急反発~大台に肉薄

今日の東京株式市場は反発しました。


日経平均 9,991.49(+204.67)円
TOPIX 937.01(+18.77)
225先物(09/06) 9,990(+210)円
225先物(09/09) 10,000(+220)円


USD/JPY(15:30) 97.54円(みずほCBリファレンス)



・10,000円目前の高値引けですね。先物で10,000円の攻防は終始見ごたえがありました。


・NY市場。テキサス・インスツルメンツ(TI)の2009年4-6月売上高が23-25億ドル、利益がEPSで14-22セントに上方修正、市場予想を上回る内容となったことからハイテク株中心に買い優勢の展開となりました。米財務省が金融機関10社に対して680億ドルの公的資金(TARP)返済を承認したことも材料としてあったものの、アメックスは堅調ながらJPモルガンやモルガン・スタンレーはさえない展開でまちまちとなりました。DJIAは1.44ドル安の8,763.07ドル、NASDAQは17.73高の1,860.11となりました。債券市場はまちまち、中短期債は買われました。3年債の入札が行われ、応札倍率が2.82倍(前回は2.66倍)、外国中銀含む間接入札の落札全体に占める割合は43.8%(過去7回平均は37.2%)と順調となり中・短期債は買われる展開となり2年債の利回りは1.30%(前日は1.42%)となり、10年債は3.86%(前日は3.89%)となりました。一方で長期債は10年・30年債の入札に伴うヘッジニーズから売りが出され30年債は4.65%(前日は4.64%)となりました。外為市場では利上げ観測が後退してドル売りの動きとなり、政局混乱が沈静化しつつあるとしてポンドが買い進まれました。


・東京株式市場・前場。寄り付き前の外資系証券の売買注文動向は10社ベースで売り1300万株、買い1790万株、差引490万株の買い越し、金額9社ベースでも買い越しとの観測となりました。8時50分に発表された4月機械受注は、電力・船舶除く民需で前月比、


-5.4%


となり、市場予想の+0.4%を下回りました。内閣府では「減少のテンポが緩やかになってきている」との基調判断を維持しました。これを受けてもSGXではあまり反応はありませんでした。寄り付きは買い気配で始まり、9,850円で寄り付きました。米最高裁がクライスラーのフィアットへの資産売却を承認したことも好材料視されました。その後は9,830円-9,850円の狭いレンジで推移したものの、先物市場で大口の買いが観測され、上げ幅を広げていく展開となり、9時52分には8,890円まで買い進まれました。その後は高値圏でのもみ合いとなりましたが、強基調は継続し10時55分には9,900円をタッチしました。しかし、1000枚単位の売り板が圧迫となり、そのまま高値もみ合いの中で前場の取引を終えました。


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・後場。昼休み中に中国指標が発表され、5月CPIが前月比-1.4%、PPIが-7.2%と予想を下回るものとなったものの、複数のメディアが5月の鉱工業生産について+8.9%となって市場予想を上回るとの報道がなされ、上海・香港市場が堅調な推移となり、後場寄りは9,900円で始まった後、ロールオーバーに伴う買いロットが飛び交う中、短期筋がそれに追随する動きをみせ、12時56分には9,960円まで買い進まれました。その後は9,950円近辺でもみ合い、10,000円に接近する価格では売り板がびっしり並べられており上も重かったのですが、14時過ぎから急動意、14時12分にはついに8カ月ぶりに先物で10,000円の大台にタッチしましたが、防戦売りも激しく出され、その後は引けにTOPIX型でインデックス売りが出されるのではないかとの観測から伸び悩む場面があったものの、引け間際には再度強含んでいく展開、結局大引けではインデックス買いが優勢となったことで現物は高値引けとなり、10,000円にあと8.51円のところまで接近しました。債券市場は反落、株高が警戒され、明日の5年債入札へのヘッジニーズから売り優勢、JGBFは20銭安の135.65円となりました。外為市場では株価が堅調に推移していたことからクロス円が終始堅調な展開、ドル円も次第高となっていきました。



・今日は後場の14時以降に固唾をのんで先物の板に食いついていた方も多かったのではないかと思われます。


先物10,000円乗せの瞬間


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14時13分の先物の板


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まぁ、ある米系の証券会社が1万円を超えてSQを迎えたいなんていう話も錯綜しているような思惑を呼びやすい所にロールオーバーも最終盤に来て、ショートロールに伴うヘッジ玉が6月限にも500枚やら800枚やら平気で買い入れますので、それに短期筋が追随して10,000円を目指してしまったという感じなんでしょう。メジャーSQという四半期に一度の風物詩というやつですかね。さらにコールの10,000円の建玉の多さ(2万7300枚程度)も注目されていったのでしょうね。日経新聞でオプションの総建玉数、過去最高に、なんて書かれたりしていましたから、余計に思惑を呼びやすく、買い有利とみた向きも多かったのでしょうね。この点は心理戦です。



・(ここからは先物10,000円回復についての話で、現物はまだ示現していませんし、今後相場ですからどうなるかわかりません)10月8日に10,000円の大台割れてから先物市場でもこのレベルを一度も抜けていません。そして今日それにタッチして5桁を回復した場面があったのですから、それなりに意味があることだと思います。10,000円割れの時、何があったかといえば、リーマン・ショックの後の金融の大混乱でした。リーマンがChapter11を申請したのは9月15日でしたから、少しタイムラグがあります。10,000円割れについて決定的だったのは今のTARP、すなわち金融安定化法案が米国下院で否決され、DJIAが777ドル安を演じてしまったことが表向きなんでしょうけど、実際は預金者が銀行に並んで預金を引き出そうとするといったシーンは限定的だったのですが、MMFが元本割れを起こしたことから解約が殺到するといった形で金融市場の中で取り付け騒ぎが起きていたことが要因でしょう。それから短期金融市場が大混乱に陥り、銀行間取引では貸し手不在のクレジットクランチに陥り、LIBOR金利などが高騰した半面で、ポジションのオールキャッシュ化がパニックのように起きて米国のTB3カ月物の金利がマイナスになったりしてTEDスプレッドが異常に跳ね上がる事態、すなわち、流動性危機に陥ったのです。その結果がデレバレッジとして様々なマーケットをどん底に突き落としていきました。


TEDスプレッドの推移(出所:Bloomberg)


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その後矢継ぎ早に金融当局が流動性対策を講じ、異例の金融緩和措置に動いた結果、TEDスプレッドはだいぶ沈静化してサブプライム前の水準まで落ち着いてきています。企業金融もかなり大きなダメージとなりましたが、こちらも当局の対応でなんとかなっています。そのような感じで金融市場はサブプライム→リーマン・ショックを克服しつつあるのです。


・当然、信用市場や金融市場が落ち着けばこれだけ流動性対策を行っていることもあり、リスクアペタイトが高まっていきます。これによって株式市場も回復に転じていきました。とはいえ、金融機関の不良資産の問題も解決しない状況にありますし、昨日書いた中東欧の問題は今後新たな金融危機の火種になる懸念だってあります。さらに、確かにこのところの経済環境のモメンタムはいろいろなところで改善していますが、金融が大混乱した余波で実体経済は相当痛んでおり、今後は失業率などは高止まりしたままでの「ジョブレス・リカバリー」に推移していくことが見込まれますから、マクロの回復にも脆さも露呈してくるのでしょう。そういうことを考えると、個人的にはなかなかここから「次はいくら?」なんていう感じには捉えられないような感じなのです。


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by kabu-gion | 2009-06-10 17:32 | マーケット雑感


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