今日の東京株式市場は続落しました。
日経平均 9,816.07(-60.08)円 TOPIX 920.62(-3.40) 225先物(09/09) 9,840(-50)円 USD/JPY(15:30) 96.08円(みずほCBリファレンス) ・雇用統計明けの金曜日ってなんだか感覚わきませんね。 ・NY市場。6月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が46.7万人減(市場予想は36.3万人減)、失業率は9.5%(市場予想は9.6%)となりました。これを受け株式市場ではリセッションが長引く可能性から売りが出され、3連休前の手控えムードも手伝い下げ幅を広げていきました。DJIAは223.32ドル安の8,280.32ドル、NASDAQは49.20ドル安の1,796.52となりました。債券市場は短中期債中心に買われました。雇用統計を受け、出口戦略が凍結されたとの見方からFF金利先物が上昇、それを受け金利裁定が働きやすい短・中期債に買いが入りました。2年債は0.985%(前日は1.049%)、10年債利回りは3.502%(前日は3.548%)となりました。外為市場では雇用統計を受け高金利通貨を中心に売られ、ドルや円が買われました。またECB理事会において政策金利は1%に据え置き、1年物資金の入札を行い市中銀行に4420億ユーロを融資すること、カバードボンド600億ユーロの購入を決定し、会合後のトリシェ総裁の会見では「記録的な低水準である1%の政策金利は『適正』」と述べたことからユーロが安くなる展開となりました。 ・東京株式市場・前場。外資系証券の売買注文動向は、10社ベースで売り2560万株、買い1910万株、差引650万株の売り越し、金額9社ベースでも売り越しとの観測となりました。寄り付きは売り気配スタート、9,710円で取引を開始しました。ほぼ全面安の展開で先物で一時9,680円まで付ける展開があった後は下げ渋りの展開となり、9,700円近辺のところでもみ合う展開となりました。そして10時過ぎに先物にまとまった買い物が入り、10時7分に9,780円まで急戻しの展開となっていきました。その後は9,700円台後半のところで小動きとなっていきましたが、10時53分に9,790円を付ける場面もあり、現物の下げ幅は100円を割るところまで戻していきました。 ・後場。後場寄りは9,790円で始まった後、9,800円まで付ける展開がありましたが、週末を控えて動意薄の展開となっていき、戻り売りやポジション調整の売りなども入り13時には9,720円まで下げていきました。その後は9,750円のオプションの権利行使価格近辺で推移していきました。週末ということもあり静かな取引となっていたのですが、14時26分には先物に大口のロットが入り急戻しの展開となり、一時9,820円を付けていく展開まであり、その後大引けまでは9,800円のところでの取引となりました。大引けはインデックス買いが入り高値引けとなりました。 ・雇用統計を受けNY市場が大きく下げていく中で底堅いなぁ、なんて感じていました。押し目は買われますね。それにショートカバーもそれなりに入ったのでしょう。 ・雇用統計に関する見方としてはネガティブな内容と考えます。5月は非農業部門雇用者数が予想外に減少幅が大幅縮小していて、ポジティブサプライズとなったわけですが、今回はそれを引き継いでさらなる雇用改善が見込まれるのではないか?ということにはならなかったのはネガティブですし、非農業部門雇用者数の減少幅が縮まっているのはあくまでも人員整理の圧力が一巡した結果であり、新規採用が増えるわけではありません。ですから失業率が高止まりするわけです。 ・マネーの動きとしてはこの結果を受けて、市場に燻ぶる出口論について凍結されていったことからまず短期金融市場でFF金利先物が買い進まれていったことから早期の利上げ論が消えました。このことから金利据え置き期待から金利裁定が効きやすい短期債が買い進まれる動きとなりました。一方でリスク資産は買いづらくなります。株式や商品、高金利通貨は当然売りの対象となります。マネーの流れからすればこの指標だけで潮目が変わったという感じではありますが、ネガティブな材料が出たときにはこういう反応をする、ということは常に意識しておいた方が良いと思われます。 ・それでは今週もお疲れさまでした。良い週末をお過ごしください。 ------------------------------------------------------------------------------------- ・世界の株式・為替・債券・商品相場を解説していく宮地塾 ・「多彩な執筆陣と本物を見抜く読者が創り上げる」新しい形態の新聞、ビスタニュース 人気ブログランキングへ
by kabu-gion
| 2009-07-03 16:47
| マーケット雑感
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宮地塾:元ファンドマネージャーの宮地鉄工さんが世界の株式・為替・債券・商品相場を解説されております。当方もウィークリーレポートを執筆させていただいております。
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