2009年 03月 19日 ( 1 )

まちまち~FOMCは満額回答も75日線が抵抗

今日の東京株式市場はまちまちとなりました。


日経平均 7,945.96(-26.21)円
TOPIX 764.77(+0.10)
225先物(09/06) 7,860(-60)円


USD/JPY(15:30) 95.57円(みずほCBリファレンス)



・FRBの国債買い入れは満額回答なのですが、為替が重くしました。


・NY市場。朝方は利益確定売りに押される展開となりました。FOMC声明文までは相場は軟調な展開となっていました。そして米東時間2時15分に声明文が発表されました。声明文は以下の通り(和訳はロイター)


1月の会合以降に入手した情報は、経済が引き続き収縮していることを示している。雇用喪失や株式・住宅資産価値の下落、信用状況のひっ迫が消費者心理や個人消費を圧迫した。売上見通しの悪化や与信獲得の困難さは、企業による在庫や設備投資の削減につながった。多くの主要貿易相手国も景気後退に陥る中、米輸出は低迷した。短期的な経済見通しは弱いが、金融市場や金融機関の安定化に向けた政策措置が、財政・金融政策上の刺激策と相まって、持続可能な経済成長の緩やかな回復に寄与するとFOMCは予想する。


国内外の経済の一段の緩みを踏まえ、インフレが引き続き抑制されると予想する。さらにインフレが当面、長期的に経済成長と物価安定を最も促進させる水準を下回って推移する若干のリスクがあると考える。


こうした状況の中、景気回復を促し物価安定を維持するために、FRBは利用可能なあらゆる手段を用いる。FOMCは、フェデラルファンド金利誘導目標水準をゼロ─0.25%に据え置く。FF金利を長期間、異例に低水準とすることが経済状況により正当化される可能性が高いと予想する。住宅ローン・住宅市場を一段と支援するため、政府機関が保証するモーゲージ担保証券(MBS)を最大7500億ドル追加購入し、今年の総額を最大1兆2500億ドルとすること、また年内の政府機関債の買い取りを最大1000億ドル増やし、最大で総額2000億ドルとすることにより、FRBのバランスシートを一段と拡大することを本日決定した。さらに、民間クレジット市場の状況改善を助けるため、FOMCは今後6カ月間に最大3000億ドルの期間が長めの米国債(longer-term Treasury securities)を購入することを決定した。FRBは、家計や中小企業向け与信を促すためにターム物資産担保証券ローンファシリティー(TALF)を導入した。TALFの対象となる担保の範囲はその他の金融資産を含むよう拡大される可能性が高い。FOMCは引き続き、金融・経済動向の進展を踏まえてFRBのバランスシートの規模や構成を慎重に監視する。



今回の声明に賛成票を投じたのは、バーナンキ委員長、ダドリー副委員長、デューク、エバンズ、コーン、ラッカー、ロックハート、タルーロ、ウォーシュ、イエレンの各委員。




これを受けて債券市場が暴騰状態、株式も金融株中心に買い進まれ、外国為替市場ではドルが売られる展開となりました。


DJIAの日中足


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10年債の利回り推移


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とりわけ10年債利回りの低下幅は1営業日としては1962年の「ツイスト・オペ」以来の大きさとなりました。10年債利回りは2.54%(前日は3.01%)。株式市場でも借入コスト低下が景気回復を促すという見方が優勢となり、またTALFの適格担保拡大や増額で金融機関のバランスシートから不良資産分離を促しやすくなるとの見方で金融中心にほぼ高い展開、DJIAは90.88ドル高の7,486.58ドル、NASDAQはIBMがサン・マイクロシステムズを買収するとの報道から同社株が79%高と暴騰、29.11ポイント高の1,491.22となりました。


・東京株式市場・前場。寄り付き前の外資系証券の売買注文は、11社ベースで売り2740万株、買い1210万株、差し引き1530万株の売り越し、金額9社ベースでも売り越しの観測となりました。寄り付きは先物で7,960円、現物は再度8,000円に乗せて始まりました。その後はドル円相場が軟調だったことを受け単純平均型の輸出株を中心に利益確定売りが引き続きだされたものの、加重型の金融株は政策評価の買いでやや強弱対立する中で225は小幅マイナスに転じていきました。


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後場。後場は週末を控えて取引低調な中、ドル円相場が再度95円台に押され、輸出関連中心に下げ幅を広げる展開となりました。一時先物で7,840円まで売られたものの、押し目の買いは入り、その後は様子見・見送りムードが漂う展開となりました。引けに大口のインデックス買いが入りやや下げ幅を縮めて取引を終えました。金融株は堅調推移となり加重型のTOPIXは小幅5日続伸となりました。債券市場は日米金融政策で国債の需給タイトを促す政策を好感、JGBFは72銭高の139.57円。



・FOMCについて。個人的な見方は、基本的に以下の通りです。


①米国債買い入れ規模としてはかなり大きい額であり、株式市場で金融株中心に買われるのは当然。TALF適格担保拡大や枠の増額はバッドアセットの分離を促すことへの期待も大きかった。


②債券が売られてのドル安(=米国からのマネー流出)ではないので、基本的に悪いドル安ではないことを抑えておくことが肝要。インパクトがあまりに大きく、ドル買い持ちの短期筋が投げているというのが実情。


・米国債買い入れは金融政策上とても重要なことだったと考えています。個人的には満額回答以上の印象を持ったのです。それはこのブログでも何度か述べましたが、企業部門では社債発行コストを引き下げること、金融機関及び消費部門ではバッド・アセットの拡大を促すモーゲージ金利の高止まりに歯止めを掛ける必要があったのです。金融機関のバランスシートにおける問題を解決させる必要が喫緊の課題としてあったわけです。


・さらには米国のデフレの圧力は予想以上で、リーマン・ショック以降、マネーサプライをマネタリーベースで割った貨幣乗数がすさまじい勢いで低下しているのです。


貨幣乗数(マネーサプライM2/マネタリーベース)の推移(出所:FRB)


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これは、昨年来、流動性不足を補う意味でドルを大量に刷ったのですが、米国金融機関がバッド・アセットを大量に保有し、期間内にその劣化が進み自己資本が毀損していったことから、貸し渋りが起きて、結局は信用創造が機能不全に陥ったのです。その結果金融恐慌の経済まで落ち込んでいったのです。ここで何もしなければデフレの脱却には程遠くなり、先延ばしすればデフレスパイラルを深刻化させる懸念があったわけです。米国債の買い入れやTALF枠の拡大によって、ヘリコプターでドル紙幣を市中にばら撒いて信用創造のプロセスを回復させてマネーサプライを増やしていかなければ景気回復も何もないのです。このあたりは日本の長期デフレ不況を教訓にした感じもありますね。


・米財務省のファイナンスも当然有利になるのですが、これは巷で話されていているわけで、敢えて深く突っ込むことはしません。しかしながら、これがFRBの第一目標だとは捉えてはいません。あくまでも上記目標を達成させるための「金利低下+マネーサプライ増加政策」であるということを抑えておくことが必要なのではないかと思うのです。



・話は変わって投資主体別売買動向。


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外国人の売りが継続していますが、やや売り越し幅が縮小しています。これが結果的にSQ以降の相場上昇の際、売り圧力を低下させた可能性がありますね。今後外国人の売りが止まるかどうか、これが8,000円超え定着を需給的に占ううえでは大事になってくるのでしょうね。


・それでは今週もお疲れ様でした。よい週末をお過ごしください。


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by kabu-gion | 2009-03-19 17:16 | マーケット雑感