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まちまち~三つの"G"

今日の東京株式市場はまちまちとなりました。


日経平均 7,750.17(-29.23)円
TOPIX 770.10(+5.51)
225先物(09/03) 7,720(-50)円


USD/JPY(15:30) 91.77円(みずほCBリファレンス)



・小動きだったですね。


・先週末の米国市場は反落。序盤は住宅市場支援への期待感の高まりがあったものの、ホワイトハウスが過度の期待を牽制し、金融機関の持っているバッド・アセットの問題を懸念していく展開、JPモルガンが-3.3%。英銀ロイズ・バンク・グループが買収完了したHBOSの損失は85億ポンドとなったことも金融株には向かい風。2月のミシガン大学娼婦者信頼感指数が56.2となり、1月よりも悪化したことで小売も軟調推移となりました。DJIAは82ドル安、CME225先物は大証比45円安の7,725円。ドル円は小動き、92円台突破が重い展開となっていました。債券市場はプライマリーディーラーがクォータリー・リファンディングで入札した債券の売却が行われ、年内の米債発行額が2兆ドルになるとの見方から需給緩和懸念で売られる展開となり、10年債は2.89%で引けました。


・東京市場・前場。朝方の外資系証券の売買注文動向は11社ベースで売り1810万株、買い940万株、差引870万株の売り越し、金額も9社ベースで売り越しとの観測となりました。8時50分に発表された本邦10-12月GDPは市場予想(年率-11.7%)を下回る、

-12.7%

となり、前期比でも-3.3%となりました。ただ株式市場的には一応出尽くし的な動きとなり、SGX225先物市場では安寄り後下げ渋る展開となりました。寄り付きは小幅安、その後売り買い交錯の展開、一旦7,780円まで変われプラス圏に浮上もその後は上値に慎重な展開、その後は7,680円まで売られていくものの、下値では年金の買い観測があり、ショートカバーも入りその後は値を戻して小幅高になる展開までありました。

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・後場は前引けよりも安く始まりました。その後一貫して小幅な展開、下値も上値も限定的、米国市場が休場ということもあり、見送りムードも強い展開となり、7,750円を挟んでのもみ合いとなりました。ユーロドルは軟調、ドル円は上値を追う形ではないがじり高となりました。債券市場は米債が売られたことから小甘い展開、債券先物は36銭安の139.00円。


・今日は3つのGについて。


・"G7"について。中川財務相の何だかわけの分からない会見だけが後に残ったというような感じで、一般的には特に何もなし、と受け止められました。しかし外為市場では朝方からポンドがギャップを空けてオープンしており、市場に与えた影響は小さくは無かったようです。結局市場は神経質となっている為替問題を取り上げなかったことから、とりわけ懸念材料満載のポンドが失望感から売られやすい地合となってしまって、それに連れてユーロもドルに対して安くなる、といった感じでした。


・"GDP"について。市場予想通り2桁のマイナス成長となりました。主な品目別では、


民間最終消費支出 -0.4%
民間住宅 +5.7%
民間企業設備 -5.7&%
民間在庫品増加(寄与度) +0.4%
内需寄与度 -0.4%
外需寄与度 -3.0%
GDPデフレータ(前年同期比) +0.9%


このようになっています。外需の落ち込みが強調されがちですが、実は設備投資のフリーフォールもかなり気になるところです。


GDPと民間企業設備の推移(出所:内閣府)

a0120390_179245.gif


設備投資の大幅減の要因としては、主因には過剰設備が指摘されるのでしょうが、もうひとつには資金繰りの悪化にも原因があります。設備投資はその時の経済にも相当左右されますが、資金繰りにも左右されるものだったりします。資金繰りに関しては信用収縮の影響から金融機関が与信管理を厳格化していることもあるでしょうし、あるいは市場から直接資金を調達する社債やCPなどが発行しづらくなっていることも影響しているものかと思われます。このあたりの企業の資金繰り対策に関しては今週の日銀金融政策決定会合で話し合われるものと思われ、どのような対策が打たれるかも注目となります。また、3月5日に発表予定の10-12月法人企業統計において設備投資が大幅悪化となればこのGDPの二次速報において下方修正含みであることも留意しておくべきだと思います。



・最後のGは"GM"。先週から動きが慌しくなっているようで、経営再建計画をめぐる全米自動車労組(UAW)との交渉は、退職者向け医療保険基金への拠出について折り合いがつかず13日にいったん決裂し、WSJなどは"Chapter 11"の申請も選択肢として入れていると報じました。おそらく現状の情勢からすればGMの破産は想定内の動きとして捉える向きも多いのですが、気になるのはGMのCDSの清算をどのように行うのか、場合によっては新たな金融問題に発展するような流れが出来てしまうと、それこそ「GMクラッシュ」にもなりかねず、このあたりの動向に市場は極めて神経質となっていきそうな感じもします。


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by kabu-gion | 2009-02-16 17:10 | マーケット雑感

来週の予定

来週のスケジュールをまとめておきます。

【国内】
16日・・・10-12月GDP、米ヒラリー・クリントン国務長官来日
17日・・・12月第三次産業活動指数
18日・・・日銀金融政策決定会合(19日まで)、1月粗鋼生産、1月半導体製造装置BBレシオ
19日・・・1月全国百貨店売上、白川日銀総裁会見
20日・・・2月日銀金融経済月報、1月コンビニエンスストア売上


【海外】
16日・・・米国休場(プレジデンツ・デー)
17日・・・欧州経済研究センター2月景況感調査、2月NY連銀製造業景気指数GMとクライスラーが米政府に再建策を提出する期限、2月NAHB住宅市場指数
18日・・・決算(ソシエテ・ジェネラル)、米1月住宅着工米1月鉱工業生産・設備稼働率バーナンキFRB議長講演1月FOMC議事録
19日・・・決算(BNPパリバ)、米1月PPI2月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、1月コンファレンスボード景気先行指数、北米1月半導体製造装置BBレシオ
20日・・・米1月CPI


このようなところとなります。


・本邦では日銀金融政策決定会合が一応の注目でしょうか。金融政策についての変更は無いものと思われますが、委員からの利下げや量的緩和など、踏み込んだ言及の有無には注視したいところです。


・海外ではビッグスリーの再建案提出でしょうか。これはこの間も書きましたが、再度この問題が蒸し返されます。あとはオバマ政権発足後重要閣僚であるヒラリー・クリントン国務長官が来日されます。1月のFOMC議事録で、何が話し合われたのかにも注目で、いつどのレートで国債を買い入れるのかどうなのか、その点を見極める手がかりになるのかもしれません。


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by kabu-gion | 2009-02-14 19:56 | スケジュール

4日ぶり反発~イベント控え伸び悩み

今日の東京株式市場は反発しました。


日経平均 7,779.40(+74.04)円
TOPIX 764.59(+4.30)
225先物(09/03) 7,770(+20)円


USD/JPY(15:30) 91.08円(みずほCBリファレンス)



・春一番らしいですね、妙に暖かいです。


・NY市場。13日にも採決が行われる7980億ドルの景気刺激策についてリセッションからの脱却には不十分との見方や、新規失業保険申請件数が62.3万件(前週は63.9万件)となり、雇用情勢の一段の悪化から売りが出され、直近で買い戻されていた金融株が軟調に推移していきました。1月の小売売上は予想外のプラスとなるものの、好感する向きも多くなかったようで一段安、一時246ドル安までありましたが、終盤、ロイターが、


米政府、住宅ローンの返済支援プログラムを検討=関係筋


と伝わり、金融問題への解決策への期待から、ショートカバーなどの買いが入り、急速に下げ渋る展開、最終的にはDJIAは6ドル安で引けました。CME25先物も小じっかり、大証比60円高の7,810円となりました。外為市場はドル円で90円台後半のところまで値を戻しました。債券市場は30年債入札が行われ、応札倍率が2.02倍(前回は2.07倍)となり無難と受け止められ堅調に推移していましたが、終盤株価が持ち直すと買い疲れ感からの売りが出されて失速。


・東京市場・前場。寄り付き前の外資系証券の売買動向は売り2610万株、買い1930万株、差引680万株の売り越し、金額9社も売り越しとなりました。本日は寄り付きにSQ算出が行われ、市場観測で225型1銘柄あたり売り31万株、買い35万株、差引4万株の買い越しとなり、SQは7,811.93円(確報)。寄り付き時点から1時間はこのSQ値が上値抵抗ラインとして意識される展開、ドル円やクロス円がやや軟調推移していたこともあり、なかなか上値の重い展開となっていましたが、10時過ぎあたりから買い動意がみられ、SQ値を抜く場面もあり、その後はそれを巡る攻防戦の展開となっていました。下値では年金の買いも入っているとの観測もあり、しっかりの展開で推移しました。

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・後場。上海、香港高からドル円もしっかり、SGXでは一時7,875円まであった流れから前引けよりも40円高く始まりました。その後は一段上値を目指し、一時7,890円まであったのですが、週末にG7、来週の月曜日に本邦GDPが行われ、債券市場が底堅く推移していたこともあり、戻りは限定的、その後は7,850円近辺でのもみ合いとなりましたが、14時20分あたりから手仕舞い売りが出され、米国で航空機が墜落したというニュースで為替市場でややドル売りの動きもあってその後は7,800円を割り込み、SQ値を割り込んで、引けは後場の安値。債券先物は6銭高の139.36円。


・このところの需給動向について。今日は投資部門別売買動向が公表されました。


投資部門別売買動向(出所:東証)

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これによると、先週も相変わらず外国人の売りに対して信託銀行の一手買いの構図。信託が2420万株買って外国人が1829億円の売り越し、どうやらこの構図が継続する段階では下値は売り込めず、上値は買い上げられずという感じの需給動向となっているようです。結局年金の買いが継続して入っているのでしょうから、3月期末まで下値は極めて硬そうなイメージがあります。一方で外国人が売り枯れるまでは上値は重い感じも否めません。個人は信用売りの現物買いでNETは小幅。個人は資金の足が長いか短いかの差のスタンスの違いでしかありません。先物では外国人が359億円の売り越し、銘柄ではNを買ってTを売ってNETで売り越しという感じです。


・今晩からローマG7。FX業者は顧客に恒例の注意喚起。論議されそうなネタは、


①保護主義・・・「バイ・アメリカン」とフランスの自動車業界救済策
②金融改革・・・世界的な金融規制改革。
③為替・・・円高・ポンド安が問題だが論議にならない見通し
④景気刺激策と不良資産・・・新たな問題を示すことは無い見通し


このようなところだとされています。本邦に伝わってくる観測では保護主義が主題にされると言う見方が大勢なのですが(無論これは大問題)、気になるのは昨晩からポンドに関しての当局者の発言が結構出ていること。英ダーリング財務相がイタリアの経済紙に「英国はユーロを導入しない」ということをいってみたり、ブラウン首相が「英政府、ポンドを目標としていない」としてポンド安に対する懸念を払拭しようとする発言が目立つことです。それだけポンドが売られていること、つまり市場は英国の景気と金融の問題が相当深刻であることを懸念しているのです。今週は米国の金融問題がテーマとなって動いてきましたが、それが一段落すると再度欧州の金融経済問題も波乱の種として蒸し返されるかもしれません。


・16時に発表されたドイツのGDPは前期比-2.1%、ユーロ圏域内は前期比-1.5%となりました。いずれも予想を下回るものとなっています。ユーロ圏とは一蓮托生であるロシアの問題も懸念で、再度通貨危機となった場合には欧州の金融機関のダメージも大きくなるとの見方もあり、この問題にも意識してみておく必要があります。


・それでは今週もお疲れ様でした。良い週末をお過ごしください!!

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by kabu-gion | 2009-02-13 19:15 | マーケット雑感

SQ=7,811.93円(推計)

2009年2月限SQは、

7,811.93円

となりました。


なお、上記のSQはあくまでも推計値です。正式なSQは引け後に大阪証券取引所から公表されます。

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by kabu-gion | 2009-02-13 09:29 | SQ

三日続落~失望は継続

今日の東京株式市場は続落しました。


日経平均 7,705.36(-240.58)円
TOPIX 760.29(-17.81)
225先物(09/03) 7,750(-200)円


USD/JPY(15:30) 90.07円(みずほCBリファレンス)



・ガイトナー・ショックから一日置いて始まった東京市場でもやはりこうなったか、という感じですね。


・NY市場。景気対策法案について、上院と下院との溝を埋めることが出来て、景気法案の採決は早ければ12日となるだろうという民主党院内総務の発言などを受け、値頃感の買いが入るものの、基本的には指数は小動きの展開。金融株はしっかりでシティが+10.75%、バンカメが+9.17%、JPモルガンが+5.97%となりました。半面で業績見通しで失望売りが出されたリサーチ・イン・モーションがハイテクの足を引っ張る格好。DJIAは50ドル高、CME225先物は大証比145円安の7,805円。外為相場も貿易収支は手がかりにはならず小動きの範囲。90円を挟んでの売り買い交錯となりました。債券市場は堅調で、フライ・トゥ・クオリティの地合継続。10年債の入札は応札倍率2.21倍と前回よりも低下するものの、無難な入札結果との見方から長期債中心に買い優勢となりました。


・東京株式市場・前場。朝方はCME225先物が7,805円(円建てでは7,765円)で帰ってきたことからその値に鞘寄せする形で始まり、現物株にも売り気配で始まる銘柄が多数みられました。その後は7,800円を挟んだ動きとなり、下値を売り叩く向きは限定的となり、次第に買い戻し優勢に一時7,860円まで下げ渋る展開もあるも、債券市場が堅調に推移し、またクロス円中心に売りが出されて、ドル円も軟調に推移するに従い先物に売りが出され、10時30分以降は安値を切り下げる展開で推移していきました。前引けはほぼ前場の安値引け。

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・後場は香港などが軟調に推移、ドル円も90円割れの水準まで売られていたことを嫌気、SGXで下げ幅を拡大していたことから、ギャップを空けて7,710円で寄り付いた後は一度7,660円まで売られ、現物の1月安値の7,671.04円が意識されたものの、オプションSQを控えて売り叩く向きも限定的、その後は7,700円を挟んでの横ばいの推移となりました。横ばい圏ながらも、安値は切りあがる展開であり、7,750円の権利行使価格が意識され、それに収斂していく形でしたが、引けに掛けて現物に売りが出されやや値を下げて引けるものの、先物市場は再度7,750円が意識される展開、結局その権利行使価格で引け、このあたりは芸術的。JGBFは結局88銭高の139.80円。


・ガイトナー・ショックについて。繰り返します。市場があまりにも過大な期待を寄せ過ぎていた反動という声もありますが、基本的には額が少ないことが失望感を呼んだのはいうまでもないところです。今日は三菱UFJ証券のレポートを読んでいましたが、これにも米金融機関の潜在的損失の規模は最大5兆ドルあると書かれています。民間出資を伴うファンドを創設といっても結局リスクテイクできるファンドなどはそんなには多くないはずです。かつてのレバレッジ金融の世界ではPEやヘッジファンドなどの資金が流入し、日本の不良債権問題解決の如く、それが出来たのかもしれないのでしょうが、今ではそれが出来ないのです。ですから何とか公的主軸で進めていかなければならず、事あるごとに催促相場が意識されるところなのかもしれません。


・それと、プレジデンツ・デー前後の懸念もあります。その懸念材料とは米国ではビッグスリー。忘れた頃にやって来るミクロの懸念材料ですかね。米国休み明けの17日、GMとクライスラーが政府に対して経営再建策を提出しなければなりません。明日にでも採決の景気対策法案の中に、「GMに対して公的資金を注入した時に発生した税負担の免除が盛り込まれる」とのスタベナウ上院議員発言から、この問題が蒸し返された感じがあります。ビッグスリーの問題は何かあるたびに政策対応が試されるものでもあります。12月の公的資金注入の時に話された「プレ・パッケージ型の破産」のスキームで物事を進めていけるのか、あるいは全面的に救済してしまうのか、先送り的に公的資金を再度注入してしまう羽目になるのか、オバマ政権は再度難しい舵取りが強いられそうな感じですね。


日本のGDPも物凄く懸念。ロイターが集計した市場予想の平均は年率換算で-11.7%で、最も悪くみている調査機関は-14.2%を予想しています。その大きな要因となる外需寄与度は予想平均では-2.3%。これまで如何に日本経済が「数量×為替」という妙な「レバレッジ外需」経済依存だったのかに気付かされます。すなわち、他国の経済が落ち込み、輸出が急減して、交易条件が悪化すれば、他国の経済よりもレバレッジを掛けている分、経済の落ち込みは大きいという構図なのです。


実質輸出の推移(2005暦年平均を100・出所:BOJ)

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輸出の落ち込み(=数量減)に対円での他国通貨安がギアリング効果の如く外需を突き落としていきます。内需を拡大すべきという声もありますが、グローバル化した経済の中でどこまで内需でカバー出来るのか、という疑問もあり、なかなか難しいですね。交易条件だけは改善できなくも無いわけで、そのあたりは政策で補える感じもしますが。考慮の余地有りだと思います。


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by kabu-gion | 2009-02-12 16:57 | マーケット雑感

失望感~物足りない金融安定化策

金融安定化策がガイトナー米財務長官から公表されました。概要は、


・金融機関に包括的な資産査定を実施、必要なら貸し出し増加を条件に資本注入
・財務省、FRBなどが設立する官民投資ファンドで最大1兆ドルの不良債権買い取り
・個人・企業向け融資促進へTALFの枠を1兆ドルに拡大
・住宅ローンの返済負担軽減と金利引下げへ新たな対策


というものです。市場も個人的にもこの二番目のバッド・アセットを買い取る「1兆ドル」という数字は少ないと受け止めました(TALF枠で合計2兆ドルでも少ない)。NYの株式のトレーダーもヘッドラインの数字を見て「3兆ドル」で無かったので売りのボタンを押したということは容易に推察できます。民間からどうやってカネ持ってくるんだ?という疑問も拭い去ることが出来なかったわけで、市場に不信感が漂い、投げが出る始末。DJIAは構成30銘柄全て安く、381ドル安の下げを演じてしまいました。


とにかくこの間も書きましたが、市場から満額回答が得られなければ催促相場をやってしまうのは致し方が無いわけでして、猜疑心から強烈な失望感を抱いてしまったことになり、その修復は難しくなることはいうまでも無いところです。結局これで時価会計を凍結してしまえば、単なる問題の先送りにしかみえないわけです。



さらに後々思えばTALFの枠を1兆ドルに引き上げる、適格証券をRMBS、CMBSに拡大する、というのは今さらになって、という感も強いです。


TALFは昨年の3月、リーマンもベアーも潰れる前の、いわゆるモノライン騒動の時に、クレジット・クランチを防ぐ目的で作られたものなのであって、現状この枠を大きくしてCMBSなどを適格担保に入れて、資金調達して、それで資金が市中で回っていくだけの「信用」ってものがあるのかどうかも疑問ですね。銀行の資金繰りを改善させる程度にしかなりません。設立当時のTALFのスキームは以下の表の通りです(TALFが発表された時にはこれでやっと、という思いがあったのですよね、懐かしい)。

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これをRMBS、CMBSを含めるようにして最大1兆ドルにするというのが昨日発表された新たなTALF活用案です。


債券はクォータリー・リファンディングが始まり、初日の3年債入札の応札倍率は2.67倍と前回を大きく上回りました。旺盛な需要が確認されたとの指摘もあったようです。株式がこれだけ売られている中では逃避買いも誘いやすく地合は相当良かった、ということでしょうね。


皮肉にもこのような結果で「金利が下がってくれた」、というのが昨晩のガイトナー長官の論功だったわけです。


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by kabu-gion | 2009-02-11 09:46 | マーケット雑感

続落~CNBC報道に右往左往

今日の東京株式市場は続落しました。


日経平均 7,952.58(-16.45)円
TOPIX 778.10(-0.80)
225先物(09/03) 7.950(+40)円


USD/JPY(15:30) 91.36円(みずほCBリファレンス)



・今日の相場はいろいろとメモ書きすることが多く、慌しい感じでした。CNBCに左右される感じだったですね。


・NY市場。10日に延期されたガイトナー米財務長官による金融安定化策の発表を控えて株式市場は小動き。コカ・コーラやペプシコについて一部証券会社の投資判断のやターゲットプライス引き下げを嫌気して売られてDJIAの頭を抑えました。しかし金融株は地銀中心に上昇し、バンカメも12.40%高と大幅続伸となり相場を支える展開となりました。DJIAは9ドル安、CME225先物は8,185円。外為市場も小動き、債券市場は30年債に需給悪化懸念から売られる展開、10年債利回りも一時3%台に乗せたものの、これが押し目買いを誘う展開となりました。


・東京市場・前場。外資系証券の動向は11社で売り2050万株、買い2640万株、差引590万株の買い越し、金額9社も買い越し。朝方はCME225先物が高く帰って来たことや、米上院で景気対策法案の審議打ち切り動議が賛成多数で可決されたことを好感し、買い気配で始まりました。NY市場で金融株が上伸していたことからメガバンクや証券中心に買いが入りました。しかし、市況関連は甘く、全般に買いは長くは続かない展開の中で、CNBCが


 金融安定化策で「バッドバンク」構想を取り下げ


と伝わって8,000円台を割り込むところまで売られていきました。また今日の日経朝刊で「ロシアの民間債務繰延措置」と報道されたことからユーロが全面安商況、クロス円、ドル円(一時91円割れ)にも波及したことも手伝って上値がなかなか重い展開、8,000円挟み(この頃こういうのばっかり)での推移となりました。

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・後場。CNBCが前引け間際の時間帯に


 Bad Bank 2.0


なんて伝えられ、内容は不良債権買取に民間資本を参画させる、不良債権購入を企業に促進したり、コストの一部に政府保証を付与するとしました。それで為替が落ち着き、前引けよりも高いところでの始まり。その後は上値が重く、ポジション調整だったり、GLOBEXが軟調に推移していたことの警戒感から7,900円台で停滞商況となり、場面場面では安値を切っていく動きもありました。ただ、大引け間際には買い戻しも入ったりして下げ渋って取引を終えました。外為市場ではドイツ連銀総裁が「利下げをためらうべきではない」との発言からユーロが再び売り込まれる展開となり、乱高下商況となっていました。債券先物は変わらず。引け後にUBSの決算があり、Q4で81億CHFの赤字を計上しました。


・今日はバッドバンクを創設するとかしないとか、規模がどうなるのかなんていう観測報道に振り回されっぱなし。市場は景気刺激策よりも金融安定化策の行方に敏感になっている感じですね。額についてもTARPの枠で賄うだの、民間・公共出資で合計1兆5000億ドル(ワシントン・ポスト)との具体的な数字まで出る始末。まぁ、今晩のガイトナー長官の発言を聞かないことには何ともいえないですね。ただ、1兆5000億ドルでは足りない感も否めず、これを満額回答として受け止めるような感じではないでしょう。金融機関に対してデューデリジェンスをしっかり行い、今後バッド・アセットを追加して買い取る可能性に言及すればある程度満足してくれるかもしれません。


・今日は現状の相場・経済環境についての認識。白川方明日銀総裁がおっしゃる「負の相乗効果」と同じような構図です。

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今回は資産価格下落と信用収縮から金融の問題が生じ、カネ詰りの問題を引き起こし、これがマクロ経済に波及して生産やら消費やらにもダメージ喰らってミクロの企業活動にしても赤字を出したりして、仮に企業のデフォルトやら何やらがおこって金融機関にダメージを与えることになれば、上記の図の円がスパイラル化してしまって、循環を加速させていくのです。これを防ぐには、事の発端となった金融の問題を解決してスパイラルを防がなくてはならないと考えます。


・そのためにバッドバンク設立、つまり、バッド・アセットを金融機関のバランスシートから外すことが大事なのです。分母となる資本に資金を注入、あるいは増強したって引当金計上で消えてしまうリスクがあるわけでして、そのリスクを解消するには額は多くなりますが分子の資産を軽くさせることが重要なのです。現状ではクレジットクランチが収まっているわけではないので金融機関の問題を解決したって信用創造なんて出来っこないです。ですから、負のスパイラルに歯止めを掛けるという視点が重要なのです。そしてその後に景気刺激策が重要となるのでして、優先順位としては


①金融機関からバッド・アセットを切り離し、新たな金融機関の破綻を防ぐことによって負のスパイラルを食い止める
②景気浮揚のために財政政策を発動する


このようになると考えます。朝方モーサテで景気浮揚が第一、不良債権処理なんて...といっていたコメンテーターがいましたが、あれは個人的には間違っていると考えています。負のスパイラルを食い止めなければ、何も解決しないのです。


それではよい休日を!!


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by kabu-gion | 2009-02-10 16:44 | マーケット雑感

抱き線~マーケットが抱いた猜疑心

今日の東京株式市場は反落しました。


日経平均 7,969.03(-107.59)円
TOPIX 778.90(-11.94)
225先物(09/03) 7,910(-150)円


USD/JPY(15:30) 91.07円(みずほCBリファレンス)


・NY市場。寄り前に発表された1月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が市場予想を下回る59.8万人減少、失業率は7.6%。しかし、この程度なら織り込み済みというところもあり、金融安定化策を9日に公表する(10日に延期)ことを控えて金融株に買い戻し。バンカメが26.7%高、JPモルガンが19.64%高、シティが10.76%高。また雇用統計の中身の悪さから景気刺激策への期待も広がり、全般相場を押し上げる材料となりました。DJIAは217ドル高、CME225先物は8,390円。一方で景気刺激策で多額の財政負担が見込まれることから債券は売り、一時10年債利回りが3%台まで上昇する場面もありました。


・東京市場・前場。外資系動向は11社で売り2040万、買い1530万、差引530万株の売り越し、金額9社も売り。12月機械受注は予想を上回る-1.7%、1-3月見通しは+4.1%。但し、10-12月トータルでは落ち込みが大きくSGXでの反応は限定的。寄り付きは買い気配スタート。8,200円台を回復したものの、上値を買い上げる主体はおらず、早朝にニュースで出された、金融安定化策についてガイトナー財務長官による公表が一日遅れたこと、さらに民間資金も募り、規模などもそれ程大きいものにはならないのではないか?との見方から次第に戻り売りや失望めいた売りから上げ幅縮小。前場の安値圏での引けとなりました。

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・後場。8,100円を割り込み、8,050円まで売られる場面があり、TOPIXが後場寄り後マイナス、225も12時48分にマイナスに転じたものの、その後は8,100円挟んでの展開となったものの、内需系に幅広く売りが出され、一部のハイテクも朝高後値を消していく展開の中、14時20分あたりから指数も下げ幅拡大、8,000円割れが視野に入る展開、引け間際はこの水準での推移、しかし、大引けは安値引けとなりました。ドル円は朝方から1円も値を下げ、クロス円も次第安。本邦輸出筋とみられる売りや朝方買い付いた向きの投げも重なり91円割れまでありました。


・やはり昨日も書いたとおり気になるのは米債動向で、四半期定例入札(クォータリー・リファンディング)を控えて金利上昇のバイアスが掛かりやすく、それが為替相場なり株式相場なりを揺るがしていく可能性があるな、相場的には下手したらトリプル安への懸念も足元強いです。


米債のイールドカーブ(出所:FRB)

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・現状では当然、「悪い金利上昇」。企業活動にマイナスになったりするなど経済全般を冷やしかねないのは当然のことなのですが、最も気になるのはこの金利上昇がモーケージ金利に波及して、借り換えが上手くいかず、住宅ローンの支払いが滞り、住宅差し押さえが起きかねないこと。これはマクロ経済の問題ではなく、金融の問題であることを意識すべきで、住宅ローン債権を大量に持っている金融機関にとってそれは新たな不良資産拡大の種になるのです。そうすれば金融株への売りバイアスとして掛かるでしょうし、金融機関の経営を一段と圧迫させ、金融危機が一層深刻化してしまいかねないリスクがあります。それを防ぐのが昨日書いたとおり金融当局(FRB)の債券買い取りによる債券市場の需給改善です。昨日も書いたとおり、いつ、どのレートで買い取りを行うのか、ここが最大の焦点となります。


米モーケージ金利(出所:FRB)

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・あとは、猜疑心を抱かせたマーケットを如何に納得させるか、これはガイトナー財務長官の仕事ですね。市場の猜疑心から催促相場を招かせてしまうのか、それを打ち消せるのか、いきなりガイトナー長官はその手腕が試されている形です。今日は抱き線。期待先行で買い付いた買い方の失望売りから投げが出されて前日の足を完全否定した形。猜疑心で収まっておればまだ修復可能ですが、不信感の増大はやがていろいろな期待をぶち壊していきます。従って壊れないうちに市場の猜疑心を解いていけるのか、それが問われているのかも知れません。


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by kabu-gion | 2009-02-09 18:02 | マーケット雑感

今週の予定

今週の予定をまとめておきます。


【国内】
2月9日・・・1月マネーストック、12月機械受注及び1-3月見通し、1月景気ウォッチャー調査、1月工作機械受注、決算(TDK、オリックス、日本製鋼所)
2月10日・・・決算(クボタ、ダイキン)
2月12日・・・1月企業物価、決算(日揮)
2月13日・・・オプションSQ、決算(東京海上)


【海外】
2月9日・・・決算(バークレイズ)
2月10日・・・ガイトナー財務長官が金融安定化策を公表(予定)、米3年債入札、12月米PPI、決算(UBS)、バーナンキFRB議長下院公聴会で議会証言
2月11日・・・TARP資金注入を受けた銀行8行のトップへの公聴会、米10年債入札、米12月貿易収支、決算(クレディスイス)
2月12日・・・米1月小売売上、米30年債入札、米12月企業在庫
2月13日・・・独10-12月GDP、ユーロ圏10-12月GDP米2月ミシガン大学消費者信頼感指数ローマG7


・今週も盛りだくさんですね。


・ポイントからすれば国内の経済指標は9日の機械受注という感じ。あとは13日の金曜日(暴落説!?)にオプションSQ。建玉は少ないものの、ややプットに傾いた傾向にあるので事前のふるい落としには注意かも。


・海外では明日のガイトナー長官の金融安定化策公表が重要。バッドバンク設立構想は規模が大事。ここで市場の満額回答を得られるかどうかが今後の相場を占う上でキーとなります。次はローマG7。為替問題以外にも保護主義の是正や金融安定化での協調行動が取れるかどうか。


・さらには米債の四半期定例入札(クォータリー・リファンディング)が控えています。金利マーケットは株式マーケット以上に神経質な地合。入札額が最大規模ですので結果次第では波乱あり、とみられています。当然為替相場にもインパクトがある行事ですので、常にイールドカーブのチェックをしておきたいところでしょうか。そしてこの入札はFRBの対応も焦点となります。すでにFOMCで国債買い取りを決めていますので、それはどのタイミングで、どのレートで行われるのか、両方を睨む必要があります。


こんなところでしょうか。


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by kabu-gion | 2009-02-08 22:02 | マーケット雑感

blog再開しました

昨年の4月からお休みしておりましたが、ぼちぼち再開していこうかな、と。

ここまでの相場、あるいは経済環境についてあえて振り返ることは野暮かな、とも思います。

その代わりにこの1冊。

大暴落1929 (日経BPクラシックス)

ジョン・K・ガルブレイス / 日経BP社



書店の変な恐慌本よりも、この一冊で現状把握がある程度出来るのではないかと思われます。
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by kabu-gion | 2009-02-07 21:47