銭(前回は8銭)となり概ね順調な入札となったことや限月交代に伴うショートロールから期近に買い戻しが入り、また株安などを背景に上げ幅を広げ、JGBFは18銭高の136.62円となりました。外為市場では先ほどのWSJの記事をきっかけにクロス円が売られ、ドル円もそれに引きずられて軟調な展開、98円割れのところまで売られていきました。



・今日のところは一服でした。しかしながら9,750円の権利行使価格を割り込みたくない向きが買い支えたのでしょうか。9,750円に1000枚の板を並べてあからさまな感じでした。SQ前のいつもの攻防といった感じなのでしょう。



・今日は終日「欧州リスク」が意識されました。材料的には

①アイルランドのソブリン格付けをダブルAに引き下げ
②ラトビアの格付け見通し(アウトルック)をネガティブに引き下げ
③G8財務相会合で米国が欧州にストレステストを求めるという報道

こんなニュースフローが流れていました。この3つの話はリンクします。まず、アイルランドの格下げに関しては銀行システムを支えるための財政コストがこれまでの予想以上に大きくなるとの理由からでした。銀行システム維持が国の財政リスクを増大させているということですが、これはアイルランド特有の問題ではないようで、例えば中東欧のエクスポージャーが大きいオーストリアやグローバル金融バブル崩壊の痛みが大きい銀行を抱える英国などが次の格下げ懸念があるとロイターでは伝えています(焦点:アイルランド格下げに英国、オーストリアが続く可能性)。


・中東欧といえばラトビアの問題も含みます。通貨切り下げ観測が起きて以来オーバーナイト金利が30%に急騰しているようですから、金融市場は危機的な状況といえます。確かにCDSにしてもカウンターパーティー・リスク指数が低下して銀行が突然破綻するリスクというのはなくなったのでしょうけど、依然として東欧のCDSスプレッドはワイド化したままなんですよね(DB Researchのサイトを参照してください)。このような中東欧のエクスポージャーを抱える銀行を金融システム維持のために巨額の公的資金で支えるという構図ですから、ソブリン格下げの懸念は高まるといった感じなのでしょう。


・そこへきてWSJで米国が欧州銀にストレステストを要求(まぁ、その米国も議会監督委員会から失業率の想定値を上回った場合、再テストが必要との報道もなされましたが)するとのことですから、ちょっと困った話として意識させられますね。欧州圏の銀行を対象としたストレステストの場合には中東欧のエクスポージャーまで審査する必要があるのでしょう。米銀の場合は米国内の住宅ローン債権、クレジットローン債権、商業用不動産ローン債権などを査定すれば良かったのでしょうけど、欧州の場合は本国に加え、中東欧の国の経済状況の深刻シナリオを考えなければならないわけです。より「厳格に」査定するならば新興国がデフォルトした場合の損失額はいくらになるか?とかそういう計算までいかなければならないのでしょう。その結果もしかしたらIMFの新興国支援のための必要な額まで査定されてしまうのかもしれませんね。米国に隠されてあまり伝わっていませんが、欧州の金融システムの問題はカントリーリスクも内包する深刻な話ですから、非常に神経質になっていくものと思われます。


・欧州議会選挙はフランスこそ与党盤石だったものの、他の国は与党総崩れで、英国では労働党が本当に苦境で、政権がごたごたしていて、秋の選挙では保守党キャメロン政権が発足するのではないかとの見方が強いようです。そういう話を勘案してユーロやポンドを買い進めることができるだろうか?という感じなのですよね。



ポンドドルの日足チャート


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by kabu-gion | 2009-06-09 18:22 | マーケット雑感


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