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大幅反発~4月も陽線

今日の東京株式市場は反発しました。


日経平均 8,828.26(+334.49)円
TOPIX 837.79(+25.80)
225先物(09/06) 8,860(+330)円


USD/JPY(15:30) 97.36円(みずほCBリファレンス)



・NYが下がるんじゃないかということで一昨日売ってみたものの、下がりませんから反動高なんでしょうね。


・NY市場。朝方発表された米1-3月GDP速報値は-6.1%(Est.-4.9%)となり、民間設備投資と輸出が落ち込んだものの、個人消費支出がプラスに転じたことで、個人消費回復への期待から買い先行で始まりました。ボルカー元FRB議長がBloombergで「米経済は低い水準で底入れしつつある」と指摘し、追加的な景気対策は必要はないとの見解を示したことも買い材料視されました。そしてEST14時15分にFOMCの声明が発表されました。声明文は以下の通り(和訳はロイターより)。


3月の会合以降に入手した情報は、経済が引き続き収縮したことを示している。ただ、収縮のペースは幾分減速しているように見受けられる。

家計支出は安定化の兆しが見られるものの、雇用喪失の継続、住宅資産の減少、信用のひっ迫によって引き続き抑制されている。

弱い売上見通しや与信獲得の困難さが、企業による在庫、設備投資、雇用の削減につながった。

金融市場の状況がある程度緩和したことを一部反映し、3月会合以降、経済見通しは緩やかに改善したものの、経済活動は今後も当面、弱い状態が続く公算が大きい。

しかし、金融市場や金融機関の安定化に向けた政策措置、財政・金融政策上の刺激策および市場の力が、物価安定を伴う持続可能な経済成長の緩やかな回復に寄与すると、FOMCは依然として予想する。

国内外の経済の一段の緩みを踏まえ、インフレは引き続き抑制されると予想する。さらにインフレが当面、長期的に経済成長と物価安定を最も促進させる水準を下回って推移する若干のリスクがあると考える。

こうした状況の中、景気回復を促し物価安定を維持するために、FRBは利用可能なあらゆる手段を用いる。FOMCは、フェデラルファンド金利誘導目標水準をゼロ-0.25%に据え置く。FF金利を長期間、異例に低水準とすることが経済状況により正当化される可能性が高いと予想する。すでに発表のとおり、住宅ローン・住宅市場を支援し、民間クレジット市場の全般的状況を改善するため、FRBは年内に政府機関が保証するモーゲージ担保証券(MBS)を最大で総額1兆2500億ドル、政府機関債を最大2000億ドル購入する。さらに、秋までに最大3000億ドルの米国債を買い入れる。FOMCは経済見通しや金融市場の状況の進展を踏まえ、証券買い取りの時期と総額を引き続き検討する。FRBは、幅広い流動性プログラムを通じ、家計や企業向け与信の拡大を促し、金融市場の機能を支援している。FOMCは引き続き、金融・経済の動向を踏まえてFRBのバランスシートの規模や構成を慎重に監視する。


今回の声明に賛成票を投じたのは、バーナンキ委員長、ダドリー副委員長、デューク、エバンズ、コーン、ラッカー、ロックハート、タルーロ、ウォーシュ、イエレンの各委員。



とのものとなり、追加の金融政策は行わなかったことで株式はあまり反応せずとなりました。米経済へのやや楽観的な見通しからドル円・クロス円が買い進まれました。その後Bloombergがオバマ大統領がクライスラーのChapter11適用の申請計画を30日に発表するとしてやや値を削りました。DJIAは168.78ドル高の8,185.73ドル、NASDAQは38.13高の1,711.94となりました。債券市場はFOMCを受けて下落、追加的な緩和策が示されなかったことや経済見通しの楽観的な見方が嫌気されました。30年債は4%台乗せとなりました。10年債利回りは3.11%(前日は3.00%)。



・東京株式市場・前場。寄り付き前の外資系証券の売買注文動向は、10社ベースで売り1890万株、買い2890万株、差し引き1000万株の買い越し、金額9社ベースでも買い越し観測となりました。8時50分に3月の鉱工業生産指数の発表があり、市場予想+0.8%に対して、

+1.6%

となりました。これを受けSGXでも買いで反応しました。寄り付きは買い気配でスタートし、8,750円での寄り付きのあと9時10分には8,800円台に先物は乗せていきました。その後は8,800円台レベルでの保ち合いとなり、10時3分に8,850円を付け、10時40分に8,860円までありましたが、上下のレンジはわずか40円程度の狭い値幅での取引に推移していきました。


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・後場。後場寄りは先物で8,850円となりました。米紙がクライスラーの破綻の可能性についていくつか報じていたことからドル円がやや軟調に推移、先物もやや値を削り、一時8,770円までありましたが、それ以降は月末要因でのドレッシング期待が全般を支える形になりました。13時37分に日銀の政策決定会合の結果が発表され、全員一致で無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.1%に据え置くとしたものの、とりわけ目新しい材料に乏しく、株式市場への反応は限定的となりました。14時台に入って以降はもみ合い、8,810-8,850円の中での狭い値幅に終始しました。結局そのまま引け、現物は8,800円台で取引終了、先物は高値引けとなりました。債券市場は急落してスタート。米債が売られた流れを引き継いで動き、株高や鉱工業生産指数の上振れも嫌気要因となりました。その後はやや買いも入り持ち直してJGBFは31銭安の136.99円。外為市場では公示仲値(97.78円/三菱東京UFJ銀行)以降クライスラーの材料で97.10円まで売られる場面もありましたが、ロンドン時間でやや持ち直しの動きとなっています。



・今日の反発は一昨日DJIAが結構急落するんじゃないか?ということで売られてきた反動なんでしょうね。結局8ドル安の後に168ドル高でしたから、こんな感じで元のレンジ相場の中心~上限近辺まで戻ってしまったという感じなのでしょうね。



米国のGDPについて。詳しく見ていくと、個人消費支出の部門において、


2008年Q3 -3.8%
2008年Q4 -4.3%
2009年Q1 +2.2%


と反発しています。反発したものにおいて特に大きなウエイトを持つ耐久消費財の部門では、


2008年Q3 -14.8%
2008年Q4 -22.1%
2009年Q1 +9.4%


に反発しています。これまでの経済データを把握している限りにおいては自動車ではなくて電気製品が持ち直したのだろうと思います。この点個人消費支出が上振れしたのはまずまずだったのかなぁ、という感じです。民間設備投資の落ち込みは住宅設備の落ち込みと考えてよく、これはあらかじめ市場には織り込まれていたんだろうと思います。


・但し、日本の株式相場的視点からすると気がかりなのが輸入の落ち込み


2008年Q3 -3.5%
2008年Q4 -17.5%
2009年Q1 -34.1%


となっており、加速度的に輸入が落ち込んでいます。おそらく自動車や産業用機械などで対米輸出が相当落ち込んでいるのかな?という感じですね。これはグローバル経済的にも深刻で、外需に頼む我が国だったり中国などの新興国のお得意様はもちろん世界の大量消費地である米国、その米国が外から物を買ってくれない傾向には警戒しておいた方が良いのかもしれません。これについてはまだ下げ止まり感がありませんので、今後の推移には注視しておく必要があります。



・展望リポート。景気の現状については「大幅に悪化している」という判断を据え置き。09年度は「悪化のテンポが徐々に和らぎ、次第に下げ止まりに向かうと見られる」としています。海外経済も「当面は悪化を続ける」とする一方で在庫調整や中国の景気対策から「下げ止まりを示唆する動きが見られ始めている」としました。金融環境についてはコマーシャルペーパー(CP)・社債市場の発行環境は改善するなど、昨年後半と比べると逼迫度合いはやや緩和している」との認識を示したうえで、「企業業績の悪化を背景に、資金繰りや金融機関の貸出態度が厳しいとする先が増加するなど、全体としては厳しい環境が続いている」として、まぁ、リポートの内容は結構厳しめな見方をしています。


・GDPについては2009年度を前回の-2.0%から-3.2%の下方修正、これは驚きはないのですが、CPIの下振れは結構印象的で、2009年度は前回の-1.1%から-1.5%、2010年度は-0.4%から-1.0に下方修正したのは、日銀は結構デフレ圧力に関してシビアにみていると考えた方がよいと思われます。このあたりはまだ債券市場を中心に織り込まれてはいないようにも思われますので、これを受け今後の市場はどのように動くのか注視してみたいと思います。


・今月は陽線引けでした。来月はどうなりますか。

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by kabu-gion | 2009-04-30 17:01 | マーケット雑感

急反落~金融問題再燃ムード

今日の東京株式市場は反落しました。


日経平均 8,493.77(-232.57)円
TOPIX 811.99(-21.11)
225先物(09/06) 8,510(-240)円


USD/JPY(15:30) 95.84円(みずほCBリファレンス)




・無いとこ安値引けで保ち合いを下にブレーク、あんまり良くないですね。


・NY市場。豚インフルエンザが材料視されました。REIT最大のホスト・ホテルズ&リゾーツが15%の下落、デルタ航空やUALなどの空運株も大幅安となるなど売り優勢で始まりましたが、GMがリストラ案としてディーラーや人員削減の規模拡大を前倒しして実施し、440億ドルの債務圧縮計画として社債と株式の交換を提案、社債保有者の受付を開始とする方針から同社株などが買い進まれ、指数は一時プラス圏に推移する場面もありました。しかし、パンデミック・リスクから原油が安くなるとエネルギー関連にも売りが出され、指数はマイナス圏での引けとなりました。DJIAは51.28ドル安の8,025.00ドル、NASDAQは14.88安の1,679.41となりました。債券市場は堅調。豚インフルエンザの問題から安全資産に着目した買いが入り、2年債入札では外国中銀を含む間接入札の落札全体に占める割合が28.7%(前回は53.1%)となったものの応札倍率が2.72倍(前回は2.71倍、過去10回平均では2.42倍)だったことから無難な入札と受け止められ、結局買い材料となりました。10年債利回りは2.91%(前日は3.00%)。外為市場では豚インフルを嫌気して新興国通貨に売りが出されドル・円が買われる展開となりました。


・東京株式市場・前場。寄り付き前の外資系証券の売買注文動向は、10社ベースで売り2360万株、買い2280万株、差し引き80万株の売り越し、金額9社ベースでは買い越しとの観測となりました。寄り付き前の8時50分に発表された3月小売販売額は前年比-3.9%(Est.-4.2%)だったものの、これに対する反応は限定的となりました。寄り付きは小幅安でスタートしました。その後は小動きに推移したものの、与謝野財務相の閣議後の会見で「日本の証券・銀行の損失、資本の中で余裕でカバーできる」との見方を示したことから金融株がプラスに浮上、全般も買い優勢の地合となっていき、9時38分には一時先物で8,820円まで買い進まれる場面までありました。しかし、上値での戻り売りの圧力が大きく、買い一巡後はもみ合いの展開からやや売り物優勢となり、10時40分には8,750円まで売られる場面もありました。ただ、押し目では買い向かう動きもあり、前場は堅調の引けとなりました。


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・後場。上海市場や香港市場がパンデミック・リスクで続落しており、外為市場でもドル円が96円台前半のところまで売られていく動きから後場寄りは昨日と同じようにギャップダウンで始まりました。その後は8,750円まで戻していき指数もプラス転換する場面がありましたが、13時過ぎにウォール・ストリート・ジャーナル電子版で"Fed Pushes Citi, BofA to Increase Capital (FRBはシティとバンカメに増資を要請)"と伝えられ、金融問題が再燃した形でドル円・クロス円が下落していくのに合わせて先物にもまとまった売り物が出され、ここ数日来のレンジである8,600円台後半レベルを割り込むと下げが加速していきました。とりわけ25日移動平均線を現先ともに割り込んでいってからは売り一辺倒の展開、14時12分には8,540円まで売りが出されていきました。その後8,600円まで買い戻される場面もあったものの、ドル円が落ち着かない動きであったり、休日控えということもありヘッジ売りが加速していき、8,500円まで売られて現物は安値引け、先物も一時8,490円までありました。債券市場は堅調。米債が買われた流れを受け継ぎ、金融問題やパンデミック・リスクを意識し買い戻し優勢の展開、JGBFは63銭高の137.30円。外為市場ではWSJ報道から一気に円買いの動き、ドル円は96円割れとなりました。ユーロは1.30のオプションの防戦買いも入って東京時間ではそのラインが意識される展開となりました。



・今日の相場はリスク回避の動きが嵩んでしまって、CTAなどの株先売り/債先買いがあったという観測がありました。CTA御用達のクレディスイスあたりが結構売りを出していましたので、そういう動きの痕跡もありますね。ただ、場中はダウ先物が100ドル以内の下げに収まっていたので、ちょっとテクニカル的なヘッジ売りが嵩んだ可能性があります。


・レンジをブレークしたときの下方バイアスが高まるという話をすればそれまでなのでしょう。しかし、よくよく考えてみればSQ前のふるい落としの可能性があったのでしょうね。実は5月限のSQってまだまだ先で残存日数こそ残り8日もありますが、売買ベースでは今日の取引含めてあと4日しかありません。そういった中で保ち合いのレンジ相場がここ数週間続いており、さらに大型連休を挟んでいますから、オプション市場ではセータ狙いの売りが結構膨らんでいました(プット8,500円は建玉は2万枚強)。従って日経IVは4月23日にリーマンショック以前のレベルの27.9まで下がっていました(それだけオプションが売られていたということ)。その結果プット8,500円に関しては今日のザラ場では60円までの安値がありました。しかし、デルタは依然としてあり、相場が下方にブレークし、ボラティリティが上昇するとデルタも加速度的に大きくなることから先物市場にもそれなりにデルタヘッジの動きが出されていった可能性があるわけです。


05P85の日中のデルタ推移


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プット8,500円については、かつてならボラも高く僅か300円OTMのプットオプションなんてこれだけの残存日数で60円まで売られる場面はなかったのです。しかし、今月はこういった特殊要因や保ち合い相場の結果からセータ及びボラ低下狙いの売り方が調子づいてしまったのですので、その反動から200円まで買われてしまうと担がれるリスクが大きくなり、当然先物にもヘッジを出さざるを得ないことになります。さらには裁定残の積み上がりのピッチも速いですから、裁定解消の動きが出ればそれが全般相場を下押しするという典型的な相場だったと思います。



・そして信用残が高値圏でのレンジ相場で積み上がったのが今後の需給の懸念材料となるのでしょうか。三市場信用残では


信用売残 952,397(-22,730)百万円
信用買残 1,087,390(+65,113)百万円
信用倍率 1.13倍(前週は1.04倍)



こんな感じで買い残だけが増えています。幅広い銘柄で買い残が増えており、銀行やバリューの資源・素材、材料株あたりまで増加しています。3週ほど前からこの信用の動向には注視する必要があるとしたのは、高値圏で掴んだ買い方のしこりが形成され、レンジを下方にブレークして調整入りするならば、後々これらが戻りを抑えてしまう可能性が大きいのでは?ということです。特に数週間もみ合ったゾーンから下に放れてしまえば、このゾーンのしこりは大きくなり、8,800-9,000円のゾーンでの戻り売り圧力が今後非常に大きくなる懸念があります。これをこなしていくには値幅なり日柄なり必要なのでしょうね。経験則で外国人はあまりリスクを取りづらく、年金が売ってきているゾーンで個人が買い付いた感じがあってあまりいいイメージはないのですよね。



・今日のカタルシスはパンデミック以上にストレステストへの思惑ということだったわけですが、5月4日に発表ですから、実際どのようなものになるのかについては、今後非常にマーケットは神経質になっていくのでしょうね。少なくとも、時価会計を緩和してすべての銀行が合格なら出来レースと書いた記憶がありまして、やはり厳格に査定して必要に応じて増資することが必要となるのは自然な成り行きにも思えますが...



・それでは休日をお過ごしください。

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by kabu-gion | 2009-04-28 17:16 | マーケット雑感

小反発~パンデミックリスク浮上?

今日の東京株式市場は反発しました。


日経平均 8,726.34(+18.35)円
TOPIX 833.10(+3.05)
225先物(09/06) 8,750(+10)円


USD/JPY(15:30) 96.69円(みずほCBリファレンス)




・上値が重いところに嫌な材料を消化しなければならないのは困ったかなぁ、という感じですね。


・NY市場。朝方発表された決算ではフォードがEPSベースで0.75ドルの赤字(市場予想は1.24ドルの赤字)、アメックスが0.32ドルの黒字となりこれも市場予想の倍となったことや、経済指標では3月の耐久財受注が市場予想-1.5%に対して-0.8%と上振れしたことを手掛かりに買い先行で始まりました。3月の新築住宅販売件数も市場予想32万2000戸に対して35万6000戸(前月比-0.6%)となり、これも支援材料となりました。FRBがストレステストの結果についての手法や詳細など発表し、大手19行は大部分基準を「十分に上回る」余剰資本を確保しているとの見方も好感され、金融株は大幅高となりました。DJIAは119.23ドル高の8,070.29ドル、NASDAQは42.08高の1,694.29となりました。債券市場は軟調。今週に1010億ドルの入札を控えていることから買い見送り。FRBが買い入れを始めて以来初めて10年債利回りは3%に乗せました。結局10年債利回りは3.00%(前日は2.93%)。外為市場は1-3月英GDPが予想以上のマイナス成長だったことを嫌気してポンドが全面安、本邦証券取引等監視委員会によるFXレバレッジ規制を嫌気してクロス円も売られる展開となりました。G7に関しては世界経済の落ち込みペースは減速した、安定化の一部兆候が表れているという声明となりました。


・東京株式市場・前場。寄り付き前の外資系証券の売買注文動向は、11社ベースで売り2280万株、買い2680万株、差し引き400万株の買い越し、金額9社ベースでも買い越し観測となりました。早朝から豚インフルエンザがメキシコ中心に感染拡大していることからダウ先物が100ドルを超える下げ、外為市場でもメキシコペソが売られたほか、感染が見つかったとされるNZドルなども売られる展開となっていたことから、寄り付きはCME225先物の清算値(円建てで8,900円)にははるかに及ばない、8,810円で始まりました。その後まとまった売り物が出され、9時10分には8,730円まであったものの、全米自動車労組(UAW)が2007年の労働協約修正や退職者向け医療保険基金をめぐり、クライスラー・フィアット・米政府と合意に達したことが明らかになり、買い戻しを誘う展開となりました。9時46分には寄り付きの高値に並び、10時には一時8,850円まで買い進まれる場面もありましたが、さすがにこの水準では戻り待ちの売りも控えており、上値は重い展開となりました。前引けはやや伸び悩んだ水準での引けとなりました。


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・後場。豚インフルエンザ懸念からアジア市場が総じて軟調、ダウ先物も下げ幅拡大、海運決算もネガティブなものとなり、後場寄りはギャップダウンで始まりました。海運株は3社とも売り気配スタートとなりました。その後は業績懸念から輸出関連も弱く、12時58分には現物指数もマイナスに転じました。先物で一時8,650円まで売られたものの、再編思惑から金融株がしっかりしていたことから下値も限定的となり、その後は買い戻しなどを誘う展開となりました。その後14時台に掛けては8,700円を挟んだところでの値動きとなり、やや方向感がない展開となりましたが、引けにかけてやや引き締まりの動き、現先ともに小幅反発して引けました。債券市場は軟調。具体的に年限別の国債発行計画が出揃ったものの、需給懸念は燻る展開、株安でも売られていく展開となりました。JGBFは48銭安の136.67円。外為市場では米国の中小銀の破綻や豚インフルへの懸念からリスク回避の動き、ドル円は一時96.50円まで売られる場面までありました。



・今日の相場は8,800円台で寄り付いたものの、上値の重さが嫌気される展開となって、後場に海運の決算がネガティブでSGXに売り物が出されたりしていて、こういった流れで下げに転じる場面もあってという感じで、相変わらず保ち合いの展開が続いている感じですね。個別でダイワボウとかシキボウとかバイリーンだとか日油だとか栄研化学だとか中外製薬だとかが人気になっていましたね。ダイワボウは5921万株の買い注文を残してという感じですから、数日間はこの話題で持っていくのでしょうね。



・ただ、豚インフルという話は材料株を持ち上げるには格好の材料だったものの、指数レベルでものを考えるときには明らかにマイナスに作用した感じもします。いわゆる「パンデミック・リスク」を考える必要がどうしても出てきます。直近でこのようなものが騒がれたのは鳥インフルエンザ、その前はSARSだったわけなのですが、SARS渦は結構実体経済に響いたところがあって、2003年に香港当局がGDP予測を1.5%下方修正した経緯があり(くわしくはこちらのレポートを参照)、中国の経済の成長にブレーキをかけました。今回の豚インフルではまだ初動の段階であり経済活動に影響はまだ及んでいないので、このあたりは冷静に推移を見定めていく必要があろうかとは思いますが、人や物の流れなどがなくなっていくと実体経済を下押しする圧力にもなりかねません。そして北米からの資金流出などがあるのかどうか、というところで注意が必要になります。ロイターの豚インフルの特集サイトでは感染マップを載せていたりしていますので、今後の推移を見守る必要があります。


・上記のパンデミック・リスクが株安・ドル安懸念となっているのですが、今週は米国の債券安へのバイアスも強まり、下手をすれば米国の「トリプル安」リスクを抱えた週になる可能性があります。今週、米財務省は27日に2年債400億ドル、28日に5年債350億ドル、29日に7年債260億ドルの入札を行うことを予定しています。すでにFRBがFOMCで米国債買い取りを決めた水準である10年債利回り3%に乗せてきており、買い入れ以上に需給緩和懸念が相当強い地合となっている中での1010億ドルの入札ですから、明日以降のNY債券市場の動向には要注意となります。毎回入札結果を睨みつつの動きとなっていくのかもしれませんね。



・今週はただでさえ、クライスラーの問題(今日の合意で破綻回避との見方もあるような感じですが)やらストレステストの思惑やら米Q1GDPなど経済指標が盛りだくさんだったりやら本邦企業決算の発表の最初のヤマ場だったりやら、という感じの中でのこういった揺さぶり材料があって、それにゴールデンウィークですから余計に神経質な展開となるのかもしれません。


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by kabu-gion | 2009-04-27 17:21 | マーケット雑感

今週の予定

今週の予定をまとめておきます。


【国内】

28日 3月小売業販売額
30日 日銀金融政策決定会合、経済・物価情勢の展望3月鉱工業生産
5月1日 3月失業率、3月有効求人倍率、3月全国CPI、4月都区部CPI、3月家計調査

【海外】

28日 米FOMC(~29 日)、米4月コンファレンスボード消費者信頼感指数 
29日 米1-3月GDP速報値
30日 4月ユーロ圏CPI、3月米個人所得・消費支出、4月シカゴPMI、クライスラーが追加支援を受けるためのフィアットとの提携合意期限
5月1日 4月米ミシガン大消費者信頼感指数確報値、4月米ISM製造業景気指数、4月米製造業受注、4月米自動車販売


このようなところとなります。とりわけ日銀金融政策決定会合と展望リポートが注目されます。海外ではFOMCでしょうか。可能性は少ないとされていますが、国債買い入れの増額も指摘する向きもありますが、どうなるでしょうか。あとは国内企業決算が相次ぎます。国内企業決算発表スケジュールはこちらからどうぞ。

今週の見通しについて詳しくは二段波動研究会の会員様向けにレポートにて書いております。よかったら是非どうぞ。

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by kabu-gion | 2009-04-26 21:25 | スケジュール

反落~週末のポジション調整?

今日の東京株式市場は反落しました。


日経平均 8,707.99(-139.02)円
TOPIX 830.05(-9.45)
225先物(09/06) 8,740(-90)円


USD/JPY(15:30) 96.89円(みずほCBリファレンス)



・今日はいろいろ忙しく、所用があって遅くなりました。やや簡潔に書いていきます。



・NY市場。寄り付きは小動きとなりましたが、10時に3月の中古住宅販売件数が発表され、前月比-3.0%と市場予想を下回るものだったり、新規失業保険申請件数が64万件に増加、受給総数が過去最高となったことが株価の重石となりました。やや神経質な展開となるも、引け間際にフィフス・サード・バンコープやPNCフィナンシャル・サービス・グループが市場予想を上回る決算を発表して金融株に買い戻しが入り、UPSの業績悪を相殺して高く引けました。DJIAは70.49ドル高の7,957.06ドル、NASDAQは6.09高の1,652.21となりました。債券市場は小幅高、財務省が来週の入札が総額1010億ドルの規模になると発表するも、FRBが今週2度目の買いオペで70億ドルを購入、需給の強弱材料をこなしながらの展開となりました。10年債利回りは2.93%(前日は2.94%)。外為市場ではユーロ圏製造業PMIやクレディ・スイス決算でマインド改善、ユーロが買われました。



・東京株式市場・前場。寄り付き前の外資系証券の売買注文動向は、売り2290万株、買い1400万株、差し引き890万株の売り越し、金額9社ベースでも売り越しとの観測となりました。寄り付きは前日とあまり変わらない水準、8,840円で寄り付いたのですが、NYタイムズが来週にもクライスラーがChapter11を申請する見込みであると伝えられたこともあって売りが優勢となっていきました。ドル円・クロス円が軟調に推移し、リスク回避姿勢からまとまった売り物が出され、一時8,750円まで売られましたが、9時58分にBloombergでみずほFGが劣後債の発行登録を実施したことが報じられ、10時4分に同社株に196円に9,000,500株もの大口買いが入ったことをきっかけに銀行株が一段高、TOPIX型主導で下げ渋りの展開、その後は戻り基調となり8,860円のところまで戻してプラスに転じる場面もありました。前引けは小幅安で終えました。


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・後場。後場寄りは昼休み中にドル円が一段安となった流れを受け寄り付き後は小動きも、13時過ぎからまとまった売りが出されて8,720円近辺のところまで売られていき、さらにドル円が97円割れのころまで突っ込むと14時11分に8,690円まで売られたところで売りは一巡し、その後は週末のポジション調整の動きに終始しました。結局引けは安値圏で今週の取引を終えました。債券市場は引けにかけて現物債に売りが出され、小安くなりました。JGBFは11銭安の137.15円。外為市場ではドルが売られていく展開となりました。ストレステストについてKBWが独自調査を行った結果総額1兆ドル程度の増資が必要と朝方伝えられ、昼にかけて97.50円のオプショントリガーに絡む売りが出され、一気に96円台まで下落していく展開となりました。ロンドン時間では96円台後半のところでの取引となっています。



・今日の動きはストレステストの結果を今晩にも銀行に伝えられると報じられたり、いよいよビッグスリーの一角クライスラーのChapter11のカウントダウンが始まったという感じで、好材料もなく下げてしまったという感じです。


・みずほは大商いだったのですが、あれで良いのでしょうか?と、ふと思いました。劣後債発行でダイリューションが起きないと踏んだので一斉に買い戻しが入ったという感じなのでしょう。しかし、実際決算が出てみないと何ともいえないのですが、本当にTier1増資(普通株なり優先株)が必要ないのか?といえばどうなのか、という疑問は残ります。決算発表をみないことには分かりませんが、12月時点でのコアTier1比率は1.57%と国内金融機関の中でも財務は弱く、さらに今期も与信管理が厳しく問われるような景気情勢で本当に劣後債発行だけで財務がやっていけるのかについては甚だ疑問があって、そのうち普通株なり優先株増資があるのでは?という感じもするのですよね。GS証券のアナリストがTOPIXが700でTier1比率を8%に引き上げるには9000億円の増資が必要だと推計し、それを見越してコンビクション・リスト・セルを継続してターゲットプライスを150円から130円にしているようですから、将来的なダイリューションの懸念は燻るままでしょうね。


・今晩はG7。この間のG20金融サミットの如く財政拡大で欧州と日米が対立するのでしょうか?まだまだ国際協調が必要なだけに足並みが揃うことができるかどうか、注目でしょう。またストレステストの行方がますます思惑を呼んでおり、どうなるのかな?という感じでちょっと神経質な相場が続きそうですね。



・それでは今週もお疲れ様でした。良い週末をお過ごしください。


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by kabu-gion | 2009-04-24 20:04 | マーケット雑感

後場一段高~強弱材料をこなしながら

今日の東京株式市場は上伸しました。


日経平均 8,847.01(+119.71)円
TOPIX 839.50(+9.54)
225先物(09/06) 8,830(+80)円


USD/JPU(15:30) 98.03円(みずほCBリファレンス)




・昨日と同じように捉えどころのない展開でしたが、後場後半から引き締まりました。



・NY市場。朝方発表されたモルガン・スタンレーのQ1決算において純損失が51億7800万ドル、ESPベースでは0.57ドルの赤字と市場予想(0.09ドルの赤字)を下回る内容となり、またIMFの09年世界経済見通しを-1.3%に下方修正されたことから売り先行で始まりました。しかし、FHFA2月住宅価格指数は前月比+0.7%となり2カ月連続で上昇となったことを受け買われる場面もありました。しかし、GMが6月1日に返済期限を迎える10億ドルの債務について自発的交換ないしは破産裁判所を通じた債務再編を行う見通しのため返済の可能性は低いとしたことを嫌気して同社株が一時5%下落する展開となり、さらにはストレステストへの懸念から終盤に掛けて売り優勢の展開、DJIAは82.99ドル安の7,886.57ドルで引けました。一方でハイテク関連はアップルの好業績を先取りした形で2.27高の1,646.12となりました。債券市場は軟調、住宅価格の上昇からリセッションの最悪期は過ぎたとの見方から、10年債は一時2.97%まで上昇しました。ただ、株安で下げ渋り、10年債利回りは2.94%(前日は2.90%)。外為市場では英財務省が2000億ポンドの国債発行を決めたことやダーリング財務相が英国は第二次世界大戦以降最悪のリセッションであることを述べたことからポンドが売られる展開となりました。


・東京株式市場・前場。寄り付き前の外資系証券の売買注文動向は、11社ベースで売り1440万株、買い1430万株、差し引き10万株の売り越し、金額9社でも売り越しとの観測となりました。寄り付きは野村の投信設定に関する思惑で買い先行、CME225先物ドル建て清算値の8,795円に鞘寄せして8,800円でのスタートとなりました。しかし、先物に売りが出され、三井物産の減額修正や野村HDの最終赤字7000億円観測報道が嫌気される展開でその後9時25分にTOPIXがマイナスに転じていきました。外為市場でドル円が97円台で一段安となる動きも投資家心理を冷やし、その後9時52分には225先物で8,700円を割り込み、さらに10時8分には一時8,640円まで売られる場面までありました。一方でGSがトヨタをコンビクション・リスト・バイにしたことを受け同社株が堅調推移といった形となり、下値を売り叩く動きも限定的、前場は安値からやや戻しての引けとなりました。


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・後場。後場寄りは前引けよりもやや安いところで始まり、その後8,650円まであったものの、前場の安値をキープしたことから買い戻しも入り、13時台には現物もプラスに転じ、8,750円近辺でのもみ合いとなりました。みずほフィナンシャルグループが前期最終5000億円の赤字見通しであると日経の観測記事が流れましたが、市場では織り込み済みとの見方から小幅安推移となっていたことでその材料が相場に与える影響は軽微なものとなりました。一方で自動車株が一段上値を試すようになると先物にも買いが入り、14時過ぎには8,800円台をブレークする動きとなりました。クレディ・スイスのQ1決算において純利益が予想を上回る20スイスフランとなったとのフローも追い風。上げ幅を拡大して14時48分には一時8,880円まで買い進まれる場面まであり、結局高値圏での引けとなりました。債券市場は朝方はしっかり、2年債入札も順調だったことを受けたものの、後場の株高で失速、JGBFは5銭高の137.26円。外為市場は小動き、株価にらみの展開となりました。ロンドン時間に入っても98円を挟んだ動きとなっています。



・今日のところは、野村・三井物産・みずほの業績に関するネガティブな材料に対して、米国でのアップルの好決算、トヨタのGS買い推奨、そしてクレディスイスの好決算が対立する感じだったのでしょうけど、好材料が勝ったという感じなのでしょう。GWについての需給要因、すなわち逆日歩が付いている銘柄に関してはカレンダー上、これをまたぐと6営業日の売り方のコストがかかるという状況ですから、好取組銘柄には買い戻し圧力がT+4の応答日である27日まで日々増してきていることもあるのでしょうね。
 


・そのGWには再三再四ストレステストの結果が出されます。アク抜けするという考え方もありますし、場合によってはショック安もある、なんていう感じで売り方も買い方も一旦ポジションを○にしたいということもあるのでしょう。そのストレステストについて気がかりな記事がWSJに載っていました(ロイター記事参照)。まとめると、2010年末に失業率が10.3%のシナリオで、各金融機関は2年間の損失として、


①第一抵当モーゲージ・ポートフォリオで最大8.5%
②ホームエクイティ関連で11%
③商業・産業ローンで8%
④商業用不動産ローンで12%
⑤クレジットカード・ポートフォリオで20%


このような損失を想定する必要があって損失額はTier1の半分規模に超える規模に拡大する可能性があるのだそうです。この間もバンカメ決算の時に指摘しましたが、米国のリセッションが深刻化すればモーゲージ関連以上にクレジット・カードの貸し倒れが大きくなるとのことで、このあたり金融機関にとって資産価格の下落よりもマクロの悪化こそが今後の悪材料として意識されるということです。そしてそれを払拭するためには、金融機関の時価会計を緩和している中、不透明な財務状況の中で明確な基準で追加資本増強を行うことが必要になっていくのかな?という感じです。あまり曖昧にしてしまうと市場では疑心暗鬼を深めることになることはいうまでもありません。


・投資主体別売買動向について


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外国人に関しては現物9億円の売り越しとなるも225先物で493億円の買い越しですから、実質な買い方という感じで、それに個人の新規の信用買い+売りの返済買い+現物買いで1305億円の買い越しとなるものの、やはり信託銀行が売り越しという感じで、この構図は2週連続。生損保以外の金融法人も売り越しです。やはり3月月中平均(7,764.58円)から15%も上昇した9,000円台では当然株式を益出ししてアンダーウエイトの債券を買うリバランスの動きも出てきます。これが上値の圧迫要因ですね。投信もやれやれの解約に伴う売りが出されているという感じなのでしょう。そんな感じで上値を追うにしても底値圏で大きく買い支えた投資家が売ってきているのですから、これをこなすにはそれなりの買い主体が吸収していかないといけないというのは言うまでもないのところです。


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by kabu-gion | 2009-04-23 17:14 | マーケット雑感

膠着相場~まちまちの展開


今日の東京株式市場はまちまちとなりました。


日経平均 8,727.30(+15.97)円
TOPIX 829.96(-0.76)
225先物(09/06) 8,750(-20)円


USD/JPY(15:30) 98.39円(みずほCBリファレンス)



・つかみどころのない相場でした。


・NY市場。寄り付き前に発表された決算ではキャタピラーがEPSベースで-0.19ドルの赤字(Est. +0.02ドルの黒字)やバンク・オブ・NY・メロンが0.53ドルの黒字(Est.0.63ドルの黒字)とさえない内容だったことを受け、売り先行で始まりました。ただ、IMFの世界の金融機関が抱える不良資産の額が4.1兆ドル(そのうち米国で組成されたものは2兆7000億ドル)に拡大したということを発表したことについては事前にFTで出されていたので織り込み済みとなりました。ガイトナー財務長官が米東部時間11時ころにTARP監視委員会で証言し、「現在銀行の大部分は規制当局が十分だと考える以上の資本を保有している」、ストレステストの結果の結果、増資が必要だと判断された金融機関には「多くの選択肢がある」との発言から金融株が買い戻されました。シティが10.20%高、JPモルガンが9.53%高となりました。一方でヘルスケアのメルクは安く上値を重くしました。DJIAは123.83ドル高の7,969.56ドル、NASDAQは35.64高の1,643.85となりました。債券市場は軟調、ガイトナー財務長官発言やFRBによる米債買い取りが予想以上に少なかったことも嫌気。10年債利回りは2.90%(前日は2.85%)。外為市場は4月のZEW独景況感指数が13.0(前月は-3.5)と改善したことを受けユーロに買いが集まりました。



・東京株式市場・前場。寄り付き前の外資系証券の売買注文動向は、売り1980万株、買い1400万株、差し引き510万株の売り越し、金額9社ベースでも売り越しとの観測となりました。8時50分に発表された3月の貿易収支は110億円の黒字となり、ややドル円が軟調に推移していきました。寄り付きは、買い先行で始まり、先物は8,780円でのスタートとなりました。その後先物で8,820円まであって現物も8,800円台を回復する場面もありましたが、上値では戻り待ちの売り物も出され、その後は徐々に上値が重くなる展開、金融や資源関連などといった銘柄がややさえない展開となっていました。その後はレンジ内の相場がかなり長く続きましたが、10時30分過ぎにドル円が日中安値圏に向かうと上値がさらに重くなり、売り物に押される形で10時52分にはTOPIXが、10時57分には日経平均もマイナスに転じ、安値圏での前引けとなりました。


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・後場。後場寄りは前引けとあまり変わらない水準でスタートしたものの、先物に売りが出され、一時先物で7,680円まであったものの、下値での買い指値も厚く、その後は戻し基調となっていきました。ドル円も落ち着いた動きとなり、レンジ相場に移行した後はプラス圏での推移となり、強含みの展開に移行していきました。上値での売り物も厚く、なかなかすんなりとは戻しきれなかったものの、先物で8,780円を付ける場面もありました。結局日経平均は小反発、TOPIXは小幅続落で引けました。債券市場は朝方はNY市場の流れを引き継いで売りから始まりましたが、株価が軟化していく場面で買いが入り、持ち直しの動きとなりました。JGBFは17銭高の137.21円となり、高値引けとなりました。外為市場は本邦貿易統計で予想外の貿易黒字だったことを受け需給懸念からドル円が売られる展開、リスク許容度の低下も相まって98円台の前半での取引となりました。ロンドン時間では再度売られる展開となっています。



・今日のところは、NYが反発しても上値が重くなってしまっていたことを受けての動き、GLOBEXも終始軟調で朝方からそれを気にするような値動きとなっていきました。買っていた向きからすれば上値は重く感じられ、売っていた向きからすれば下値は堅く感じられ、その強弱が入り混じる展開だったのでしょう。それゆえ方向感に見出しにくい相場だったという感じですね。



・それにしてもガイトナー長官の発言を受けて東京市場も高くなれなかったのはやはり米銀に対する疑心暗鬼な部分がそうさせているのかもしれませんね。昨日のThe Turner Radio Networkの噂が市場を支配しており、ガイトナーさんは火消しに回ったものの、これで沈静化できなかったのも無理はないですね。一応The Turner Radio Networkが何を出してきたのかといえば、


①ストレステストを受けている19行のうち16行は債務超過である
②16行のうちさらなる状況の悪化に耐えうる金融機関はない
③16行のうち2行の破綻でFDICの残りの資金を使い果たす
④19行のうち上位5行は資本が足らずビジネス継続に深刻な疑問
⑤特にJPモルガン、GS、HSBC、BOA、シティは大きなリスクを取っている


こういった噂を流したのでした。個人的には問題行はいくつかあるのかもしれませんが、ゴールドマンやJPモルガンのように公的資金を返す意向があるわけですから冷静に考えてみれば上記の噂はそれ程気にしなくても良いものなのだとは思います。しかし、昨日の下落と今日の反発力の鈍さをみると何が出るのかわからないストレステストに対して株式市場も自信がもてていない現れだったのかな?という感じがします。決算が一巡して目先好材料が消えたところにこういった投資家心理を揺さぶるネタが出てきてそれを当局が払拭しよう躍起になってもいまいち市場ではガイトナー長官の発言に信頼感が置けないのでしょう。それが今の市場心理なのかもしれません。



・裁定買い残については、37,622百万円増加して747,793百万円となりました。増加ピッチが少し緩んだ感がありますね。絶対額や時価総額対比ではそれほど大きくないものの2538億円から5000億円程度膨らませてきた格好ですので、裁定解消売りの圧力は結構あるのかな?という印象です。昨日や今日のように主にTOPIXで現先のスプレッドが逆鞘になるシーンでは買いが入っても裁定解消売りが出ますのでそれが上値の重さを印象付けさせるものになっているのかな?という気がします。


TOPIX現先のスプレッド


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相場が強気で現先のスプレッドが順であれば問題ないのでしょうが、今日のようにちょっと逆鞘になると圧迫感を感じさせるものではあります。

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by kabu-gion | 2009-04-22 17:29 | マーケット雑感

反落~金融問題再燃か?

今日の東京株式市場は反落しました。


日経平均 8,711.33(-213.42)円
TOPIX 830.72(-17.58)
225先物(09/06) 8,770(-160)円


USD/JPY(15:30) 98.26円(みずほCBリファレンス)



・久方ぶりのNY大幅安を受けての東京市場、どうなることかと思いました。


・NY市場。朝方にバンク・オブ・アメリカの1-3月期決算発表があり、純利益が42億ドル(EPSベースでは0.44ドル)の黒字、市場予想0.044ドルの黒字を大きく上回ったものの、貸倒引当金が昨年の12月期から57%増加の134億ドルになったことを受け全般売り先行で始まりました。シティグループについて、ゴールドマンのアナリストがクレジット損失が急拡大し、基本的なEPSは0.38ドルの赤字であったとのレポートも金融株の売り材料。ストレステストに関してThe Turner Radio Networkが出した噂も嫌気され、下げ幅を拡大していきました。バンカメは24.34%安、シティが19.45%安となり、KBW銀行株指数も15.4%安となりました。リスク回避姿勢から原油が大幅安となるとエネルギー株も売られ指数を下押し、全面安の様相となっていきました。DJIAは280.60ドル安の7,841.73ドル、NASDAQは64.89安の1,608.21となり、VIX指数が15%上昇する展開となりました。債券市場はバンカメ決算とシティのレポートから安全資産への買いを集める形となり、FRBの米債買い入れオペも支援材料。10年債利回りは2.85%(前日は2.95%)。外為市場は欧州通貨が売られ、円が全面高。98円台を割り込む展開までありました。



・東京株式市場・前場。寄り付き前の外資系証券の売買注文動向は、11社ベースで売り2280万株、買い1200万株、差し引き1080万株の売り越し、金額9社ベースでも売り越しとの観測となりました。寄り付きは売り気配スタート、先物は8,690円で寄り付きました。外為市場で98円割れを嫌気して輸出関連が広範に売られ、原油が4ドル安したことを受け資源関連なども大幅安に推移する展開となりました。ただ、売り一巡後は小動きに推移し、10時あたりまでは全般小動きといった感じでした。10時38分に一旦8,610円まで売られる場面まであったものの、先物で高安100円程度の値幅となり、方向感がつかみにくい展開となりました。


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後場。後場寄りは前引けよりもやや高いところで寄り付いた後は次第に戻り歩調となっていきました。外為市場が98円台で落ち着きを払ったことも一応の安心材料となりました。その後しばらくは8,600円台での値動きに終始し、膠着ムードも漂う展開となりました。13時47分に8,720円まで買い戻された後、一旦反落してみるも、材料株物色も盛んで14時台は8,700円台で戻り歩調となっていきました。14時台はこの8,700円台を固めるところで推移し、TOPIX型主導で現物買いに指数も戻っていく展開となっていきました。14時32分に8,760円まで買い戻される場面があり、現物はやや引けで戻り一巡となりましたが、先物は高値引けとなりました。債券市場は堅調。米債が買い進まれた流れを受け堅調に寄り付いた後、20年債入札も順調との観測だったことも支援材料、JGBFは41銭高の137.04円。外為市場はクロス円主導でドル円も軟調に推移するも、昼過ぎから98円台で推移、その後ロンドン時間に掛けては98円を挟んだところでの取引となっています。



・今日の下落についてはDJIAが289ドル安で帰ってきており、CME225先物の円建て清算値が8,690円だったことからこれに鞘寄せして始まった後は意外と底堅さも感じたこともあって引けにかけて売った向きが買い戻しを急いだ感じなのでしょう。ただ、ドル円の101.40円近辺や日経平均のこの間のSQ値9,140円はトップを形成したようにも感じられ、調整入りしたといえるのかな?とも思われます。25日線が8,578円ですから、今後この値を試すのかどうか、というところなのかもしれませんね。



・ちょうどシティのパンディットCEOが「1-2月は好調だった」と発言し金融株に買い戻しが入って以降、全般相場も押しらしい押しを形成せず上昇してきたのですが、バンカメの決算でその金融の好材料を先取りする相場も一応は出尽くしなのかなぁ、という感じです。しかし、個人的な雑感としてはシティの決算の時にこういった動きになれば分かりやすかったのでしょうけど、何故シティの時は下がらずに何をバンカメだけ取って金融の悪材料が満載だったのか、いまいち不可解な動きだったりしますが...


・これまではサブプライム問題に代表されるように住宅などの資産価格の下落で銀行のバッド・アセットを拡大させてきた、という見方で良かったのですが、ちょっと1-3月の米銀の決算からまた違うところに目を向けていかなければいけないのかな?という気もします。例えばバンカメ決算から浮き彫りにされたのはクレジットカードの貸し倒れ率なのですよね。これが足元で急速に上昇してきているのです。


バンカメ(BOA)のクレジットカード貸倒率と米失業率(出所:バンカメの決算資料)


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これが意味するのは失業者が増加してクレジットカードのローンが払えない人が増加したということです。つまり、これまでなら不動産などの資産価格の下落が銀行を傷め続けたというシナリオだったのですが、今後は米経済のリセッションそのものが銀行の体力を蝕んでいくというシナリオに移行した感じなのです。逆にいえば米銀の問題は雇用情勢など実体経済が回復しない限り解決し得ないところに入りつつあるという見方ができるということです。従って、今後は住宅価格などの資産価格の動向と並行して雇用情勢など実体経済が金融を観る上で重要になっていくのだと思われます。



・話は変わって三市場信用残について。


信用売残 975,127(-49,965)百万円
信用買残 1,018,626(+64,911)百万円
信用倍率 1.04



ついに信用倍率が1倍を超えて取組がやや悪くなった感もあります(それでも拮抗という感じなのでしょうけど)。信用買いが9,000円手前の水準で694億円も増加してしまったのはちょっと高値でしこりを残したのかな?という感じですね。これで調整に入ると、ますますこの値段というのが重く感じさせそうで嫌な感じもします。信用買いの増えたセクターはこれまでは銀行株中心だったものの、このところの相場でリバランスの対象となっていた自動車株あたりも増加しているものが目立ちます。自動車株は踏み上げ狙いで買い付いた買い方が取り残されたのかもしれませんね。それでも売り残が高水準ですから取り組みが急に悪くなったという印象はしませんが、やはり買い方が買い付いたゾーンは高く、売り方の回転が効く相場になればややきつい局面もあるのかもしれません。


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by kabu-gion | 2009-04-21 17:08 | マーケット雑感

続伸~様子見ムード

今日の東京株式市場は続伸しました。


日経平均 8,924.75(+17.17)円
TOPIX 848.30(+2.73)
225先物(09/06) 8,930(-10)円


USD/JPY(15:30) 98.96円(みずほCBリファレンス)




・今日は病院で検査のため、場をみていませんでした。かなり待たされて時間が遅くなってしまいました。箇条書きで簡単に。


・NY市場。シティグループの決算はEPSベースで-0.18(Est.-0.33)ドルとなったものの材料出尽くし。ミシガン大学消費者信頼感指数が改善されていたことで押し目買いが入りました。債券はシティグループの市場予想を上回る利益で安全資産としての米国債売りが広がりました。


・東京株式市場。朝方は利益確定売りに押され軟調も後場に押し目買いが入り小幅高。相変わらず鉄鋼がしっかりで「鉄が浮く」展開となっていました。アジア株が支援したといった感じなのでしょうか?


・今週はいろいろと見極め材料が多いようですね。まずは今晩のバンカメ決算というあたりでしょうか。市場では小幅黒字を予想していますが、そんなに悪くなければ売られないだろうというような感じ。むしろG7あたりが焦点なのでしょうか?

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by kabu-gion | 2009-04-20 15:50 | マーケット雑感

今週の予定

今週の予定をまとめておきます。


【国内】
20日 2月景気動向指数改定値
22日 3月貿易収支
24日 3月企業向けサービス価格指数、2月全産業活動指数


【海外】
20日 米3月コンファレンスボード景気先行指数
21日 独およびユーロ圏4月ZEW景況感指数、加中銀政策金利発表
22日 BOE議事録、2月FHFA住宅価格指数
23日 3月米中古住宅販売件数
24日 独IFO景況感指数、英1-3月GDP速報値、3月米耐久財受注、3月米新築住宅販売件数、ワシントンG7


特に注目すべきは金曜日のワシントンG7ということになります。おそらく主題となるのはIMF改革の行方です。政策協調がいまだ求められる中、各国の利害を超えて危機対策に対してさらに有効な策をとることができるかどうか、注目でしょうか。そのほかに米国では20日にバンカメ、21日にキャタピラー、22日にモルガン・スタンレーなどの決算も控えており、日本でも週末から2009年3月期の企業決算が行われます。

今週の見通しについて詳しくは二段波動研究会の会員様向けにレポートにて書いております。よかったら是非どうぞ。


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by kabu-gion | 2009-04-19 21:17 | マーケット雑感