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三日続落~失望は継続

今日の東京株式市場は続落しました。


日経平均 7,705.36(-240.58)円
TOPIX 760.29(-17.81)
225先物(09/03) 7,750(-200)円


USD/JPY(15:30) 90.07円(みずほCBリファレンス)



・ガイトナー・ショックから一日置いて始まった東京市場でもやはりこうなったか、という感じですね。


・NY市場。景気対策法案について、上院と下院との溝を埋めることが出来て、景気法案の採決は早ければ12日となるだろうという民主党院内総務の発言などを受け、値頃感の買いが入るものの、基本的には指数は小動きの展開。金融株はしっかりでシティが+10.75%、バンカメが+9.17%、JPモルガンが+5.97%となりました。半面で業績見通しで失望売りが出されたリサーチ・イン・モーションがハイテクの足を引っ張る格好。DJIAは50ドル高、CME225先物は大証比145円安の7,805円。外為相場も貿易収支は手がかりにはならず小動きの範囲。90円を挟んでの売り買い交錯となりました。債券市場は堅調で、フライ・トゥ・クオリティの地合継続。10年債の入札は応札倍率2.21倍と前回よりも低下するものの、無難な入札結果との見方から長期債中心に買い優勢となりました。


・東京株式市場・前場。朝方はCME225先物が7,805円(円建てでは7,765円)で帰ってきたことからその値に鞘寄せする形で始まり、現物株にも売り気配で始まる銘柄が多数みられました。その後は7,800円を挟んだ動きとなり、下値を売り叩く向きは限定的となり、次第に買い戻し優勢に一時7,860円まで下げ渋る展開もあるも、債券市場が堅調に推移し、またクロス円中心に売りが出されて、ドル円も軟調に推移するに従い先物に売りが出され、10時30分以降は安値を切り下げる展開で推移していきました。前引けはほぼ前場の安値引け。

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・後場は香港などが軟調に推移、ドル円も90円割れの水準まで売られていたことを嫌気、SGXで下げ幅を拡大していたことから、ギャップを空けて7,710円で寄り付いた後は一度7,660円まで売られ、現物の1月安値の7,671.04円が意識されたものの、オプションSQを控えて売り叩く向きも限定的、その後は7,700円を挟んでの横ばいの推移となりました。横ばい圏ながらも、安値は切りあがる展開であり、7,750円の権利行使価格が意識され、それに収斂していく形でしたが、引けに掛けて現物に売りが出されやや値を下げて引けるものの、先物市場は再度7,750円が意識される展開、結局その権利行使価格で引け、このあたりは芸術的。JGBFは結局88銭高の139.80円。


・ガイトナー・ショックについて。繰り返します。市場があまりにも過大な期待を寄せ過ぎていた反動という声もありますが、基本的には額が少ないことが失望感を呼んだのはいうまでもないところです。今日は三菱UFJ証券のレポートを読んでいましたが、これにも米金融機関の潜在的損失の規模は最大5兆ドルあると書かれています。民間出資を伴うファンドを創設といっても結局リスクテイクできるファンドなどはそんなには多くないはずです。かつてのレバレッジ金融の世界ではPEやヘッジファンドなどの資金が流入し、日本の不良債権問題解決の如く、それが出来たのかもしれないのでしょうが、今ではそれが出来ないのです。ですから何とか公的主軸で進めていかなければならず、事あるごとに催促相場が意識されるところなのかもしれません。


・それと、プレジデンツ・デー前後の懸念もあります。その懸念材料とは米国ではビッグスリー。忘れた頃にやって来るミクロの懸念材料ですかね。米国休み明けの17日、GMとクライスラーが政府に対して経営再建策を提出しなければなりません。明日にでも採決の景気対策法案の中に、「GMに対して公的資金を注入した時に発生した税負担の免除が盛り込まれる」とのスタベナウ上院議員発言から、この問題が蒸し返された感じがあります。ビッグスリーの問題は何かあるたびに政策対応が試されるものでもあります。12月の公的資金注入の時に話された「プレ・パッケージ型の破産」のスキームで物事を進めていけるのか、あるいは全面的に救済してしまうのか、先送り的に公的資金を再度注入してしまう羽目になるのか、オバマ政権は再度難しい舵取りが強いられそうな感じですね。


日本のGDPも物凄く懸念。ロイターが集計した市場予想の平均は年率換算で-11.7%で、最も悪くみている調査機関は-14.2%を予想しています。その大きな要因となる外需寄与度は予想平均では-2.3%。これまで如何に日本経済が「数量×為替」という妙な「レバレッジ外需」経済依存だったのかに気付かされます。すなわち、他国の経済が落ち込み、輸出が急減して、交易条件が悪化すれば、他国の経済よりもレバレッジを掛けている分、経済の落ち込みは大きいという構図なのです。


実質輸出の推移(2005暦年平均を100・出所:BOJ)

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輸出の落ち込み(=数量減)に対円での他国通貨安がギアリング効果の如く外需を突き落としていきます。内需を拡大すべきという声もありますが、グローバル化した経済の中でどこまで内需でカバー出来るのか、という疑問もあり、なかなか難しいですね。交易条件だけは改善できなくも無いわけで、そのあたりは政策で補える感じもしますが。考慮の余地有りだと思います。


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by kabu-gion | 2009-02-12 16:57 | マーケット雑感


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