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三日続伸~年初来高値で引けピン

今日の東京株式市場は続伸しました。


日経平均 9,522.50(+71.11)円
TOPIX 897.91(+2.32)
225先物(09/06) 9,510(+60)円


USD/JPY(15:30) 96.72円(みずほCBリファレンス)



・強いですねが、上も重いです。


・NY市場。朝方発表された経済指標では新規失業保険申請件数が62.3万件、4月の耐久財受注は前月比1.9%といずれも市場予想を上回ってしっかりの寄り付きとなりました。しかし10時発表の4月新築住宅販売件数で前月比+0.3%となったものの、市場予想(+1.1%)よりは下回るものとなったことからややマイナスサイドでの展開もありましたが、7年債入札をきっかけに長期金利が低下したことから金融株、原油高からエネルギー株が物色されしっかりの引けとなりました。DJIAは103.78ドル高の8,403.80ドル、NASDAQは1,751.79となりました。債券市場は反発。7年債入札は応札倍率が2.26倍(過去3回の平均は2.3%)、外国中銀含む間接入札割合は33%(過去3回平均は33.2%)と内容としては好調とは言い難いものとなったものの、ここまで大きく売られてきた反動から安値拾いの買いが入る形となりました。10年債利回りは3.61%(前日は3.73%)。外為市場ではリスク志向から高金利通貨が買い進まれていく展開となりました。


・東京株式市場・前場寄り付き前の外資系証券の売買注文動向は、10社ベースで、売り2080万株、買い2090万株、差引10万株の買い越し、金額9社ベースでも買い越しとなりました。本日は月末ということもあり、経済指標が相次いで発表されました。


①4月失業率 +5.0%
②4月有効求人倍率 0.46倍
③4月コアCPI -0.1%
④4月鉱工業生産 +5.2%


このようになり、とりわけ注目された鉱工業生産指数は市場予想が+3.2%でしたのでサプライズとなりました。寄り付きは先物で9,500円で寄り付いた後9,440円まで伸び悩み、マイナスとプラスを行ったり来たりの展開で相変わらずの膠着相場が続いていきました。


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・後場。後場寄りは前引けと変わらないところで寄り付いた後、一旦9,430円まで売られる場面がありましたが、コア銘柄に100億円単位のドレッシング買いが入るのではないかとの観測から14時40分過ぎから引き締まる動きとなり、現物も9,500円に乗せて、引けにMSCIリバランスが執行された影響からか高値引けとなり5月の相場を終えました。債券市場買い戻しから小幅高、JGBFは5銭高の136.41円。


・今日はようやく9,500円を抜けて引けましたが、終日重だるい相場だったですね。引け間際に先物に大口買いが入って現物にもバスケット買いが入って引き締まって年初来高値で引けピンで5月相場をフィニッシュさせました。まぁ、米国債が落ち着いて長期金利が下がってくれたのがヤレヤレという感じでした。7年債の入札なんて応札倍率だったりとか間接入札割合だって低調だった感は否めませんが、とりあえず過去最大規模の米国債入札週を乗り切ったということでアク抜け感につながったのでしょうね。


月末の経済指標については「斑色」という感じでしょうか。鉱工業生産からみる生産状況は「V字」に近いのかもしれない、という印象を持ちました。低空飛行は余儀なくされないのでしょうけれど、在庫も一段減っており、製造工業生産予測調査でも5月は+8.8%、6月は+2.7%となっており、楽観しすぎるきらいはあるのかもしれませんが、ポジティブに捉えたいところなのかもしれません。半面で失業率は遅行性があるので参考程度にしたいのですが、有効求人倍率が0.5倍を割ってきたのはやはりネガティブですね。ハローワークに行ったとして2人に1社もないわけですから、雇用情勢はかなり深刻といわざるを得ません。当然この国は輸出依存が強いですが、個人消費支出も結構GDPに占める割合は大きいですので雇用の低下が消費支出を抑えかねないという点においては内需不振が今後も継続するのかな?という感じです。


・今月もお疲れさまでした。良い週末をお過ごしください。

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by kabu-gion | 2009-05-29 19:23 | マーケット雑感

続伸~底堅い相場

今日の東京株式市場は続伸しました。


日経平均 9,451.72(+12.62)円
TOPIX 895.59(+2.74)
225先物(09/06) 9,450(+20)円


USD/JPY(15:30) 96.66円(みずほCBリファレンス)



・妙に底堅い相場でした。


・NY市場。朝方発表された中古住宅販売件数は前月比+2.9%の年率468万件と市場予想を上回るものとなりましたが、同時に発表された3月のFHFA住宅価格指数が前月比-1.1となったことから住宅建設のDRホートンやレナーなどが売られました。また、FDICによると問題銀行は21%増加の305行に達したと発表、金融株も下げを強めました。そして米国債が売られ、10年債利回りが上昇していくと広範の銘柄が売り込まれ、下げ幅を加速していきました。DJIAは173.47ドル安の8,300.02ドル、NASDAQは19.35安の1,731.08となりました。債券市場は続落。5年債入札は応札倍率が2.32倍(過去10回平均2.17倍)、外国中銀含む間接入札の割合は44.2%(過去10回平均は32.4%)となり、好調とはなったもののセカンダリーで売りが膨らんでしまったことから他の年限でも幅広い売りが出されました。10年債利回りは3.73%(前日は3.54%)。外為市場では金融危機が最悪から脱したとの見方からポンドが買われ、7か月ぶりに1.6ドルを超えていきました。


・東京株式市場・前場。寄り付き前の外資系証券の売買注文動向は、10社ベースで売り1550万株、買い2070万株、差引520万株の買い越し、金額9社ベースでも買い越し観測となりました。寄り付きは売り気配で始まり、9,360円で寄り付いた後は買い優勢の展開となり、9,450円のあたりまで買われ、指数も切り返していきました。その後は9,440円を挟んだところでの膠着相場となっていきましたが、ドル円が96円方向に向かっていることも支援材料となりました。


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・後場。後場寄りは前引けとあまり変わらないところで寄り付いた後やや買い優勢の展開となり、日中高値を更新し13時過ぎに一時9,500円の節目にタッチする場面もありました。しかし、相変わらずこのレベルでは売り指値も目立つ展開となり、上値は限られました。その後は9,500円を目前としたところでの一進一退の展開となっていきました。引けではややインデックス売りに押されるも、小幅続伸で取引を終えました。債券市場は米国債が売られた流れを受け継いで債先売り/株先買いの流れもあり下落幅を広げる場面もありましたが現物債が1.5%を付けた後は買い戻し優勢となり、結局JGBFは変わらずの136.36円。外為市場ではストップロスを巻き込みながらドル円が97円台まで駆け上がっていく展開となりました。


・今日のところは安くなるのかな?という感じでしたが、ドル円が日中で95円台前半から96円台後半まで一気に騰がっていきましたので輸出株中心に押し目を買う動きが活発だった感じですね。あとはCTAが債先売り/株先買いを行っていたことも支援材料となっていました。まぁ、日本の場合は金利の絶対水準が低いですから長期金利が上昇してクラウディング・アウトの懸念から株が下がってしまうようなこともなく、という感じなんでしょうね。実際入っているのかはわかりませんが月末のドレッシング期待も押し上げる要因ともなったのかなぁ、という感じでしょうか。


・投資主体別売買動向。


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個人が買っています。ほぼ一手買いの構図のようにみえます。ただ、現物では売り越しているものの225先物で外国人は907億円買い越していますので、実質的には外国人と個人の買いという感じになります。外国人は先物を買っていますので、主力株への買いを行っているというイメージがあるわけですが、個人は中小型株、とりわけマザーズとかの新興市場にマネーを振り向けているようです。個人のリスク資産へのマネーの振り向けということを考えれば悪い話ではありません。ただ、回転が効いていくかどうか?という点において注視していかざるを得ないところなのだと思われます。


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by kabu-gion | 2009-05-28 16:51 | マーケット雑感

反発~上昇力には乏しい相場も200日線はクリア

今日の東京株式市場は反発しました。


日経平均 9,438.77(+127.96)円
TOPIX 892.85(+9.08)
225先物(09/06) 9,430(+90)円


USD/JPY 95.26円(みずほCBリファレンス)



・今日のところは先物の日中取引をみると上下90円の動きだったのですよね。


・NY市場。朝方は3月のS&Pケース・シラー住宅価格指数が予想を下回ったことから小幅安で始まったものの、モルガン・スタンレーがアップルについてiPhoneの需要が過小評価されているとして投資判断を「オーバーウエイト」としたことからハイテク主導で切り返しました。そして5月のコンファレンスボード消費者信頼感指数が54.9(前月は40.8)となり、市場予想の42.0を大きく上回り、2003年4月以来の大きな伸びとなったことがポジティブ・サプライズとなり、急伸していく展開となり、上げ幅は200ドルを超える場面もありました。DJIAは196.17ドル高の8,473.49ドル、NASDAQは58.42高の1,750.42となりました。債券市場は長期債が軟調。2年債入札は応札倍率が2.94倍(過去10回平均が2.43倍)、海外中銀を含む間接入札の割合は54.4%となり順調な入札となったもののコンファレンスボード消費者信頼感指数の上振れによる株高が圧迫要因となりました。10年債利回りは3.54%(前日は3.44%)。外為市場ではやや方向感に欠ける展開、ユーロに利食い売りも出されましたが、株高で持ち直しの動きとなりました。


・東京株式市場・前場。寄り付き前の外資系証券の売買注文動向は、10社ベースで売り1320万株、買い1760万株、差引440万株の買い越し、金額9社ベースでも買い越しとの観測となりました。寄り付き前に4月の貿易統計が発表され、貿易収支は市場予想575億円の赤字に対して690億円の黒字となりました。寄り付きは買い気配スタート、9,460円で始まった後9,480円まで買い進まれる場面までありましたが、先物の9,500円近辺の売り指値が相当厚く、戻り売りへの警戒感もあって9,450円近辺での売り買いが交錯するような展開となりました。結局9,480円を付けた後は上下30円ほどの値幅に終始する展開となりました。


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・後場。外為市場でドル円が堅調に推移していたことやアジア市場も概ね堅調ということもあり、買い優勢の展開で始まった後、節目の9,500円まで買い進まれる場面がありました。しかし、戻り売りの圧力は依然として大きく、その後はTOPIX型に売りが出されて前場のレンジの中心である9,450円を挟んでの小動きの展開となりました。この動きは終盤まで続きましたが、引け間際にはやや利食い売りに押される展開で安値圏に推移する場面もありましたが、大引けはそこからはやや値を戻して取引を終了しました。債券市場は株高や貿易収支で2カ月連続で輸出が伸びたこと、さらには世界的な債券安の流れから売り先行、大幅安に先物は昨年の10月の安値を付ける場面もありJGBFは46銭安の136.36円。外為市場は本邦投信設定が相次いだことを受けドル円が堅調に推移し95.50円近辺まで買い進まれる場面がありました。


・今日のところは昨日の4つの材料(S&Pケース・シラー住宅価格指数・2年債入札・GM・国連安保理)を無難にこなす、という以上にCB消費者信頼感指数がポジティブ・サプライズになってしまったという感じでNYが大幅高で終わってギャップアップで始まってその後は横ばいでしたが、妙に上値が重かったのは否めませんでした。上値が重かったのは、戻り待ちの売りや利益確定売りが相当程度あったということなんでしょう。先安感という感じではないんでしょうけど、後場からTOPIXの現先のスプレッドが逆鞘になっていて、裁定解消売りも出されていたことから結局全般相場の圧迫要因として作用した感が強いですね。


TOPIX現先のスプレッド


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・米債の入札について。詳細な2年債の結果についてはまつよしさんが書かれていますのでそちらを参照してください。個人的に「2年債こそが」無難だった、というのはうなずけます。米債の最大の保有者である中国は長期債よりも年限の短い債券に資金を移しているようですから、2年物であれば当然買いが入るのでしょう。従って海外中銀による間接応札割合が54.4%になったわけで、好調な入札結果だったということがいえるのです。そして入札結果を裏返して考えてみると、年限の長いものは2年債の入札が好調だったにも関わらず軟調に推移していたわけですから、余計に今日以降の入札結果には注視していかなければならないのではないか?と思われます。


・長期債の利回り上昇による米国債のイールドカーブのスティープ化というのは、短期で調達して長期で運用する銀行にとっては利鞘を得るチャンスなのですが、半面で住宅ローン金利などいろいろな市場金利が上昇してしまうのは困るというのはこのブログでも何度か書きましたし、ロイターの「FRB、イールドカーブのスティープ化でジレンマに陥る可能性」にも書かれている通りです。足元は住宅価格がまだ下がっており、デフレ色が強い中で将来のインフレ期待から金利が上昇してしまう現状ってあまりいいイメージはありません。要は担保価値が下がってきているのに安い金利でローンの借り換えが効かないとなると、住宅ローンを抱えている人にとっては困った話です。


・さらには長期金利の上昇はインフレ期待が根底にあるわけですので当然その国の通貨は売られやすくなりますから、輸出に頼らざるを得ないままの日本経済にも跳ね返ってきます。また、商品も足元騰がってきていますから、いずれコストプッシュへの懸念も強くさせます。こういった状況が昨年のように繰り返されるなら再度経済を疲弊させる可能性もあってその反動も気にしなければいけないのかな?という感じなんでしょう。本当にそういう意味ではFRBはジレンマに陥ったなぁ、という気がしています。マネーのリスク志向という意味では決して悪い話ではないのでしょうけど、その揺り戻しに警戒しなければ、とも思われます。

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by kabu-gion | 2009-05-27 16:53 | マーケット雑感

まちまち~GM問題佳境へ

今日の東京株式市場はまちまちとなりました。


日経平均 9,310.81(-36.19)円
TOPIX 883.77(+0.77)
225先物(09/06) 9,340(0)円


USD/JPY(15:30) 94.70円(みずほCBリファレンス)



・北朝鮮の問題もちょっと深刻ですね。



・NY市場はメモリアルデーのため株式・債券・商品市場は休場。外為市場もドル円で95円台を試すもポジション調整の動きとなりました。


・東京株式市場・前場。寄り付き前の外資系証券の売買注文動向は、10社ベースで売り750万株、買い990万株、差引240万株の買い越し、金額9社ベースでは売り越しとの観測となりました。寄り付きはGLOBEXの225先物が9,360円近辺で推移していたことから小幅高でスタートしました。金融がしっかりの半面電機が軟調でTOPIX型優位の展開で推移していきました。寄り付きこそもみ合いながらではありましたが、韓国のメディアが北朝鮮についてミサイル発射準備を進めていると報道、地政学リスクを嫌気した売り物が出され、一時100円を超える下げ幅、先物で8,230円までありましたが、その後は買い戻し急に8,290円まで戻して行きました。そして前引けは8,970円で取引を終了しました。


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・後場。後場寄りは小幅高で始まった後は一旦9,250円まで売られ、その後は9,200円台後半での取引が継続しました。13時台に入ると、通信などが上げ幅を拡大し、TOPIX型中心に戻していき、13時32分にはTOPIXがプラスに切り返す展開となり、225も9,300円を挟んでの推移となっていきました。その後は商いも薄く膠着相場の様相になっていきましたが、引け際にドル円がやや反発したことから買い戻しが入り、9,300円を超えての引けとなりました。TOPIXは続伸となっての引けとなりました。債券市場は20年債入札が順調なものとなったことからヘッジ外しの動きとなりJGBFは9銭高の136.82円となりました。外為市場ではユーロに利食い売りが出され、1.40ドルを割り込む動きとなり、ドル円もクロス円の売りに引っ張られる形で95円に接近した後反落しています。


・今日の相場は気迷いといった感じで、電機が安く通信などのセクターがしっかりしていたことからやや跛行色が強い相場だったですね。ポジション調整の売りも出されていた感じもします。今晩のNY市場にかけて、


S&Pケース・シラー住宅価格指数の発表
米国2年債入札
国連安保理
GMの無担保債務と株式の交換期限が本日


このような感じで懸念されるイベントが山ほどあって、一旦ポジションを外す動きもあったのかもしれませんね。マザーズ市場が盛り上がって小型株中心に堅調な銘柄が多かったですから個人投資家の物色意欲は強いですが、外国人中心に売りが出される主力がさえない動きでしたから、全般相場はこんな感じの動きになるのでしょうね。S&Pケース・シラー指数は前年比ではマイナス(市場予想は前年比-18.4%)も前月比ではプラスが予想されており、住宅市場の持ち直しを裏付ける感じであれば好材料になる可能性があるのですが、残りの3つの材料はむしろネガティブに反応する可能性が高いイベントであるため、ポジション調整になるのもやむを得ない感じです。米2年債入札に絡む懸念は昨日書きましたので追記することはありませんが、ドル安懸念が木曜日まで燻り続けるため見極めたい、という形ですね。安保理は北朝鮮の問題、言い換えれば東アジアの地政学リスクですから、これも買い控えやポジション外しの理由になります。


・残るGMの無担保債務と株式の交換期限というのも厄介な話です。朝方のモーサテで社債に投資している個人投資家の人がインタビューに応えていました(モーサテHPはこちらから)。結局債務と株式を交換すれば200万円で買った7%程度の社債について株式に転換すれば8万円の価値になってしまうのだそうです。まぁ、ジャンク債になったGMに投資した人の責任といえばそれまでなのですが、問題なのは、「社債の額面は戻ってこないのは仕方がないが、Chapter11の後にChapter7を使って事業継続を行わず、会社そのものを清算して残余財産を分配できたとする場合、社債と交換して無価値の株式を渡されるよりも、より多く資金を回収できるのではないか?」という発想があることです。すなわち、経営再建などは行わず会社清算にもっていこうとした方がベターなのではないかと思う投資家や債権者が少なからず存在している可能性があることです。そしてそういった債権者が株式交換に応じず、会社を清算させたいがために提訴する可能性もありえます。GMの債務の株式交換はかなり不利な条件ですから、なおさら応じづらいのもうなずけます。


・オバマ政権はあらかじめ(破綻していないにもかかわらず)債権者集会を開かせ、互いに合意したうえで債権債務関係をクリアにして新たなスポンサーを選定してChapter11を申請させ、経営再建のスピードを高めさせて自動車問題を解決したかったはず(プレパッケージのChapter11)です。その前段として無担保債務と株式の交換を行うことを経営側に提案させ、債権者に呑ませるはずでした。代表的な大口債権者のうち、政治力が効くUAWには合意させるように促し、金融機関はTARPを飲まされていますから文句も言えない状態です。従ってもともと債権者そのものが少ないクライスラーの場合には4月末にFIATをスポンサーに指定して無事プレパッケージのChapter11を申請させるところまでこぎ付けました。


・しかし、GMの場合は個人の社債保有者だけで数万人いるとされますし、その他の債権者もクライスラーに比べはるかに多いです。さらに、大口の(有担保)債権者ですら株式交換に強引に呑ませられるかどうか微妙ではないかとの見方もあります(「米GM:「捨て身の再建策」 債務圧縮に銀行団反発」参照)から、本日期限の債務削減策について9割の債権者から賛成を取り付けるのは難しいのが実情です。仮にGMについて、今日期限である無担保債務と株式の交換というスキームが頓挫したまま、今敷かれているスケジュールでいけば6月1日に「普通の」Chapter11になってしまう可能性もあるわけです。そうなると、再建計画もスムーズにいかず事業価値の毀損が起こりますから、取引先などにも大きな打撃を与えかねない懸念が残ります。さらに、先ほどの話に戻り、仮に不満を持った債権者が提訴してGMがChapter7に追い込まれる事態にでもなれば、もっと大変なことになります。それは米国の自動車産業そのものをなくしてしまうことを意味し、米国の雇用が劇的に悪化します。その可能性は低いのでしょうけど、ないわけではありません。そういった意味でも今晩に期限を迎えるGMの無担保債務と株式の交換が成功するかは事態をハードランディングに追い込むのか、あるいはソフトランディングとなって安堵となるのか、その行方を占う意味で重要だと言えそうです。



・こういったヘビーな4つの材料をこなさなければならないわけで、市場は値動き以上に神経質にならざるを得ないのは仕方がないところなのでしょう。

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by kabu-gion | 2009-05-26 18:04 | マーケット雑感

反発~地政学リスクは限定的?

今日の東京株式市場は反発しました。


日経平均 9,347.00(+121.19)円
TOPIX 883.00(+7.12)
225先物(09/06) 9,340(+110)円


USD/JPY(15:30) 95.07円(みずほCBリファレンス)



・ようやく体調が戻りぼちぼち再開していきます。


・NY市場。米財政赤字に対する懸念から米国資産の持ち高を減らす動きとなりました。PIMCOのビル・グロス氏が米国はいずれはトリプルA格を失うとの見方を示し、政府の借り入れコストが上昇しインフレが加速、金融危機の収束が一層難しくしかねないとしました。これを受けて引け際に指数はマイナス転換しましたが、シアーズの決算が好調だったり、マクドナルドの欧州部門の利益率改善を好感した買いが下値を支えました。DJIAは14ドル安の8,277.32ドル、NASDAQは3.24安の1,692.01となりました。債券市場は軟調、今週に短期債(T-Bill)を合わせて1620億ドルの米国債の入札を控え、警戒感から売られました。10年債利回りは3.44%(前日は3.37%)。外為市場は与謝野財務相が現時点で為替介入することは考えていないと発言、円が93円台に買われる場面もありました。米国資産の魅力減退からドルが広範に売られ、ユーロが1.4ドル台に乗せました。


・東京株式市場・前場。寄り付き前の外資系証券の売買注文動向は、10社ベースで売り1110万株、買い1970万株、差引860万株の買い越し、金額9社ベースでも買い越しとの観測となりました。寄り付きは先週末よりも小幅高でスタートした後、投信設定の買いや先物市場へのショートカバーの動きからまとまった買いが入り、9,300円台に乗せ、9時25分には9,380円まで買われていきました。その後は9,360円近辺で小動きとなりましたが、引き続き騰勢は衰えず、10時38分には9,410円まで買い進まれ、200日移動平均の9409.10円に接近しましたが、そのレベルでは戻り売りも出され、上海・香港市場が軟調に推移していたことから売り物に押されての前引けとなりました。


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・後場。昼休み中に北朝鮮が核実験を行ったとの報道からアジア市場が下げ幅拡大となっていく流れでSGXで一時9,185円まで売られていく動きもありました。ただ、売り一巡後は買い戻しも入り、後場寄りは9,290円で寄り付いた後、戻し歩調の推移となっていきました。13時46分には一時9,370円まで買い進まれる場面もありましたが、14時過ぎに今度は北朝鮮が短距離ミサイル発射実験を行ったとの報道からややまとまった売りが出され、9,310円までありましたが、ドル円相場にショートカバーの動きが入り、95円台を回復した流れから9,340円を挟んでの推移となり、しっかりの展開のまま引けました。ファーストリテイリングが上げ幅を拡大したことから225型が強く、逆に自動車株などがややさえない動きからTOPIXが終日アンダーパフォームする展開となっていました。



・今日のところの上昇は先物市場へのショートカバーの動きだったり、先週末に設定された投信設定で今日も買いが継続して入ったという観測があったりして北朝鮮の地政学リスクを消化してといった展開でした。韓国総合指数はミサイル発射直後に窓を空けて急落しましたが、その分はややリカバリーしている動きですかね。


韓国総合指数(KOSPY)の5分足


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・やはり、今週はGMの問題が表向きの焦点なのでしょう。6月1日に再建計画提出の最終期限で、その時点でクライスラーと同じようにChapter11の申請というシナリオが強いのでしょうけど、この場合、クライスラーよりも規模がはるかに大きいですので破綻させた場合の影響がどの程度あるのか、そのあたりをマーケットはまだ織り込み切れていないようにも感じます。この点は今週の表向きのマーケットの揺さ振り材料として意識されます。


・そして、本当の揺さ振り材料というのは、やはり米国のトリプル安リスクというところなんでしょうね。今日の日経にもありましたが、日米欧で長期金利が上昇している、すなわち債券が先進諸国で売られていて、それに伴う金利上昇が景気全般の回復の足かせになるのでは?ということなのです。まつよしさんもおっしゃっていますが、特に米国債の売られ方(ベア・スティープ化)が気になります。


米国債のイールドカーブ


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米国債が売られている要因として2つの要因があります。


①グローバル景気ボトムアウトの観測からリスクアセットへマネーをシフトさせている(良い金利上昇)
②財政悪化懸念(悪い金利上昇)


こういったものがあります。債券が売られ始めたきっかけは経済指標の好転で、その結果「質への逃避」から債券市場に流れていたマネーが例えば株式や新興国通貨、コモディティなどリスクアセットへシフトさせているという動きがあったことは確かです。米国の10年債で2.11%から3%近いところまで上昇していった背景というのはそういったところもあって、米ドルや円を売ってオーストラリアドルを買おうなんていう動きが盛んだったのです。このときは「良い金利上昇」であり、ドル安円安他通貨高という構図で、ある意味で「良いドル安」だったといえます。


・しかし、財政政策を加速していく段階では当然財政悪化へとつながり、米国債の大量入札が繰り返されると供給懸念から債券はさらに売られやすくなります。そのような動きが加速すれば米国からマネーが逃げやすくなり、結果的にドル安につながって輸入物価が上昇してインフレへの懸念を高めてしまいます。あるいは市場金利が跳ね上がってクラウディング・アウト、すなわち企業金融では調達金利が上昇し、あるいは家計部門では住宅ローン金利が上昇し、借入コストが増大してしまうことで設備投資や消費を下押ししマクロ経済の悪化懸念から金融問題が再燃しかねないわけです。これが先ほどのビル・グロス氏の発言につながります。S&Pが英国の格付け見通しを引き下げたことから、同じような財政政策をとっている米国でも格下げ懸念が生じ米国債が大きく売られ、ドルが独歩安になったという現象をみれば、それは「悪い金利上昇」であり「悪いドル安」になります。


・そういった市場環境で焦点となるのは1010億ドルと過去最大機規模の大量入札が今週控えていることです。つまり債券市場では相当程度供給不安が強まるのです。入札が無難に通過すれば過度な供給懸念は和らぐのでしょうけど、不調に終われば売り浴びせの動きとなり、金利上昇に拍車をかけ、それが住宅ローン金利に跳ね返るようであればそれは金融問題の長期化につながる可能性がありますし、米銀は大量の債券を在庫として保有していますから、債券が売られれば金融機関の評価損の問題にもなっていきます(債券の価格は今回のFASBの時価会計緩和の適用にはなりません)。企業金融の部門であれば社債借り入れコストが大きくなってしまう懸念が高まります。そうなってしまうと株式にもマイナスですし、ドルにもマイナスです。従ってトリプル安を引き起こしかねないわけですから、米国債の大量入札の結果に相当神経質になる、そういう週となります。


・まぁ、日本では長期金利が上昇しても金利水準がもともととても低いですからクラウディング・アウトにはなりませんし、円が買われれば輸入物価も上昇しませんからインフレにもなりません。結局はデフレの日本という構図は変わらないのでしょうけど。

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by kabu-gion | 2009-05-25 17:31 | マーケット雑感

今週はお休みさせていただきます。

今週は当方体調不良により、ブログの更新をお休みさせていただきます。
リフレッシュしてまた戻ってきますので、どうかそれまでの間、充電期間ととらえていただければ幸いです。

読者の皆様にはご心配とご迷惑おかけしますが、どうかよろしくお願いいたします。
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by kabu-gion | 2009-05-21 16:38 | ブログ

感染拡大懸念とドル円94円台を嫌気~急反落

今日の東京株式市場は反落しました。


日経平均 9.038.69(-226.33)円
TOPIX 859.71(-21.94)
225先物(09/06) 9,080(-190)円


USD/JPY(15:30) 94.94円(みずほCBリファレンス)



・関西方面では大変ですね。パニックにならなければよいのですが...


・NY市場。朝方の経済指標では5月のNY連銀製造業景気指数が-4.6(前月は-14.7)、5月のミシガン大学消費者信頼感指数は67.6(前月は65.1)、4月の鉱工業生産指数は前月比-0.5%となりました。序盤こそ景況感の改善からプラスに転じる場面があったものの、FDICのベアー総裁が複数の金融機関のCEOが解雇されるだろうと述べたことから金融株が安くなり、バンカメが5.66%安、ウェルズ・ファーゴが3.19%安。またエネルギー株も原油先物が2.28ドル安で取引を終えたことから安くなり、全般指数の圧迫要因となりました。DJIAは62.68ドル安の8,268.64ドル、NASDAQは9.07安の1,680.14となりました。債券市場は軟調。朝方発表された一連の経済指標が良かったことから売りが優勢となりました。外為市場では1-3月ユーロ圏GDPが前期比-2.5%となり1995年以降最悪のマイナス成長となったことからユーロ売りの動きとなりました。


・東京株式市場・前場。寄り付き前の外資系証券の売買注文動向は、10社ベースで売り1250万株、買い1530万株、差引280万株の買い越し、金額9社ベースでも買い越しとの観測となりました。寄り付きは売り気配で始まり、9,090円で始まりました。外為市場でドル円が節目の95円を割り込む場面で売りが加速していき、ハイテク株の下げが大きくなっていく展開となりました。そして先物で10時45分には9,000円を割り込んで、一時8,990円まであり、現物も9,000円の節目を割り込みました。ただ、それ以上に深押しはせず、前引けは安値圏でで取引を終了しました。


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・後場。後場寄りは9,000円台を維持して始まりました。ムーディーズがJGBについて格付けを発表するとしたことから市場では格下げ観測が広がり、94.50円レベルを割り込んだドル円が戻し歩調、株式市場もドル円の戻りから買い戻しを誘い、一時9,080円までありましたが、戻りは鈍く、ハイテク株が終始停滞のまま引けました。債券市場は朝方から株安を手掛かりに買い優勢となりましたが、後場にムーディーズのJGB格下げ観測や株が下げ渋ったことからからやや伸び悩み、JGBFは27銭高の137.31円。外為市場はドル円が一時94円台中盤まで下落しましたが、日本の自国通貨建て債務格付けをAa3からAa2に引き上げる一方で、外貨建て債務格付けをAaaからAa2に引き下げ、債務格付けをAa2に統一したことから円売りとなりました。



・今日のところはそんなに書くことがないのですが、国内の新インフルエンザの2次感染拡大が意識されて、物や人の流れに影響を及ぼして経済に影響するのではないかとの見方から下げ幅を大きくした感がありますね。改善されつつある景況感をこのインフルエンザで冷やされるということになれば、ちょっと厳しい局面にさらに追い打ちをかける状況にもなりかねないところは気がかりなところです。さらに言えばパンデミックのリスクがこれでさらに増すわけですから、今後のWHOのフェーズ認定などの動きによっては世界経済という視点でも大きなリスクとなりかねません。


今週のポイントとしては20日の1-3月本邦GDPということになります。おそらくは年率換算で-15%くらいのものは見込まれています。設備投資や外需は停滞したままなのでしょうけど、関心があるのは個人消費に底打ちのサインが見られるかどうかでしょうか。個人消費は今日発表された消費者態度指数が4カ月連続で改善していたり、あるいは景気ウォッチャー調査の改善も顕著であったりしますので、この点についてボトムアウトがみられればいいのかな?という感じでいます。


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by kabu-gion | 2009-05-18 17:56 | マーケット雑感

反発~悪役不在

今日の東京株式市場は反発しました。


日経平均 9,256.02(+171.29)円
TOPIX 881.65(+18.99)
225先物 9,270(+140)円


USD/JPY(15:30) 95.71円(みずほCBリファレンス)



・なんだかするすると騰がってしまう不思議な相場でした。


・NY市場。朝方の新規失業保険申請件数は市場予想61万件を上回る63.7万件(前週は60.5万件)となりました。受給総数は15週連続で過去最高を記録しました。クライスラーの破綻による工場閉鎖が申請件数を押し上げたようです。しかし、株式市場ではCAの1-3月期の決算において事業再建関連費用除く1株利益が市場予想29セントを上回る31セントとなったことからハイテク株中心に押し目買いの動きとなりました。LIBOR金利3カ月物が過去最低水準まで低下したことで金融株にも買いが入りました。ウェルズ・ファーゴが6.16%高、JPモルガンが4.38%高となりました。DJIAは46.49ドル高の8,331.32ドル、NASDAQは25.02高の1,689.21となりました。債券市場は堅調。新規失業保険申請件数の増加から景気回復の厳しさが浮き彫りになったほか、FRBが米国債29億8000万ドルの買い入れを行ったことも支援材料となりましたが、株高で上げ幅は限定的となりました。10年債利回りは3.09%(前日は3.11%)となりました。外為市場では株高から円安、高金利通貨が上昇する展開となりました。



・東京株式市場・前場。寄り付き前の外資系証券の売買注文動向は、10社ベースで売り2000万株、買い1290万株、差引710万株の売り越し、金額9社ベースでも売り越しとの観測となりました。8時50分に内閣府から3月の機械受注の発表があり、船舶電力除く民需で市場予想-4.5%に対して、


-1.3%


となったことを受け、SGX市場では好感した買いも入りました。寄り付きは9,160円でスタートし、その後もみ合いながらの推移となっていきました。昨日決算を出したソニーについては4%高で推移、今日の日経で8000億円の増資を行うとの観測が出されたみずほFGは2%安から値を戻していく展開となると全般相場も引き締まり、大きな動きこそなかったものの、じり高歩調となっていきました。10時29分に9,200円を突破し、その後も戻り売りを消化しながら10時58分には9,250円まで買い進まれる動きとなりました。

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・後場。後場寄りは前引けよりもやや高い所で始まり、その後は高値圏でのもみ合いに終始しました。みずほFGが切り返すなどして市場ムードも好転し、上値追いの展開となりました。後場は9,230円から9,280円までの50円幅の値動きしかなかったものの、地合としては堅調そのものの動きとなりました。そしてそのまま高値圏での引けとなりました。債券市場は続伸、後場からプラス圏の浮上となりました。国内投資家の中長期債の買い観測やCTAの買い戻しが相場を牽引しました。JGBFは10銭高の137.04円。外為市場は仲値でのドル不足から96円台に回復する場面もありましたが、仲値通過後はやや需給の緩みから売られる場面がありました。米国債償還に絡む円転は来週以降に残されてはいるものの大部分が必要な部分は行われたとの見方がありました。ロンドン時間では独1-3月GDPが予想を下振れしたことからユーロ安、クロス円も連れて安くなっています。



・今日は機械受注が上振れしたのと、みずほFGがプラスになってくれて市場心理が好転して上げ幅を拡大したという格好の相場だった感じですね。みずほFGに関してはこのブログでも増資が必要ではないかと書いたことがありましたが、予想されていたことなんでしょうね。朝方は短期筋が嫌気して投げたのでしょうけど、アク抜けにとらえられた側面が強いようです。現状では世界的な金融の流れとして「有形普通株自己資本比率」というもので資本の健全性をみる風潮がありますから、それに倣ったものなのでしょう。


・投資主体別売買動向。


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今週2度目ですが今回は5月第1週。外国人が一手でお買い上げになった相場ですね。先物では160億円程度の売り越しですからやっぱり現物中心に買い進まれている動きとなっています。このあたりは新規買いなのかショートカバーなのかはわかりませんが、例の某ヘッジファンドがみずほFGを5000万株以上買い戻しているなんていうデータもあります(東証の空売りの残高に関する情報を参照)から、どうもショートカバーくさいかなぁ、なんていう感じもするのですよね。GW中にNYが高くなってCME225先物も9,500円あたりまで推移していて、ヘッジファンドの解約の45日ルールもあったりしますから、とにもかくにもショートで組んでいたファンドが値段かまわず買い戻しを入れざるを得なかったのが実情なんでしょうね。個人は利食い売りをきっちり出しています。信託も粛々と売り越しています。そんなわけで外国人の買い戻しが終わった後、どの主体がどのくらい売り買いしていくか、これが9,000円台の相場の需給動向を占ううえで興味がありますね。


・それでは今週もお疲れさまでした。よい週末をお過ごしください。


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by kabu-gion | 2009-05-15 17:05 | マーケット雑感

急反落~楽観相場に冷や水

今日の東京株式市場は反落しました。


日経平均 9,093.73(-246.76)円
TOPIX 862.66(-26.09)
225先物(09/06) 9,130(-230)円


USD/JPY(15:30) 95.65円(みずほCBリファレンス)



・後場終盤まで眠い展開でした。


・NY市場。朝方発表された4月の小売売上が市場予想前月比変わらずに対して-0.4%となったことから景気楽観論の後退から売りが出されました。メーシーズの2-4月期決算においても赤字幅が前年同期より拡大していたこともあり、S&P小売株28銘柄中27銘柄が下落しました。リアリティトラックによると住宅保有者のうち374人に1人の割合でデフォルト並びに競売の通告、差し押さえの実行手続きを受けているとの報告から不動産株もさえない展開となりました。アプライド・マテリアルズの2-4月期決算は2四半期連続の赤字となり、ハイテクも売りが出されました。DJIAは184.22ドル安の8,284.89ドル、NASDAQは51.73安の1,664.19となりました。債券市場は堅調。小売売上の弱さから米経済の楽観的見通しが後退したことから質への逃避として見直されました。4月の輸入物価が-16.3%となりデフレ懸念も支援材料となりました。10年債利回りは3.11%(前日は3.17%)。外為市場では逃避先の需要から円が全般的に買われる展開となりました。ECBメンバーのスロベニア中銀のクラニッツ総裁がECB資産購入拡大、買い取り資産もカバードボンド以外に広げる可能性を示唆したことからユーロが売られる展開となりました。


・東京株式市場・前場。寄り付き前の外資系証券の売買注文動向は、10社ベースで売り2840万株、買い1460万株、差引1380万株の売り越し、金額9社ベースでも売り越しとの観測となりました。寄り付きは売り気配スタート、9,140円で寄り付きました。その後は一旦買い戻しの動きとなり、9,170円まで買い進まれる場面がありました。しかし、上値では売り物も出され、その後はもみ合う展開となりました。10時以降は9,110円を挟んで上に10円、下に20円の値動きとなり、膠着感が強まる展開となり、そのまま前場の取引を終えました。


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・後場。後場寄り直前にSGXでまとまった売り物が出されたことから、後場寄りはギャップを空けてのスタートとなりました。しかし、下値での買い指しも厚く、その後は9,080円を中心に上下10円の値幅での小動きとなりました。13時台からはやや買い戻しも入り、一旦9,130円まで買い進まれる動きもありましたが、押し目買いを入れる向きも限定的、その後は9,100円に抑えられる展開となりました。徐々に金融株の下げ幅が拡大し、TOPIX型で日中安値を切り下げていく中で225も安値を伺う展開、14時48分には9,050円まで売られる展開となりましたが、大引け間際に買い戻しも入り、やや下げ渋っての引けとなりました。債券市場は反発、景気楽観論が後退し、国内投資家からの根強い需要からJGBFは一時137円を付ける場面までありました。JGBFは前日比44銭高の136.94円となりました。外為市場は早朝にドル円で95.15円を付けたものの、この節目の95円を割り込んで売り込むという動意には乏しい展開となり、ロンドン時間に掛けては95円半ばでの取引となっています。


・今日のところは昨日の小売売上が出た瞬間からダウ先物もCME225先物もフリーフォール状態、結局NY市場がそのまま停滞していての流れですから、その流れを引き継いでの東京市場でした。


小売売上が発表されたときのダウ先物の動き


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小売売上の見方についてはエコノミストにお任せしますが、相場的にはちょうど売り場探しをしていた最中に市場コンセンサスを下回るものが出てきてしまったという感じだったので、それがきっかけに一斉に売ってみたという感じだったのでしょう。いくらイースター商戦が後ずれして4月は回復というシナリオがあっても、失業率が上昇してしまってクレジット・ローンが組みにくい消費者が増えている中ではなかなか米国の個人消費も盛り上がらないのが実情なんでしょうね。過度な期待がある分、反動もきつくなってしまいがちなのは仕方のないところなのかもしれません。そういった見方から景気に対して「V字の楽観論」を組み立てるのはやや無理があるのかな?という気もします。当面は景気に対して強弱分かれる指標が出されるのでしょう。


・ソニーの決算について。一応10年3月期の営業赤字を市場予想1050億円の赤字に対して1100億円の赤字という数字を出してきました。ロンドン市場17時現在では東証終値よりもやや高い水準での推移となっていますので、市場では織り込み済みという見方があるのかな?という感じです。しかし、部門別ではゲーム事業、テレビ事業で赤字を見込んでおり、主力事業は今年度もダメという印象を抱きます。想定為替レートも1ドル95円、1ユーロ125円前後としています。この見立てが甘いかどうかはアナリストの見方ということになるのでしょうが、為替のレート95円で大丈夫か?という感じもしないわけではありません。95円というのは他にも輸出企業の今年度の想定レートとして設定している場合が多いですから、今後この水準を割り込んだときにはこういった銘柄には逆風になる可能性もありますね。トヨタも5日続落で、5月8日に99円で三尊天井を形成しつつある今の外為市場の環境では輸出銘柄にはちょっと正念場となっている感じもします。


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by kabu-gion | 2009-05-14 17:27 | マーケット雑感

反発~ドル資産売り懸念

今日の東京株式市場は反発しました。


日経平均 9,340.49(+41.88)円
TOPIX 888.75(+3.32)
225先物 9,360(+40)円


USD/JPY(15:30) 96.60円(みずほCBリファレンス)



・今日は都合があって、相場がみられない時間が多かったので、概況は短めになります。


・NY市場。フォードやUSバンコープなどの巨額増資でEPSの希薄化懸念から売られる展開となりました。ただ、グリーンスパン前FRB議長が住宅市場の回復は近いだろうと述べたことや、ファイザーが同業のワイス買収完了により増配する可能性があるとの観測からDJIAは切り返しました。DJIAは50.34ドル高の8,649.11ドル、NASDAQは15.32安の1,715.92となりました。債券市場は横ばい。株価が不安定な動きとなったもののFRBの買い切りオペが好感されました。10年債利回りは3.17%(前日は3.16%)。外為市場ではドルが売られる展開、貿易赤字拡大などからドル売りに拍車がかかり、ドル円は96円台での取引となりました。


・東京株式市場・前場。寄り付き前の外資系証券の売買注文動向は、10社ベースで売り2900万株、買い2680万株、差し引き220万株の売り越し、金額9社ベースでは売り買い均衡との観測となりました。8時50分に発表された3月の国際収支で3月の経常黒字は前年比-48.8%の1兆4856億円となりました。寄り付きは小反発で始まりましたが、外為市場でドル円が95.80円あたりまで売られていくと輸出関連を中心に売られ、先物でも9,270円まで売られる場面がありました。その後はドル円も買い戻しが入り、下げ渋りから小幅プラス圏に浮上して前場の取引を終えました。


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・後場。後場寄りはアジア市場が堅調に推移していたことから前引けよりも高いところで始まり、堅調もみ合いの展開となりました。ただ、上値では国内系の売りが観測され、その後は膠着感のある相場展開となっていきました。結局もみ合いに終始し、小反発で取引を終えました。債券市場は軟調、海外勢からのテクニカル的な売りから一段安となる場面もありました。JGBFは24銭安の136.50円。外為市場ではドル売りバイアスがかかり、短期筋の仕掛け的な売りから96円を割り込む場面までありました。ロンドン時間では96円の前半での取引となっています。



・今日のところは相場をよく見てはいなかったのですが、ドル円の動きに神経質に推移していたのかな?という感じです。アジア市場やダウ先物が堅調に推移していたことから割合底堅かったともみることもできますが、上値では確実に売りが出されているような感じで方向感がなかった動きでした。



・その外為市場で気になることといえばドル安ですね。先週くらいまでの構図であれば、ドル安、円安、ユーロ高、新興国通貨高という感じで受け取っていたのですが、今週に入り円に対してもドルが安くなり、まさにドル独歩安という構図になっています。ドルインデックスをみても直近でかなり値を下げてきていることがわかります。


ドルインデックスと30年債の動き(出所:ICE・CBOT)


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これをみるとここ直近の動きというのは米国債安、ドル安の流れが鮮明になってきていることです。つまり何を意味するかといえば(朝方のモーサテのJPモルガンの佐々木融氏が指摘していたような)ドル資産売りという流れです。これに関してはいくつか見方ができます。


①リスクアペタイトの高まり
②米国の財政に関する懸念


このような見方ができます。前者の見方であるならば、グローバル景気がボトムアウトし、回復していくという見立てからリスク許容度が高まるにつれ安全資産から買われていたドルがら他の通貨にシフトしていくというマネーの動きを表しています。後者の見方であるならば、先々週に10年債利回りが3%台に乗せてきた背景が米国債の供給懸念で米債が売られていき、主に海外投資家などからドル資産を敬遠する動きです。とりわけ4月27日からのクォータリー・リファンディングで合計1720億ドルもの米国債の入札を消化しなければならなかったのですが、その最後の入札となった30年債が失敗に終わってしまって金利が上昇して(債券が売られて)、ドルも軟調になってしまわざるを得なかった、さらに今週に入ってからFRBが追加で米国債の買い取り枠(3000億ドル)を増額せざるを得ないという観測から中央銀行のバランスシートへの懸念も蒸し返されてドルが売られていくという構図もあるのではないかと考えられます。


・とにもかくにも、この動きが後者の「米国売り」と解釈され、そのトーンが強まる場合にはそれなりに警戒を要するのかもしれません。30年の住宅ローン固定金利が5%に乗せてきている中で、住宅ローンの借り換えが思うようにいかず、ローンの未払いや焦げ付きが新たに出てきてしまうのであれば、再度金融機関の不良資産の問題へと響いていく話ですし、金利が上昇して民間投資を圧迫するクラウディング・アウトへの懸念も浮上していき、経済の回復を阻害する要因にもなりかねない話です。リスクアペタイトの高まりという側面からすれば良い金利上昇なのでしょうけど、米国売りの流れという文脈であれば悪い金利上昇になる場合もあるので、現状のドル売りの行方と米国債の動向には気にしておかなければいけないでしょうね。

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by kabu-gion | 2009-05-13 16:48 | マーケット雑感